レクイエム 文春文庫

篠田節子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167605056
ISBN 10 : 4167605058
フォーマット
出版社
発行年月
2002年04月
日本
追加情報
:
16cm,334p

内容詳細

「腕を一本、芋の根元に埋めてくれ」大教団幹部の伯父から託された奇妙な遺言。謎の答えは遠い異国の大自然に埋もれていた。衝撃的な事実が神秘の世界を呼び起こす表題作ほか、幼児虐待の不気味さを描く「コンクリートの巣」など、別世界へ扉を開けてしまつた孤独な現代人の心の闇に迫る六つの幻想短篇集。

【著者紹介】
篠田節子 : 1955年(昭和30年)東京都生まれ。東京学芸大学を卒業後、八王子市役所に勤務する。90年「絹の変容」で小説すばる新人賞を受賞し、作家活動に入る。97年には、「ゴサインタン―神の座―」で山本周五郎賞を、続いて「女たちのジハード」で第117回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    渾身の短篇集。6つの短篇は濃淡の差はあるものの、いずれも極めてハイレベル。作家ご本人が「感傷的なアリア」と語る「彼岸の風景」が持つ小千谷の風土感が醸し出す小説空間は圧倒的だ。篇中では「コヨーテは月に落ちる」のシュールな味わいが群を抜くが、残念ながら結末の説明的な部分は余計。シュールな小説のままで十分に自立しえているのだから。巻末に置かれた表題作の「レクイエム」の発想のもとになっているのは奥崎謙三の「ゆきゆきて神軍」だろうし、また「コンクリートの巣」はユングのグレートマザーに触発されて書かれたものだろう。

  • まこみん さん

    趣の異なった6編の組曲の様な短編集。「ニライカナイ」「コヨーテは月に落ちる」は神秘的、幻想的。不思議な情景を見た女性の人生、出られないマンション迷路。「帰還兵の休日」優雅だったバブル期復活を夢見る男とホームレスの3人の老婆。「コンクリートの巣」こちらは現実的な児童虐待の痛ましさ。女の子の母への哀しい執着。ラストの表題作「レクイエム」は極限状況の伯父のおぞましく哀しい体験。その思いは形は思い通りでなかったけれど、新たな救済になり得てほんのり気持ちも救われた思い。

  • Take@磨穿鉄靴 さん

    篠田氏の短編集。爽快感とは無縁なじっとりとした雰囲気の6編。「帰還兵の休日」「コンクリートの巣」が良かった。不況の影響で営業成績も生活の質も下がりそこから抜け出せない苦しさはリアルに伝わってくる。努力してない訳じゃないし、むしろ以前より心血を注いでいるのに結果が出ない。これは苦しい。ある程度の年齢を迎えたアスリートなんかは歳を重ねる度に同じような事を感じるかも。切なさ要素多めの短編集。★★★☆☆

  • ざるこ さん

    6篇。戦争、バブル崩壊、大病、虐待。人生を襲うさまざまな苦難。窮地に陥り死を意識した時に現れる幻。それは救いなのか黄泉への誘いか。どれも読み応え抜群。時代のうねりと共に大きく変遷する人生が濃厚に描かれ「幻」は幻覚ではなく追い詰められた者のリアルであるように感じる。10万円の手切れ金、投資、結婚、離婚。幸と不幸のループ「ニライカナイ」橋下に住む老女たちの華やかな過去「帰還兵の休日」大教団幹部の叔父の不思議な遺言が示す戦争の酷さ「レクイエム」が好き。「戦友会なんて思い出を語れる連中は本当の地獄を見ていない」

  • (C17H26O4) さん

    出口のない世界に死が終止符を打つ。生に迷ってしまった人達にとって、これは安らぎの死なのか否か、不気味な曖昧さが残る。先行きの見えない物語の閉塞感から解放されて胸をなでおろすのは、実は読者なのかもしれない。それぞれ全く異なる味わいを持っている六篇だが、『レクイエム』というタイトルが全てをうまく統括し、一つの世界観を作り上げているように思う。

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人物・団体紹介

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篠田節子

1955年、東京都八王子市生まれ。東京学芸大学卒業。90年『絹の変容』で第3回小説すばる新人賞を受賞。97年『ゴサインタン』で第10回山本周五郎賞、同年『女たちのジハード』で第117回直木賞、2009年『仮想儀礼』で第22回柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で第61回芸術選奨文部科学大臣賞

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