断弦 文春文庫

有吉佐和子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167901622
ISBN 10 : 4167901625
フォーマット
出版社
発行年月
2014年08月
日本
追加情報
:
271p;16

内容詳細

大検校菊沢寿久が守ってきた、深く寂しく強靱な生命力を底に流す地唄の世界。継承者として期待された娘の邦枝は、偉大な父に背いて日系二世の男と結婚、渡米する。古き伝統の闇と新旧世代の断絶、親子の確執を描くデビュー作「地唄」を収録した初の長編小説。若き有吉佐和子の圧倒的筆力と完成度の高さに酔う!

【著者紹介】
有吉佐和子 : 昭和6(1931)年、和歌山生まれ。昭和31年に『地唄』で文壇デビュー。世界初の全身麻酔手術を成功させた医者の嫁姑問題を描く『華岡青洲の妻』(女流文学賞)、老人介護問題に先鞭をつけ当時の流行語にもなった『恍惚の人』、公害問題を取り上げた『複合汚染』など意欲作を次々に発表し人気作家の地位を確固たるものにする。多彩かつ骨太、エンターテインメント性の高い傑作の数々を生み出した。昭和59年8月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • あじ さん

    地唄を極めた大検校菊沢寿久。父であり師匠である寿久の反対を押し、日系二世との結婚に踏み切った邦枝。地唄の矜持を意固地に守る寿久に造反するように、邦枝は異国の地へと旅立っていく。父と娘の相容れない天秤の揺れと、双方を分かつ距離の臍を深遠に描きながら、登場させたのは執筆当時の著者と同じ年頃の大学生瑠璃子。飄々した彼女の新感覚が、盲の漆黒に光となって割り込む。そこへ同時に持ち上がる地唄の派閥問題。伝統継承に異端の介入などあるのか。父娘の結界と重ね、爪弾く調べは足の痺れをも意識に上らせぬ佳作であった。

  • いくら さん

    最近有吉佐和子作品が続々と復刊され、嬉々としてその恩恵に浴しているわけですが、この『断弦』は最高でした。5編の連作で、そのうちの「地唄」が有吉佐和子のデビュー作というから、もう溜息しか出てこない。大検校として箏の世界に君臨する父、その後継者として目されながらも結婚により父と断絶する娘。そこに現れた女子大生の瑠璃子。簡潔なんだけど心の機微を実に丁寧に掬っているので、感動がストレートに伝わってくる。お勧め。

  • たぬ さん

    ☆4 地唄という言葉すら知らなかったし琴と箏の違いもここで初めて知ったほどに国産伝統音楽に疎い私でも楽しめた。登場人物の内面描写が細やかだからね。頑固一徹偏屈爺だけど実は歩み寄りたい大検校。現代っ子らしく嫌味のない距離感の女子大生弟子。伝統と格式を声高に主張しながら言うことは俗で下品な兄弟子たち。最後の録音シーンは沁みた。

  • ken_sakura さん

    とても良かった\( ˆoˆ )/有吉佐和子が22-24歳の時に書いたデビュー作とのこと。始まりからこの品質なのかと呆然とする「才女」の腕前に楽しく酔った。あとがきの心がこもっていないしおらしさに苦笑、クソ野郎、と可笑しかった(ほめてます)解説とあとがきより、紆余で長編の第二章が短編として世に出たとのこと。短編、長編として共に高品質。時代は戦後10年程、昭和30年代。地唄の大家菊原寿久、娘菊原邦枝の芸の断絶と親子の確執の物語。最後は泣いた。泣かされた。解説を先に読んでいて最後を知っていたのに。

  • にゃんころ さん

    出てくる言葉のほとんどが耳に馴れないものばかり。だがそれがどうした?読む手は止まらないのだ。大検校の父とその圧倒的な重圧にもがき抗う娘。いつだってつきまとう父の名前に彼女はどれほど苦悩したことだろう。親子の確執が解きほぐれることはないだろうとお互いが思い、だがたった2人きりの親子なのだし歩み寄りたいと足踏みするところに現れるまったく新しい世代の瑠璃子。いつの時代も『若者』がよくも悪くもかき回すものですね。瑠璃子のあっけらかんとした快活さが気持ちよかったです。

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人物・団体紹介

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有吉佐和子

1931(昭和6)年、和歌山市生まれ。幼少期をインドネシアで過ごす。56年「地唄」が芥川賞候補となり、以後、『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『複合汚染』『和宮様御留』等、ドラマ化されたり社会現象となるような小説を多く執筆。84年、逝去

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