ティツィアーノ・スカルパ

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スターバト・マーテル

ティツィアーノ・スカルパ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309205731
ISBN 10 : 4309205739
フォーマット
出版社
発行年月
2011年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
20cm,182p

内容詳細

18世紀ヴェネツィアを舞台に、孤児を預かる養育院に赴任したヴィヴァルディと、そこで暮らす天才少女との葛藤を描き、『四季』誕生の謎にも迫る話題作。イタリア最高の文学賞ストレーガ賞受賞作。

【著者紹介】
ティツィアーノ・スカルパ著 : 1963年、ヴェネツィアに生まれる。1996年に小説第一作『Occhi sulla graticola(焼きつく目)』を発表して以来、小説にとどまらず、評論、エッセイ、詩、戯曲など多数の著作を発表、現在イタリアでもっとも活発な作家のひとりである。2008年、『スターバト・マーテル』で、イタリア最高の文学賞のストレーガ賞と、スーペルモンデッロ賞を受賞

中山エツコ : 1957年東京生まれ。東京外国語大学卒業。東京大学大学院修士課程修了。ヴェネツィア大学文学部卒業。現在ヴェネツィア大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • nobi さん

    孤児として養育院に預けられたからか母と聖母は混然としている。チェチリアは母・聖母に語りかける、蛇頭と言葉を交わす、真夜中に教会の塔の闇の中に身を置く、ヴィヴァルディ・神父の曲を教会のバルコニーで奏でる。孤独の波間に浮かぶような、真夜中の教会の闇の中でこそふさわしい、彼女の内省的な語りは、情報が行き交う21世紀に書かれた小説とは思えない。舞台となるピエタ養育院の楽員は飛び抜けて優れた演奏で知られていたという。語りの暗さの反動でもあるかのような凄まじいまでの演奏に、当時の教会堂の聴衆と同じように惹き込まれる。

  • 星落秋風五丈原 さん

    途中からはメイキング・オブ『協奏曲四季』ただですね少女の想像の産物という悪魔(蛇)の扱いがこれでいいのかなと思った。アントニオ神父といえばヴィヴァルディただ大島真寿美さんの『ピエタ』とはキャラ違いますね。少女を自分の作品を生かす駒と考えているような節があって。

  • マリリン さん

    まさに祈りのように表題曲が聴こえてくるような作品。ピエタ養育院で暮らす少女チェチリアが「お母様…」と語りかける言葉は...排泄物の中で光る二つの目。生まれた子供に噛みつく(その一部は母体の中に残っている)蛇頭。逃れる事ができないまだ見ぬはずの母親の存在。ヴァイオリンを奏でる音とヴィヴァルディの四季他音楽を絡ませ、人間の生を性の根底を語るような感は読みごたえがあった。緑色の胞衣・風配図の足りない部分...棄てた事で、養育院を脱出した事で呪縛から解かれたように自らの運命に向かってゆくラストシーンが良かった。

  • べすたん さん

    ここまで極端に登場人物が少ない本も無いだろうと思うほど・・・音楽家のヴィヴァルディが登場するのだが他に彼を登場させた本は知らない。登場人物は大衆と言う言葉で大まかに括られるのを別にしたら5〜6人ほどの少なさに驚きを覚えた。本編は主人公のチェチリアの母に宛てた手紙(?)と言うよりモノローグが中心。合間に自分の分身との会話である。つまり、ほとんどが自分の世界の中で起きていることなのである。こういう、描き方もあるのかと驚く次第である。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    まだ、見ぬ母へ手紙を書き綴る孤児のチェチェリア。綴られるのは自分が何者であるのかという悲嘆や惑い、生み出した存在への怒りと思慕であった。そこに生まれたばかりのヴィヴァルディの四季が絡み合う。生まれたばかりで目が開いてもいない子猫が川の中に捨てられる場面とチェチェリアが子宮内は冷たい死に満たされていると実感する場面が重なった時は痛々しすぎる。そんなチェチェリアの傲慢さや頑なさを指摘するメデゥーサは彼女の理性だったのだろうか。そしてヴィヴァルディに情感を音楽として昇華できる才能を嫉妬される場面も印象的だった。

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