トラや 文春文庫

南木佳士

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167545178
ISBN 10 : 4167545179
フォーマット
出版社
発行年月
2010年09月
日本
追加情報
:
16cm,189p

内容詳細

うつ病に苦しみ、老父の介護に疲れた家主のもとへ現われた野良の子猫、トラ。子供たちの懇願でしぶしぶ家に入れてから十五年、家主が病いと折り合いを付けたのを見届けたかのごとく逝った―。共に生きのびた愛猫への想いを綴りつつ、ある家族の、ささやかだけれどかけがえのない苦闘と再生の年月を描ききった名作。

【著者紹介】
南木佳士 : 1951年、群馬県に生れる。現在、長野県佐久市に住み、総合病院に内科医として勤めつつ、地道な創作活動を続けている。81年、難民医療日本チームに加わり、タイ・カンボジア国境に赴く。同地で「破水」の第53回文學界新人賞受賞を知る。89年、「ダイヤモンドダスト」で第100回芥川賞受賞。「草すべり その他の短篇」で、2008年、第36回泉鏡花文学賞を、翌09年、第59回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    南木佳士の闘病記であり、その間のトラ(猫)との共生記。これを読んでいると、お医者さんというのも実にたいへんだなあと思う。たしかにここで言われているように、みんなが見たくないものとして病院に押し込めた「老・病・死」と日夜向かい合うのが医師だ。彼は医療行為を行いながら、夕刻には心療内科の患者となるのだから。猫との共生を通じて、自らの「老い」を見つめていく姿には、「書く」ことにおいて認識しうる生の哀しみがひしひしと伝わってくる。医師として生きること、作家として生きることは日常の幸福からは遠く、また寂しい営みだ。

  • 新地学@児童書病発動中 さん

    うつ病で苦しんでいる作者の家に迷い込んできたノラ猫と、家族の絆を描く小説。作者が自殺を考えて、台所に包丁を取りに行った場面が印象に残る。猫がじゃれついてきて、作者は自死を思いとどまる。キャットフードに食いつく猫の姿に作者は命の輝きを見たのだろう。こういう本を読むと、どんな命もつながっていて、そのつながりに励まされて、私達が生きていることがよく分かる。作者と共にトラも歳を取る。歳を取ってよれよれになったトラの姿は哀れで、作者は慈しみを込めて描いている。トラが死ぬ場面はやはり悲しく、涙がこぼれた。

  • おいしゃん さん

    涙なしには読めない。医師としての激務、鬱病発症、そして介護疲れ。そんな家族にそっと寄り添う、猫のトラ。決して「いい子」ではないトラだが、彼にどれだけ救われたか、よくよく伝わってきた。動物が基本的に苦手だが、それでも猫と住みたくなるような本だった。

  • ふう さん

    2匹のネコを飼っています。家族全員で長い旅行に行けないし、壁紙や床は傷だらけ、毛やフンの片づけも手間だし、餌代や病院代もかかるし…。でも、なぜか、そういうことがちっとも嫌じゃなくて、そういうことをしながらもネコがいてくれることがとてもうれしく、そばに温かい命がいてくれる幸せを感じます。この本を読んで、小さな命が南木氏の支えになっていたことを自分のことのように実感しました。そして、いつか訪れる老いたネコの介護や別れを思い、辛くなりました。同じように自分も老いていくことをきちんと自覚し準備しなくては、ですね。

  • 翔亀 さん

    猫つながり。正統派作家による正統派猫小説。つまり家族の一員としての猫。南木さんは、常に死と直面する医師として「正気を保つ」ために極限状態の自分を小説に表現してきた。芥川賞の翌年にうつ病になり、小説なんか書いた報いを受けたと悔いの毎日。この半自伝的小説は、うつ病の自死願望の壮絶な毎日を中心に、これまでの医師人生、作家人生を振り返る。うつ病からの回復の中で、「医学生」など中期の瑞々しさ、「阿弥陀堂」「草すべり」などの滋味深い傑作が生まれた。その傍らに常に猫がいたのである。猫という不思議な存在。作家の写し絵。

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人物・団体紹介

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南木佳士

1951年、群馬県に生まれる。現在、長野県佐久市に住む。1981年、内科医として難民救援医療団に加わり、タイ・カンボジア国境に赴き、同地で「破水」の第五十三回文學界新人賞受賞を知る。1989年「ダイヤモンドダスト」で第百回芥川賞受賞。2008年『草すべり その他の短篇』で第三十六回泉鏡花文学賞、翌年

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