ラティフェ・テキン

人物・団体ページへ

乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺

ラティフェ・テキン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309206554
ISBN 10 : 4309206557
フォーマット
出版社
発行年月
2014年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
宮下遼 ,  
追加情報
:
193p;20

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    丘で幸せに暮らす人々。しかし、その生活は資本主義・グローバルリズムによる工場の建設からどんどんと転がり落ちていき・・・。かつての丘は奪われ、ゴミだらけになった。土地の奪い合い、工場による搾取、放射能や工業廃棄物からの毒で苦しみ、女は男の服従対象として手荒く、扱われる。だけど、人々は遣る瀬無さを噛み締めながらもしぶとく、生きていく。その手段の一部が歌などの創作だというのが人間の希望だったのかもしれない。

  • りつこ さん

    なかなか読みづらい本であったよ。テンションが読めないというかリズムに乗りづらいというか。幻想なのか寓話なのかリアルなのかよくわからなくて、笑っていいのか怒った方がいいのかどう反応するのがいいのか、正解が分からない。作ったものが作ったはしから破壊されてもまた作る。怒られると分かっていても笑う。一夜建てに暮らす人々のたくましさよ。どん底にあってもなお生き続けようとするたくましさに励まされながらも、よくわからなかったなぁというのが正直なところだ。

  • 弟子迷人 さん

    トルコ版『百年の孤独』とは「マジック・リアリズム」のことを指すのかと思いきや。とても楽しい、おもちゃ箱(この場合はゴミの山か)をひっくり返すようなエピソードの奔流の中に、仕掛け的にもちゃんと入っていました。原題は『乳しぼり娘クリスティン、ゴミのおとぎ噺』だそう。たくさんの人が入れ替わり立ち替わり出てくるので、「乳しぼり娘」が出て来たら、付箋を貼ることをオススメします!>< で、けっこう悲惨な話なんですけどね……。物語の中の皆さん、強く生きています! それが「私(テキン)の抵抗へのご褒美」なのかもしれない。

  • zumi さん

    「なんでも、あの得体の知れない郊外では、次々と摩訶不思議なことが起きるらしい」ゴミの丘で魂は光芒を放つ。それは幻想的というよりは、むしろ限りなく現実へと接近しようとする「声」に他ならない。一夜建ては、風が吹いては倒れ、その度に何度でも再建される。ブリキ缶のミナレットも、悪臭を放つ工場も、ダンボールの装飾も、消えてはまた現れ、人々は何度でも抵抗と服従を繰り返すだろう。言語の力は、時に無稽となりつつも、有理を超える爆発を引き起こす。風に揺れる花が咲き、癒しの涙が流れる、この地には悠遠の歌が流れる。素晴らしい。

  • きゅー さん

    「<花の丘>の住人たちが語り継いできたゴミのおとぎ噺」とある。時代は20世紀前半のようだが、彼らの暮らしぶりと語りの口調から、はるか昔の出来事のように聞こえてくる。現代社会と古代が入り混じった世界が伝承文学という形で綴られているので不思議な感覚に身を委ねた。「現代のお伽話」という言葉は時々耳にするが、体裁から語りから何から何まで「おとぎ噺」というのも珍しい。現代文明への批判? 痛罵? そんなことは置いておいて、彼らのおかしくも懸命な生き様を楽しもうではないか。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

ラティフェ・テキン

1957年、トルコの中央アナトリア地方、カイセリ県の農家に生まれる。9歳のとき家族でイスタンブルに移住。高校卒業後、公務員として働いたのち、1983年『愛すべき恥知らずの死』で作家デビュー。翌年、『乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺』を発表し、作家としての地位を確立する。その後現在までに8篇の長篇小説を

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品