てのひらの闇 文春文庫

藤原伊織

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167614027
ISBN 10 : 4167614022
フォーマット
出版社
発行年月
2002年11月
日本
追加情報
:
16cm,459p

内容詳細

飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診されるが、それがCG合成である事を見抜き、指摘する。その夜、会長は自殺した!!堀江は20年前に石崎から受けたある恩に報いるため、その死の謎を解明すべく動き出すが…。

【著者紹介】
藤原伊織 : 昭和23(1948)年、大阪府生まれ。東京大学文学部仏文科卒業後、大手広告代理店に勤務の傍ら、執筆活動を始める。昭和60年に「ダックスフントのワープ」で、第9回すばる文学賞を受賞。平成7年には「テロリストのパラソル」で第41回江戸川乱歩賞を受賞。翌年には同作品で第114回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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ストーリーは当然ですがやはり主人公の設定...

投稿日:2021/04/13 (火)

ストーリーは当然ですがやはり主人公の設定がうまいです。  暴力団と力でわたりあうサラリーマンというのはともすれば陳腐な現実味のない設定になりがちですが 主人公の出自を極道としたことで各所うまく話がまとまっています。  読後感が爽やかで誰にでも薦められる1冊だと思います。 

aozo さん | 鳥取県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    分類するならば、ハードボイルド小説ということになるだろう。ただし、機軸を置かれているのは黒社会ではなく、あくまでもサラリーマンの世界である。語り手の「おれ」は飲料メーカーの広報部に属する課長であり、リストラの対象者である。そして、このあたりは藤原伊織の電通マンとしての経験が存分に活かされていると言える。ただし、彼が広域暴力団の組長の長男という設定は、もはやサラリーマン小説からは大きく逸脱しているし、エンターテインメントであるという了解の元でしか成り立たないだろう。展開は常時スリリングであり、一抹の抒情も。

  • おしゃべりメガネ さん

    主人公をはじめ、なんとステキなキャラ達がこんなにも登場する作品なんだろう。10年程前に読んではいるものの、時を経て、より一層自分が'おっさん'になってから読むと更に'深み'をこれ以上ないぐらい堪能できました。特に展開が派手というワケではありませんが、とにかくひとつひとつがじっくりと書き込まれている素晴らしい作品です。なんといっても魅力的なのは有能な部下「大原」さんであり、彼女のキャラがあるからこそ、本作が際立つインパクトを与えることができるのでしょうね。ビジネスミステリーの最高峰的な作品に拍手喝采です。

  • 佐々陽太朗(K.Tsubota) さん

    やっぱりいいなー伊織さん。主人公・堀江雅之のかかえる闇。そして運命の綾となった「赤い糸クズ」。心の中に浪漫を秘めた魅力的な登場人物たち。私はこういうものを読みたいのです。ジャパニーズ・テイストなハードボイルド小説として心が打ち震えました。次はいよいよ『名残り火・てのひらの闇<2>』を読もう。伊織さんが亡くなられて、一冊だけ未読のままにしておいたものです。遺作を読むのをためらっていたのです。いささか感傷的な行為だとは思いますが・・・

  • nobby さん

    まず一番は登場人物達の魅力。何より泥酔の末に高熱を引きずる自主退職間近のくたびれた中年を描くのに、そのだらしなさで母性をくすぐり、自ら抱える過去や闇をだいぶ放置する潔さ(笑)飲料メーカーCM用の映像の虚偽をめぐり自殺した理由を探るという予測不明な物語を、いつのまにか終盤へ導くリーダビリティはさすが。案外静かな展開に酔いながら、これまた分かりやすく狂暴や悲哀へ向かわせつつ漢気溢れる結末は嫌いではない。ラスト明らかになる“守るべき事実”の理不尽さに打ち塞がれる一方で、命をかけて守り抜いた面々に感動すら覚える。

  • KAZOO さん

    藤原伊織の再読3冊目は、ハードボイルドの感じがまさにします。広告業界にいる主人公が作者とダブってしまいます。主人公の生い立ちなどが後半明かされていきますが、周りに出てくる人物がやくざなどを含めてみな魅力的な感じです。それぞれが存在感があっていいと思いました。

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人物・団体紹介

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藤原伊織

1948年、大阪府生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。広告代理店に勤務する傍ら、執筆を始める。85年「ダックスフントのワープ」で第9回すばる文学賞を受賞。95年、「テロリストのパラソル」で第41回江戸川乱歩賞を受賞。同作品は翌年、第114回直木賞も受賞した。2007年、食道癌のため59歳で永眠(本デー

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