芸者論 花柳界の記憶 文春文庫

岩下尚史

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167753924
ISBN 10 : 4167753928
フォーマット
出版社
発行年月
2009年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
16cm,279p

商品説明

東京の芸者、花柳界の歴史がこの1冊でわかる

長く新橋芸者のインタビューを続けてきた著者が芸者、花柳界の変遷を古代から探り、東京の花柳界の実態を解き明かした驚きの書

【和辻哲郎文化賞(第20回)】

内容詳細

花柳界、芸者、三業地…文字としては馴染みがあっても、実態は殆ど知られていない世界。長年新橋演舞場に身を置き、数々の名妓たちと親交のあった著者が、芸者の成り立ちから戦前、戦後の東京の花柳界全盛の時代までの歴史と変貌を細やかに描写。処女作にして和辻哲郎文化賞を受賞した、画期的日本文化論。

目次 : 序 都市の秘境と化した東京の花柳界/ 第1章 神々の振舞いを演じるという、記憶の系譜(古代〜中世)/ 第2章 神婚秘儀の再生装置としての吉原(近世)/ 第3章 町芸者の確立(幕末から明治へ)/ 第4章 帝都の花(明治)/ 第5章 菩薩を凌駕する迦陵頻伽/ 第6章 名妓と不見転の分化(大正〜昭和戦前)/ 第7章 フジヤマ・ゲイシャ(昭和二十年代)/ 第8章 東京の替り目―昭和三十年代以降の花柳界/ 結び 宴の祭司と巫女

【著者紹介】
岩下尚史 : 1961年生れ。國學院大學文学部卒業後、新橋演舞場株式会社入社。劇場創設の母体である新橋花柳界主催「東をどり」の制作に携わる。幕末から平成にいたる新橋花柳界の調査研究を進め、社史『新橋と演舞場の七十年』を編纂した後、97年に退社。06年に上梓した『芸者論―神々に扮することを忘れた日本人』にて、第20回和辻哲郎文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヒロミ さん

    面白く読んだ。古代の巫女の話から、吉原が源氏物語に連なる王朝文化の再生装置であり神々の振る舞いを演じる場所であったという論の考察の深さには唸った。現在の娼妓ではない芸者は昭和も戦後になってからの話でそれまでは娼妓と芸者の二枚看板であった「不見転 みずてん」芸者も法の目をかいくぐり幅を利かせていたのだ。しかし色街が水の傍にあるのは古代の巫女たちから変わらないとは何やら因縁めいた話である。荷風や鏡花など近代文学における花柳界に興味がある方にもお勧めの書。硯友社散々な言われようですが。流麗な文章が心地よいです。

  • ミエル さん

    強烈な著者のキャラ、そのままの文体が微笑ましい。花街についての考察は地域によってばらつきがあるとのことなので今回は江戸東京のみ、というのも風呂敷を広げ過ぎなくて良い。ただ、それでも奥が深く、書ききれない部分が多かっただろうと推測する。古代からの巫女に始まるその系譜、女が唯一、男と対等に活躍できたこの職業は誇り高いものではないかと思う。日本人でも遊女と芸者を混同している人が多く、なんとも歯痒い。芸者が売るのは春ではなく芸ですよ、とぜひとも正しい理解が進むと良いのだけれど。

  • もっか さん

    芸者論というより芸者の歴史を書いた本。太古の巫女まで遡っちゃうのはちょっとびっくりした。少女の霊験あらたかなる信仰がかなり長い間続いていたのもびっくり。芸者の名前になってから春を売る売らないでお上との駆け引きがあったのもまた一興。遊女との線引きが芸者のプライドか。芸者=水商売と割り切れぬものを感じた。本物の芸者は廃らせてはならないとも。

  • 京香 さん

    卒論題材で選ばれる事の多い吉原・花魁とかを研究する際に読んでおきたい、読むと幅が広がるかもしれない本でした。遊女と芸者さんの区別がついていない人には必需品。語り口も、テレビでお見かけするまんまで、情報量が多い割には投げ出せずに読みきれます。芸者さんというと京都を思い浮かべますが、東京に目を向けた考察本が増えるのは、東京が大好きな私にとっては嬉しいです(笑)

  • 筋書屋虫六 さん

    適当な表現ではないかもしれませんが、読めば読むほど「素敵」な本だった。とても興味はあるけれど、ケチな田舎もんには垣間見ることもできない世界の一つに花柳界があります。芸者という職業やそれを生業として生きる女性たちへ向けられたまなざしが彼女たちと同じ場所にあり、優しくて偏見もなくて素晴らしい。吉原芸者カッコいい!垢抜けた歯切れの良い文体もそうとう好みです。芸者さん、生き残ってほしいです。

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