夏の砦 文春文庫

辻邦生

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167409043
ISBN 10 : 4167409046
フォーマット
出版社
発行年月
1996年11月
日本
追加情報
:
460p;16

ユーザーレビュー

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    辻邦生の初期の代表作の一つ。ここで採られた小説作法は伽藍や建築物を造営するといったものではなく、作品に即して言えば、精緻な織物を織り継いで行くようなものであった。けっして饒舌というのではないが、紡ぎ出される言葉の一つ一つは極めて細密である。イメージ造詣の核となるのは、冬子が幼少期を過ごした樟の屋敷と「グスターフ侯のタピスリ」であろうが、これらは冬子の中の時間を超越する存在でもあった。そして、静謐と仄暗さを伴った透明感に満ちた北欧の風土と空気とは、そのまま冬子に重なり合う。時間が静止したかのような物語。

  • 奥澤啓 さん

    辻邦夫の膨大な作品群のうち、どれがいちばん素晴らしいだろうか。いくつかあげよ、ときかれたら答えに窮する。辻邦夫という作家には失敗作がないのではあるまいか。すべてが上質な物語の世界を持っている。初期の作品であえてあげれば、『回廊にて』と『夏の砦』に落ちつくだろうか。『夏の砦』の冒頭部分は佐保子夫人の子供時代が反映しているという。純粋な真実の美しさを追い求めた主人公支倉冬子の求道者的生涯が、緻密で緊張感が漂う格調高い文体で描かれる。魅惑的な小話の数々。物語を読む醍醐味を味わえる戦後文学の金字塔である。

  • あきあかね さん

     織物工芸を学ぶため北欧にやってきた支倉冬子は、北の海の孤島へヨット周航に出たまま消息を絶ってしまう。 語り手である「私」が冬子が遺した手紙や日記を整理するなか、自身の過去に対峙し、生や美を考え抜こうとする支倉冬子という一つの精神の遍歴が次第に明らかになってゆく。一文一文が極めて濃密であり、北欧の冷涼で透き通った静謐な空気が、物語を満たしている。 冬子の最後の書簡の最後の一文は、切ない明るさを放っている。「真昼の永遠の光の下で目をさますために、深いねむりに入りたいと今はそれだけを考えているばかりです。」

  • ネムル さん

    さりげなくダークなガーリッシュ文学だった。北欧に織物を学びに来て、そのまま失踪した女性の謎を手紙や日記を紐解きながら追うというミステリ仕立ての作品で、北の冷気と荒涼な孤独に終始包まれている。過去を乗り越え如何に生を取り戻すか、その生が如何に芸術に結びつけられるか。こうした芸術小説としての体裁はミステリに似たテイストでもあり、また崇高なる美の讃歌、美の救済でもある。なんというか非常に勇気づけられた。まだ2作しか読んでないのだが、辻邦生は積極的に追っていきたい。

  • ジュンコ さん

    主人公の女性が残した日記や手紙を頼りに、友人である語り手が、彼女の生きた世界を甦らせる。孤独や悲しみを抱えた主人公の思いと、芸術に馳せる思いが繊細かつ流麗に描かれている。グスターフ候のタピスリー、見てみたい。

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人物・団体紹介

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辻邦生

1925(大正14)年、東京生まれ。東京大学仏文科卒業。63年「廻廊にて」で第4回近代文学賞、68年『安土往還記』で芸術選奨新人賞、72年『背教者ユリアヌス』で第14回毎日芸術賞、95年『西行花伝』で第31回谷崎潤一郎賞受賞。99(平成11)年没

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