光線 文春文庫

村田喜代子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167902896
ISBN 10 : 4167902893
フォーマット
出版社
発行年月
2015年01月
日本
追加情報
:
253p;16

内容詳細

東日本大震災の直後、ガンが発見された妻は、日本列島の南端で放射線治療を受ける。医療技術の恩恵と、原発事故の恐怖。地球の変動と自己の体内の異変―表題作「光線」をはじめ、「原子海岸」「ばあば神」「楽園」など、数多くの文学賞に輝く小説の名手が、震災後の日本人の生のあり方を問い直す、傑作短篇小説集。

【著者紹介】
村田喜代子 : 1945年、福岡県八幡(北九州市)生れ。77年「水中の声」で九州芸術祭文学賞を受賞し、執筆活動に。87年「鍋の中」で第97回芥川賞受賞(同作は黒澤明監督「八月の狂詩曲」原作)。90年「白い山」で女流文学賞、92年「真夜中の自転車」で平林たい子賞、97年「蟹女」で紫式部文学賞、98年「望潮」で川端康成文学賞、99年「龍秘御天歌」で芸術選奨文部大臣賞、2010年「故郷のわガ家」で野間文芸賞、14年「ゆうじょこう」読売文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • あんこ さん

    今日、読もうと積ん読にしていた村田作品。放射能と治療のための放射線が融解していくという錯覚はじんわりとした恐怖。気遣いがひしめいていた時間も四年経ち、どうか手放しで喜ぶ笑顔が増えますようにと思ったあたり、わたしもようやく癒えてきたのかなとぼんやり思った。「ばあば神」はさすが村田作品。切れ切れとした文節の切迫感。神さま仏様と言いながら、「ばあば」たちの並々ならぬ姿を描くのは秀逸。震災がところどころに散りばめられていつつ、直接的な被災の裏にも日常があったことを思い出しました。

  • 百太 さん

    一番初めの短編「光線」良かったです。

  • あ げ こ さん

    鈍感さを持たぬもの、聡く、鋭敏なものたちの苦しみ。立ち向かうことの出来ない、圧倒的な力をふるう脅威への、畏怖。踏みしめていたそこ、じわじと広がり行く汚れに、傷みに、気付いた瞬間の、茫洋とした、哀しみと、怒り。不明瞭なまま、遠ざけ続けてきたそれら…近付き、触れてしまったために、生きていることの、生きて行くことの、怖さみたいなものが、自らの心の奥底で、ひっそりと、蠢き始めたような、不気味な脈動を感じる。不快で、堪らなく怖くて、だが、目を閉じても消えず、心はもう、それを見過ごしてしまうことを、許しはしない。

  • いけきょう さん

    著者自身が、東日本大震災の直後、乳がんが見つかり、連載など仕事を中断し放射能治療を経験された事をもとに、がん治療、放射線・放射能、大震災をふまえた連作にもなっている短編集。がん治療は妻の治療に付き添う夫の視点で書かれている。そこに、村田喜代子という作家の大きな力量をみる。個人的に、種類が違うので治療法も違うが、自分もがん患者であるので、素直に魂にひびいた作品集だった。

  • Noelle さん

    最新の放射線による癌治療を受ける主人公が、同時期の原発の放射能汚染、滞在する桜島の噴火は地球深部の核分裂で、と思いを深める、3.11前後の「光線」「原子海岸」は、作者の体験と相まって、ありきたりでない視点からのものだった。「ばあば神」は震災直後の若い母親の思いが間のある独特の文章で綴られる。他の作品はそれぞれの「地」にまつわる想像もしない筋立てで、独特の味わいや気づきが独特の雰囲気である。これぞ芥川賞作家の文体で、濃厚な内容が短編という枠の中で過不足なく語られる。初読み作家だったがさすがであった。

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人物・団体紹介

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村田喜代子

1945年、福岡県北九州市八幡生れ。作家。1985年、自身のタイプ印刷による個人誌『発表』を創刊。1987年『鍋の中』で芥川賞、1990年『白い山』で女流文学賞、1992年『真夜中の自転車』で平林たい子賞、1998年『望潮』で川端康成賞、2014年『ゆうじょこう』で読売文学賞、2019年『飛族』で谷

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