M/世界の、憂鬱な先端 文春文庫

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167547035
ISBN 10 : 4167547031
フォーマット
出版社
発行年月
2003年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
吉岡忍 ,  
追加情報
:
16cm,646p

内容詳細

昭和天皇崩御、ベルリンの壁崩壊と時を同じくして幼女4人を誘拐惨殺した宮崎勤。彼の精神の軌跡を分析した精神鑑定は意見が分かれたが、判決は死刑。さらに神戸で起きた酒鬼薔薇聖斗による殺人事件など、異常な事件が続発した世紀末に、壊れ始めた人類の心の闇の、すべての萌芽がそこにあった。

目次 : 1 世界の/ 2 憂鬱な/ 3 先端

【著者紹介】
吉岡忍 : ノンフィクション作家。1948年長野県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中から執筆活動を開始。教育、テクノロジーの現場を歩く一方、アメリカや東南アジアなどの海外取材を続ける。1987年、日航機墜落事故を描いた『墜落の夏』で講談社ノンフィクション賞を受賞。その綿密な取材力と豊かな表現力には定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 遥かなる想い さん

    二十世紀末に宮崎勤を精神面から 追った作品である。 この時代の漠然とした不安な雰囲気が漂う中、 宮崎勤事件が語られる。史上稀に見る極悪な 犯罪を犯した男の精神はどうなっていたのか… 不愉快でしかないこの事件…読んでいても 正直 宮崎勤の精神構造が理解できるわけでもない。神戸の少年Aの事件も含めて、不気味な 不安のみ感じる…そんな作品だった。

  • こうすけ さん

    平成を揺るがした、連続幼女誘拐殺害事件と神戸児童殺傷事件の取材をもとに、この国の在り方を探る論考。死刑ありきの裁判によって、宮崎勤の精神鑑定が適切に行われなかったという問題意識から出発し、少年Aとの共通点=解離性について探っていく。ロリコンのオタク、という先入観をくつがえす宮崎勤像。事件が凄惨すぎるので、あえて被害者側の視点はいれないと宣言したのは正解だろう。2つの事件を掘り下げることで、戦争の加害責任から目をそらし、歴史を切り離して繁栄への道をひた走った戦後日本そのものの解離性を暴いていく。

  • きょちょ さん

    この本によれば、幼女4人を殺害した宮ア勤は、精神異常者ではあるが、決して異常性欲者やロリコンではなかった。押収された6000本のビデオで、ロリコン物はごく僅かでしかなく、彼自身「性」というものに全く興味を示していない。しかし、彼を「心神喪失」としてしまうと、今の法律では減刑になってしまう。そこで地裁はいくつかの精神鑑定の中から、最も都合の良い鑑定(これが実にいい加減、慶応大保崎秀夫ほか)を選択し、検察の主張も裁判官の判決の内容も、全く論理性が欠ける。宮アは死刑になってしかるべきだろうが、この裁判の仕方は⇒

  • 踊る猫 さん

    ドストエフスキーや中上健次を読んだ時に感じたのと同じものを感じた。犯人の宮崎勤は恐るべき空虚を抱えた人間だが、その空虚に愚直に肉迫しようとする著者の情熱もまた凄まじい。その果てに浮かび上がってくるのは、一体なにが正気でなにが狂気なのかわからなくなる、人間存在というものそのものの神秘と私たちの実存の不確かさだ。いや、私も吉岡忍も宮崎勤のような犯罪を犯すことはないだろうが、それはなぜなのか? なぜ私たちはこの狂乱の消費社会や情報化時代を生き延びていられているのだろうか? その問いは決して言葉遊びではないだろう

  • スノーマン さん

    本の雑誌の特集ルポタージュから一冊。独特の語り口ではあるけど、読みやすい。宮ア事件は、私が中学生の頃、宮アという男子クラスメイトが苗字が同じというだけでからかわれてた気がする‥。当時の印象は、おびただしいビデオを所有するロリコンで変態、というもの。でも、この本を読むと、印象が変わる。自分が好きだからではなく『流行ってるもの』として蒐集したものも多い。現実の『おっかない』ものから逃げられた『甘い場所』祖父や鷹兄の不在からバランスが狂う。宮アも少年Aにしても人を殺害する重みはなく、軽い。そこが怖かった。

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