めす豚ものがたり

マリー・ダリュセック

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309202976
ISBN 10 : 4309202977
フォーマット
出版社
発行年月
1997年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
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追加情報
:
178p;20

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    奇妙なタイトルだが、原題の"Truismes"も「私の牝豚」。ただし1語でのTruismesは見当たらず、truis(牝豚)mes(私の)といった合成語のようだ。さて内容はといえば、狼男とカフカの『変身』と『ボニーとクライド』と『ソドムの百二十日』とを混ぜたような、つまり混沌としたアナーキズム小説である。そして、精神的にも、さらには身体的にも人格は統体を保つことはできず、それはまた価値体系にも及ぶ。これがダリュセックのデビュー作だが、サガン以来との圧倒的な支持を受けながらも解釈や批評は未だ多様なようだ。

  • ケイ さん

    善悪の基準、身を護る必然性、自尊心の大切さ。これらを学ぶことなく善良に生きたら彼女になるのだろうか。彼女から搾取していく経営者や男たちから、彼女は何物をも奪われない。彼らが苦しむような事で彼女は傷付かない。日々豚になっていくことさえ、彼女には受けとめるだけの強さがある。彼女は無意識のうちに仕返しをし、仁義を果たさせる。それを暖かく見守る私たち。豚と狼が、彼女とイヴァンが、ベッドで仲睦まじく絡み合っている幸せそうな残像が本を閉じても離れない。形而上学的でシニカルなユーモアセンスが溢れている

  • 扉のこちら側 さん

    2016年1061冊め。【241/G1000】タイトルのめす豚は生き物としてのそれと娼婦的存在の女性を表す二重の記号。カフカの『変身』を彷彿とさせる作品は他にもあるけれど、変身というものをここまで直球に書いたものはそんなに読んだことがない気がする。フェミニズム的なテーマもあって、著者によると「教養のない女性がフランスで生きるとしてらこういうところに落ち着くだろう」という話。

  • えりか さん

    もう少しぽっちゃりで健康的なのが好きだななんていってる男よ、どこまでがぽっちゃりなんだい?豚になっても愛してくれますか?ドイツには虫になる男がいるかと思えば、フランスには豚になる女がいる。悲しい物語。疑うこともせず懸命に生きた女の物語。卑しさとは何だろうか。生きるために花やドングリを食い散らかすことは卑しいだろうか。卑しさとは自らの欲求のために他人を傷つけ搾取し続けることではないだろうか。彼女はただ純粋に生き、愛を欲していただけである。人間は卑しいと、豚であることに安らぎを覚えてゆく彼女が教えてくれる。

  • Mishima さん

    強烈な寓意を秘めたレジスタンス物語。タイトルの挑発性は途中までの心理状況に影響した。墜ちてゆく女主人公を遠巻きに眺めて滑稽ととるべきか残酷ととるべきかを沛рキるストレス。これはカフカ「変身」のザムザへの視線と同様だ。しかし物語は後半からどくどくと脈打つような勢いで生命力を持ち始める。気づけば主人公とともに戦っていた、見える敵から見えない敵までを相手に。「そう簡単には食われないよ」Grs1000

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人物・団体紹介

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マリー・ダリュセック

1969年、フランス南西部バイヨンヌ生まれ。パリ高等師範学校卒業。1997年、ペレック、ドゥブロフスキーなど、4人の小説家におけるオートフィクションを分析した博士論文で学位を取得。その前年、1996年に小説『めす豚ものがたり』でデビューすると、「サガン以来の大物新人」として注目を集め、30か国語以上

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