天皇組合

火野葦平

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309027739
ISBN 10 : 4309027733
フォーマット
出版社
発行年月
2019年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
249p;19

内容詳細

玉音放送で敗戦を知った虎沼一等兵は上官に、小倉に在住する虎沼の父こそ真の天皇であり、自分は皇太子だと告白して嘲笑される。だが虎沼が名乗りをあげる前に伊勢から豚沢天皇が出現、その後も天皇が登場して、その数はあわせて八人におよぶ。虎沼一家は七人の天皇たちに会ってともに天皇組合を結成することを決意、全国へ説得の旅に出る。はたして説得は成功するのか―。

【著者紹介】
火野葦平 : 1907年、福岡県遠賀郡若松町に生まれる。1937年から1939年、日中戦争に従軍、その間、1938年、「糞尿譚」で第六回芥川賞受賞、また戦地から送った「麦と兵隊」がベストセラーとなる。戦後も自伝的長編「花と龍」や「革命前夜」で多くの読者をえた。1960年、睡眠薬を服用して自殺(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ひなきち さん

    面白い!一気読みしてしまった。この作品…実は隠れた名作ではないだろうか。戦後、自称「天皇」を名乗る者が、組合を作るために全国を行脚する。追うもの追われるもの…利用するもの利用されるもの。それぞれの思惑が絡み合って、三角関係…四角関係…となり、見事な喜劇となっている。滑稽ではあるのだけれど、人間の欲望が丸出しで、読んでいて活力が湧いてくる。政治や思想うんぬんを抜きにして、純粋にエンタメとして楽しめる作品だった。

  • rosetta さん

    ★★★平成から令和に変わる今の世にちょいとした皇室ブームに乗っかって1950年に出た本を再版するって商売人やなぁ(笑)著作権も切れていて出版社としてはダブルにお得w戦後ゾロゾロ現れた我こそは正統なる天皇とか名乗りを挙げた有象無象。それらを糾合して組合を作り現偽天皇に退位を迫ろうと言う荒唐無稽な物語。傍から見ると喜劇だが当人達にとっては悲劇という見本のよう。

  • 田中峰和 さん

    今上天皇偽物説は、交互に皇位につく約束を破って天皇を継承し分裂した南北朝時代まで遡れば信憑性がある。どうせ政治を円滑化するための道具なのだから、どちらが本物でも構わない。生前退位に伴い元号の変わるこの時期には話題性もあるが、戦後まもない時期には世間に受け入れられにくい内容だ。戦後の混乱期、熊沢天皇として世間を騒がせた人物にヒントを得ているのだが、全国各地に自称天皇が名乗りを上げて組合を作る混乱ぶりを喜劇風に仕立てる手腕は見事。大衆を蛆虫と呼び辛辣な社会批判をした踊る宗教の教祖など、事実も交え勉強になる。

  • トト さん

    戦後、昭和天皇はニセモノの血筋だと、自称天皇が続々現れた、という実際にあったことをモデルに小説化したもの。 政治的な色はほとんどなく、多数の男女が入り交じる冒険ドタバタ劇のよう。 コメディタッチに天皇を使った小説が、1950年に出されてたことに驚きます。戦後の解放感による、おおらかな雰囲気、そして明るい未来、希望を感じさせます。 今の方がよっぽど息苦しい世の中なのかもしれません。

  • Masakazu Fujino さん

    火野葦平の選集にも入っていない忘れられていた小説。戦後輩出した自称「正統天皇」たちをめぐるドタバタの中に人間の欲望が蠢く。火野葦平フリークとしては嬉しい出版だった!

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