やわらかな足で人魚は 文春文庫

香月夕花

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167916596
ISBN 10 : 4167916592
フォーマット
出版社
発行年月
2021年03月
日本
追加情報
:
304p;16

内容詳細

一体どうしたら自分は人間になれるのだろう。当たり前に愛される人間の子供に。電話詐欺の嘘によって結びつく偽物の母と息子、“前科”のある中学教師と孤独な少女。それぞれに悲しみを抱えた主人公たちの、ほろ苦く優しい五つの物語。満場一致でオール讀物新人賞を受賞したデビュー作「水に立つ人」を含む傑作短篇集。

【著者紹介】
香月夕花 : 1973年大阪府出身。京都大学工学部卒業。2013年「水に立つ人」で第93回オール讀物新人賞を受賞。16年受賞作を含む短篇集『水に立つ人』を文藝春秋より刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ❁かな❁ さん

    以前『水に立つ人』読了。今作は『水に立つ人』を再構成し「逃げていく緑の男」を追加の上、改題し文庫化。久々で読んだけどやっぱりすごくいい。「水に立つ人」は以前も泣いたけど今回も涙。とても切ないけど温かさもありしっかり生きていかなくてはならないと思えた。当時と同じく「水に立つ人」「やわらかな〜」がお気に入り。繊細で脆く儚い雰囲気が漂う。心の渇きに静かに温かさが優しく沁み込んでいくよう。どの章も切ないけどほのかな希望があり温かい終わり方で大好き。香月さんの優しい想いが伝わってくる素晴らしい短編集。

  • akiᵕ̈* さん

    表題作を含む五作の短編集。偽りを演じる母と子、教師と少女、大切な感情に蓋をしてしまった女性、親に捨てられた子。どの人たちも人の間で息苦しさを感じ、救いようのない孤独や寂しさに押しつぶされそうになりながらも、自分を見失わないように生きている。満場一致でオール讀物新人賞を受賞した「水に立つ人」は、自分の中で抱え込んでいた煩わしさが、愛するという感情が心に宿ったその時にふわぁと解き放たれていく様が心に響く。心の中に潜んで離れない闇や悲しみを、キレイで淀みなくやわらかで丁寧な筆致が再生への光を灯してくれている。

  • olive さん

    本当に言いたいことを伝えられないもどかしさや悲しみ、喪失による苦しみなどを描く作品が昨今は多くありますよね。本書もその作品ではあるのですが、読み手の私との距離が、近すぎず遠すぎずで、余韻の残り香は他の作品と違っていて好き♡5編からなる短編集で、表題作もよかったのですが、「水に立つ人」がよかった。甘くなりすぎず、せつなくなりすぎず愛を紡ぐ描写に光を感じずにはいられない美しさ。 追いかけたい作家さんが、また一人。

  • kaoriction@感想は気まぐれに さん

    悲しい。いつも、いつだって悲しい。それでも私たちは。 久しぶりに本屋で呼ばれた作品だ。強烈に、ではなくジワっと呼ばれた。五つの短編集。傍目にはわからなくても悲しみを抱える主人公たち。悲しみと、そして、全体に流れる「水」を感じる。流れ、音なき、静かな、水。悲しみの向こうを見つめなおして。「たぶん、永遠に。悲しみは悲しみのまま残り、それでも人は生きていく」。表題作と「水風船の壊れる朝に」が好み。他にオール讀物新人賞を受賞した「水に立つ人」、「逃げていく緑の男」を追加した作品集。悲しみは、生きる糧かもしれない。

  • 優雨 さん

    大好きな王子を殺められず泡になった人魚姫の話は、悲しいのに優しくてきれいで、アンデルセンの童話の中でもとりわけ好きで、繰り返し読んだのを思い出す。ニセモノの空を通り抜けて海の上に出た人魚姫は、慣れない地上でちゃんと呼吸ができているのかな。途切れ途切れの記憶とか、頼りなくても、この世界と繋がる何かを求めずにはいられないのは、人は誰もがこの世に生まれ落ちた瞬間からどこか悲しい存在だからなのかもしれない。哀しみを抱くということは、一人、心の中に深く静かな水を湛えるということだ。表題作と水に立つ人が特に良かった。

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人物・団体紹介

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香月夕花

1973年、大阪府生まれ。東京都在住。京都大学工学部卒業。2013年「水に立つ人」で第93回オール讀物新人賞を受賞。2016年「Anchor Me」が第23回松本清張賞の最終候補に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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