天皇と東大 3 特攻と玉砕 文春文庫

立花隆

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167330217
ISBN 10 : 4167330210
フォーマット
出版社
発行年月
2013年01月
日本
追加情報
:
533p;16

内容詳細

“天皇機関説”排撃の風潮が漂うなか、二・二六事件を奇貨として、軍部は政治支配を確立し、以後、日本社会は、テロと戦争に覆い尽くされていく。「挙国一致」「尽忠報国」。そして、敗色が濃くなるなかで敢行された「特攻」と「玉砕」。いったい何が国民をあの悲劇の道に導いたのか。東大の思想的責任を鋭く問う、迫真の第3巻。

目次 : 滝川事件―鳩山一郎と美濃部達吉/ 京大・滝川幸辰教授はなぜ狙われたか/ 狂信右翼・蓑田胸喜と滝川事件/ 筧克彦と「神ながらの道」/ 美濃部達吉、統帥権干犯問題を撃つ/ 美濃部達吉の大反論「一身上の弁明」/ ゾルゲ・昭和天皇・平沼騏一郎/ 天皇機関説論争が招いた二・二六事件/ 昭和天皇と満州事変/ 東条が心酔した平泉澄の皇国史観/ 神官・平泉澄と人間魚雷「回天」/ 二・二六事件秩父宮と平泉澄の密談/ 公爵近衛文麿と平泉澄/ 終戦阻止クーデタ計画と平泉門下生/ 特攻と玉砕 平泉澄の戦争責任/ 東大法学部のタブーと恥/ 矢内原忠雄キリスト者としての反体制/ 「太った豚

【著者紹介】
立花隆 : 昭和15(1940)年長崎県生まれ。39年東京大学仏文科卒業。49年「田中角栄研究―その金脈と人脈」(「文藝春秋」11月号)で金脈批判の先鞭をつけ、以後精力的に腐敗政治批判を続けている。知的関心は幅広く、その徹底した取材と卓抜な分析力による文筆活動で、58年菊池寛賞、平成10年司馬遼太郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • 猫丸 さん

    京大滝川事件を傍観していた東大においても美濃部・矢内原が追放されることになる。上杉慎吉のあと、東大内での国粋思想は筧克彦さらに平泉澄へ受け継がれる。筧は法学部教授だが平泉は文学部。上杉時代での天皇機関説に関わる学問的論争はファナティックな精神論の同語反復に堕し、種々の誤解を含む精神的共鳴が軍部に伝播、個人個人の勝手な思い込みが「国体」の一語によって幻想的に統一されていく。自分が何を語っているかの自覚すらない連中が天皇自身の意向を無視し、各々の権力闘争に神国思想を利用するカオス状態が1930年代に始まった。

  • nakmas さん

    当時日本の人口の1/5を戦争で失わせるという結果を引き起こした大元「平泉史観」について論じている。 この史観も、それを利用して暴走した陸軍も、ある意味、天皇という存在を利用し、その威を借りた権力乱用なので、宗教や民族を要因と見せかけて引き起こす宗教戦争・民族紛争とやっていることは同じ。

  • BLACK無糖好き さん

    本書には強烈なキャラの二人が登場する。その一人は蓑田胸喜、雑誌「原理日本」(凄いタイトル!)の主宰者として知られる狂信右翼の国粋主義者。この人から共産主義者、反国体思想等のレッテルを貼られると大変な攻撃を受ける(天皇機関説騒動他)。もう一人は平泉澄、東大文学部国史学科教授。この人の皇国史観は筋金入りで、あの東条英機が心酔し切ったそうだ。この平泉の門下生達が陸軍士官学校に教官として入り教育が叩き直され、「天皇への忠義をつくすため喜んで死んでいく」平泉史学が浸透していく。海軍は少し敬遠していたらしい。

  • rbyawa さん

    j080、戦前の保守愛国(と呼ぶのもどうかなぁ…天皇の首すげ替えとか言い出す人とか普通にいるし彼ら)の人たちの中でほとんど唯一名前が知られた蓑田氏が出てくるものの…身内からの扱いが悪い…、著者さんの評価も底辺這ってる…まあ、身内からも馬鹿呼ばわりされてる群だとさすがに不当と言うのも変かな。怪物としか言い様のない彼がまず暴れ、それに日本社会そのものが引き摺られた体裁、だが、彼の場合は本当に純粋に日本を救うためにやっていたのだろうことは他の本でぽちぽち見れる。まあ逆に、だからその台頭を許したとも言えるのか…。

  • じろう さん

    蓑田胸喜より平泉澄ふたりの極右思想家を取り上げている。平泉のほうが蓑田胸喜のような狂気もなく日本文化の文人の匂いがして好ましいのかと思ったが読み進めるうちに日本人の若者に与えた被害が遥かに大きいと知った。しかも戦後蓑田は自殺したにもかかわらず平泉は堂々と余生を過ごした。岩波茂雄が蓑田の死にさいして「本物であったか。」と慨嘆したのに比べると平泉は人間的にも唾棄すべき偽物であったのか。

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立花隆

昭和15(1940)年、長崎県生まれ。39年東京大学仏文科卒業。49年「田中角栄研究―その金脈と人脈」(「文藝春秋」11月号)で金脈批判の先鞭をつけ、以後精力的に腐敗政治批判を続けた。知的関心は幅広く、その徹底した取材と卓抜な分析力による文筆活動で、58年菊池寛賞、平成10(1998)年司馬遼太郎賞

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