月山・鳥海山 文春文庫

森敦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167908850
ISBN 10 : 4167908859
フォーマット
出版社
発行年月
2017年07月
日本
追加情報
:
384p;16

内容詳細

古来、死者の行く「あの世の山」とされた月山。「わたし」は、「この世」と隔絶されたような、雪深い山間の破れ寺でひと冬を過ごす。そこには、現世とも幽界ともさだかならぬ村人たちの不思議な世界が広がっていた。年を経るごとに名作との呼び声が高まる芥川賞受賞の表題作ほか、「天沼」「光陰」など6篇を収録。

【著者紹介】
森敦 : 明治45(1912)年、長崎県生まれ。旧制一高中退。在学中の処女作を菊池寛に認められ、横光利一に師事。22歳の若さで「酩酊船(よいどれぶね)」を毎日新聞に連載。その後長年月にわたる放浪の旅に出る。山形県・月山のふもとの破れ寺注連寺に冬を過ごした体験を基にした小説「月山」で昭和49年、第70回芥川賞を受賞、40年ぶりの文壇復帰と話題を呼んだ。昭和62年「われ逝くもののごとく」で野間文芸賞受賞。平成元年7月29日歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • absinthe さん

    野原に転がって漂う雲を見上げているような読後感。とにかく期待はさせるのだが何も起こらない。このはぐらかされた感がたまらなく良い。どこにでもあるありふれた田舎でもありながら異郷の話である。情景にぴったりの人々の生活が淡々と描写される。そんな時代を生きたこともないのに懐かしさを感じる。寒い冬の描写が続き、春で終わるのも良い。

  • KAZOO さん

    昔の本が再度文春文庫から表紙を変えて出版されました。森敦全集も持っていたのですが読んで処分してしまいました。この月山と鳥海山については、実際に昔いったこともあり読んでいて懐かしさを覚えます。とくに月山は、実際にそのお寺に泊り込み、新井満さんご夫妻も来られて講演をされて聞いたこともあります。読んでいて静謐な感じが迫ってきます。これからもたぶん読み直すことになりそうです。

  • sin さん

    意味ありげに思索的な主人公の、月山のそして山寺の雪に埋もれた情景の描写の美しさは兎も角として、こういった類いの語りは他人様の頭の中を無理矢理覗き見させられているように感じて止まない。自分に酔いしれて他者を観察し都会人の優越感に浸ったり、その実思い込みに気づかされて、その生きざまに感動してみたり、つくづく文学とはミーイズム…気づかされるのは文章に刻み込まれた個人の墓碑…そして鳥海山、ラノベでは使い古された感のある想いもかけない異世界への言及が…。

  • seacalf さん

    知らなかったが芥川賞史上最高傑作との呼び声が高いそうだ。ちょうど山形県の秘湯肘折温泉を訪ねたので、彼の地に縁があるこの本を読む。山間の破れ寺で寺を守るじさまとひと冬を過ごすお話だが、幻想的な展開が続きこの世ならぬゆらゆらとした雰囲気を味わえる。寺の古い祈祷書を貼り合わせて蚊帳を作り、まるで白い繭の中にいるかのように寝起きする様が印象的。景色は違えど、肘折の小さな温泉街の周囲を散策した時の、あの覆いかぶさってくるかのように圧倒的に自然を感じた感覚を思い出した。他の短編も読んだが、心に残るのはやはり表題作。

  • HANA さん

    再読。蚕は繭の中で天の夢を見るという。先に読んだ時に目に止まった文章が忘れれず、月山の山懐七五三掛の里で紙の繭の中で一冬を過ごす主人公の境遇がその繭に重ね合わせたイメージを抱いていたのだが、今回もそのイメージは崩れず。一度訪れた注縄寺の印象が重ね合わされモノクロの映画を見てるような心地で読む。対して「鳥海山」は同じ山形庄内を舞台にしているにも関わらず、日本海の青のような鮮烈なカラーの印象。内省的な「月山」に対して生活等が描かれているからだろうが、同時に死の山生の山というイメージが重ね合わされるからかな。

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森敦

1912年〜1989年。73年、「月山」で芥川賞受賞

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