貞操問答 文春文庫

菊池寛

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167410056
ISBN 10 : 4167410052
フォーマット
出版社
発行年月
2002年10月
日本
追加情報
:
16cm,439p

内容詳細

芝居に夢中な知的美女の圭子、聖母の清らかさと娼婦のエロスを備えた新子、蠱惑的魅力で男を翻弄するベビーエロの美和子の三姉妹。生活を顧みない姉妹のため、家庭教師となった新子は、軽井沢の別荘へ。元子爵令嬢の妻に辛くあたられるうちに、新子は夫と心を通わせてしまう。新聞連載中から評判をよんだ幻の名作。

【著者紹介】
菊池寛 : 明治21(1888)年、香川県高松市に生れる。本名は寛(ひろし)。一高中退後、大正2年、京都帝大英文科に入学。第三次、第四次「新思潮」に参加、文壇にデビューする。『父帰る』『忠直卿行状記』『恩讐の彼方に』『藤十郎の恋』など戯曲、小説の名作を次々と発表。大正12年には「文芸春秋」を創刊した。昭和10年、芥川賞、直木賞を創設し、後進の育成にも努力を惜しまなかった。11年、文芸家協会初代会長となる。23年、狭心症にて急逝。行年60(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • Willie the Wildcat さん

    夫婦・親子・姉妹・親友など、1人が持つ複数の役割次第で、同じ物事もその見え方に差異。これぞ、名分論vs.実際論也。勝者・敗者の問題ではなく、大なり小なり傷を負った登場人物たち。各人毎の受け止め方に、一定の責任と覚悟を垣間見る。これが主題の”答”という感。興味深いのが、木賀子爵。新子の”分岐点”となり、その心底に向き合わせる役割を担う。操る貞女が解を見出す過程、これが主題を暗喩。「操」を立てる代償の是非はともかく、時代を超えた現実の一端。女性陣の強さが際立つ分、男性陣のひ弱さに哀愁。

  • ちょこまーぶる さん

    読後は「女性って怖いなぁ〜」だった一冊でした。昭和10年頃の作品なんですが、その当時の女性の貞操感が描かれている作品で、当時の作者は「時代が変わっていっても、女性の貞操は人生問題の中で最も大きい問題で、貞操の価値はどのように変化していくのか。現代の女性の貞操感がどんなに変わっていくのか」と考え発表した小説の様です。そんな問いかけをした作者が、今の時代を生きていたらどのような感想を持たれたんだろうと思いながら、読み進めると興味深いですね。長女と三女の奔放すぎるバランスの取れていない言動が怖かったですね。

  • メタボン さん

    ☆☆☆☆☆ 昼メロドラマの王道と言っても良い展開で、夢中になって読んだ。コケティッシュな妹の美和子、世間知らずで経済感覚のない姉圭子に挟まれ、一人苦労するヒロイン新子。人物造形が典型的だけれども、深い心情描写により、単なる風俗小説に留まってはいない魅力がある。思わぬ拾い物をした印象であり、隠れた傑作であると思う。

  • ピップ さん

    父が死んだことで経済的に困窮しつつある中流家庭を立て直そうとする次女の話。芥川賞、直木賞を創設した菊池寛の作品は1冊は読んでおきたいと思って手に取った本。昼ドラ的な話ではありますが、さすが古い時代の話なので、男女ともに貞操観念が半端なく高い。家庭の困窮ぶりを理解しない長女、三女を切り捨てない家族の絆も昔っぽい。それでも古き良き時代という感じで、少しうらやましくも感じます。古い小説を読むときに感じる読みにくさもなく、予想以上におもしろかったです。

  • 冬見 さん

    あらゆる登場人物にイライラしっ放しなのに続きが気になって一気読み。主人公が気の毒過ぎる。稼ぎ手を失った中産階級の三姉妹の真ん中の娘新子が主人公。演劇狂いの姉は新子の給金を無断で使い込み、自由奔放我儘娘な妹は新子の恋人を次々と誘惑する。最後の最後で妹美和子の見せ場があって、その一点のみスッキリしたけれど、それ以外は延々と理不尽な目に遭い続ける新子が気の毒でフラストレーションがどんどん溜まってゆく。表面上は女同士が傷つけ合っているようで背景には女を都合よく扱う男の存在もあり、多方面に対してイライラしまくった。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

菊池寛

1888年(明治21)香川県生まれ。本名・寛(ひろし)。第一高等学校を中退後、京都帝国大学英文科へ。芥川龍之介、久米正雄らと第三次、第四次『新思潮』に参加。京大を卒業後、時事新報社に勤務するかわたら小説を発表、『無名作家の日記』『忠直卿行状記』『恩讐の彼方に』などで世評を得る。1920年(大正9)に

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品