読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• 青乃108号 さん

  読了日：2023/03/04

  敬愛してやまない町田康の短編二編。町田康の文章はマジで麻薬だ、いや合法ドラッグだ。ストーリーなんて知ったことか。貧乏くさい痴れものの男の独白から事は始まりあれよあれよと物語は疾走を始め支離滅裂のアドリブ炸裂八方破れ。いやあこのクンクン来る感じクセになる。中毒症状をきたすと危険なので用法、使用量に注意しよう。クンクン。

• おいしゃん さん

  読了日：2016/03/28

  今年に入って、町田康何冊目だろうか。何冊読んでも面白い。「こんなことやったら、どうなっちゃうんだろう」と思うことを、登場人物たちがまるで空気を吸うようにやってのけてくれるから気持ちいい。

• なる さん

  読了日：2021/01/26

  小説を読んでこんなに爆笑したのは初めてかもしれない。呼吸困難になるくらい笑った。爆笑。町田町蔵（と呼んでしまう）の作品はこれで二冊目。『くっすん大黒』も良かったけれど、こちらの作品はそれに輪をかけて笑かしにくる。表題作と『けものがれ、俺らの猿と』の中編二作が収録。基本的にどちらも社会的には破綻している主人公なのだけれど、考えていることはまともっちゃまともで、その周囲にいる人物のイカレ具合に引っ張りまわされる。Theピーズときて次はINUってね。じゃあ次は田口トモロヲ辺り？日本のパンクバンドお遍路の旅かよ。

• めしいらず さん

  読了日：2018/10/24

  著者の第３作。前２作「くっすん大黒」「夫婦茶碗」に少々あったウケ狙いや生硬さが無く、いつものマーチダ節が全開で嬉しくなる。表題作より「けものがれ、俺らの猿と」が圧倒的に面白い。気を回してばかりいるのに一向理解されず、どんどん悪化していく事態。相手の事を忖度していると見せかけて、本当は面倒事が我が身に降りかかるのを唯々回避したいだけ。その卑屈さが巡り巡って災難を招き寄せているのだ。苦難の中で早くも限界に達し、ついモラルの枠からはみ出しそうになる弱い心。聞こえてくる獣の咆哮。悪魔の囁き。万事は俺らに都合良く。

• Y2K☮ さん

  読了日：2021/06/01

  初期の町田康。さすがです。安定の不安定感。なんじゃこりゃ。「あばよ、いばよ」という挨拶が気になり過ぎて昨夜は熟睡した。「きれぎれ」の「俺は僕は」を思い出す。相も変わらず真顔でガチで一生懸命なタガ外れ。想像だけど何も決めずに書き始め、筆が勝手にあらぬ方向へ進み（直進すればいいものを必ず右か左へ曲がる）、どうにか折り合いを付けようと経験とアイデアを総動員して無理くり形を付けるとこんな文学が誕生するのでは。高評価されたことに本人がいちばん戸惑っているかもしれない。岡本太郎に通ずるピュアな作家。解説も素晴らしい。

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