龍秘御天歌 文春文庫

村田喜代子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167318536
ISBN 10 : 4167318539
フォーマット
出版社
発行年月
2004年10月
日本
追加情報
:
16cm,263p

内容詳細

徳川の世が定まって五十年。秀吉軍に強制連行され、北九州の地に生きた朝鮮人陶工の頭領が亡くなった。すると、ゴッドマザー百婆が「クニの弔いをやるぞ」と宣言して、村中は大騒ぎに。朝鮮式と日本式がことごとくぶつかる。涙と笑いの渦の中、荒れ狂う骨肉の策謀。「哀号!」の叫びが胸に響く歴史物語の傑作。

【著者紹介】
村田喜代子 : 1945年、福岡県八幡(北九州市)生まれ。77年に「水中の声」で九州芸術祭文学賞を受賞し、執筆活動に入る。87年に「鍋の中」で第97回芥川賞受賞(同作は黒沢明監督「八月の狂詩曲」原作)。90年に「白い山」で女流文学賞、92年に「真夜中の自転車」で平林たい子賞、97年に「蟹女」で紫式部文学賞、98年に「望潮」で川端康成文学賞、99年に「龍秘御天歌」で芸術選奨文部大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • kawa さん

    ウーン、凄い。百婆も十蔵も、そして著者も。こういう本に巡り合えることが読書の喜びなんだろう。渡来人を巡る葬祭を通して、負けても敗れず屈しても服さぬ朝鮮の人々と、潔さや勝敗にこだわらない日本人を、鮮やかに対比して描いている。どちらが正しいという問題ではなく、お互いの文化を理解して、そこからスタートなのだが、あの当時は、今以上に大変なことだったのだろう。

  • touch.0324 さん

    壁投げ本。50年前、秀吉軍に強制連行されて九州の地に移り棲むことになった朝鮮人陶工の長、辛島十兵衛(張成徹)が亡くなった。朝鮮式の葬儀をあげたい十兵衛の妻・百婆(朴貞玉)と、日本式であげたい長男・十蔵(張正浩)の対立は、村を巻き込んで激化する。ゴッドマザー百婆が、鎖国下、檀家制のもと、一族や代官所、菩提寺をどう切り回しすかが見所!と思っていたのだが、、ほぼゴリ押し。ロジックも戦術も、哀しみに裏付けられる想いもない。否定のための否定?30人余りの登場人物の家系図作って、朝鮮名までメモって読んだのに。怒

  • ネムル さん

    秀吉に連行された朝鮮渡来の陶工たちが徳川治世下の役人の目を逃れ、ゴッドファーザーの葬儀をおクニ式で断行しようとする策謀小説。婆さん小説家の村田喜代子だけにゴッドマザー百婆がカッコよく、ボロの喪服にザンバラ頭の朝鮮式葬儀もまた変な魅力がある。そこに日本対朝鮮式という文化面だけでなく、半ば帰化した子供たちとの世代間闘争も描かれる。こうした闘いは当然敗けに終わるわけだが、大量の挿入歌を交えたどんちゃん騒ぎと、朝鮮気質の傲気(オーギ)とが、作品に和製オペレッタのようなあっけらかんとしたユーモアを与えている。

  • ren5000 さん

    秀吉の朝鮮侵攻のころに連れてこられた陶工たちが葬式をめぐりてんやわんやする話。日本式にするか朝鮮式にするかで虚虚実実がありそれは死生観へもつながっていくのは読んでて面白かった。しかし今だに近いけど遠い国朝鮮ですな。分かり合える日はくるのだろうか?

  • take0 さん

    江戸時代の九州、陶磁器の窯元の頭領の死に際し、故国・朝鮮の流儀で葬儀を強行しようとする老妻と、仏式の葬儀を執り行おうとする後継ぎの長男。物語の中では、朝鮮出身の者には日本の葬式は死者を悼む情の薄いものと感じられ、日本の者には朝鮮のやり方はひどく異質なものに映る。火葬と土葬についても真っ向から意見が食い違う。「葬式は譲ることのできない民族の死生観が形を成したものだ」と著者は後書きに記している。文化や民族の違い、そう考えても容易に考えがまとまる筈もなく、漠としたまま頭の中で宙吊りになってしまう。

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人物・団体紹介

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村田喜代子

1945年、福岡県北九州市八幡生れ。作家。1985年、自身のタイプ印刷による個人誌『発表』を創刊。1987年『鍋の中』で芥川賞、1990年『白い山』で女流文学賞、1992年『真夜中の自転車』で平林たい子賞、1998年『望潮』で川端康成賞、2014年『ゆうじょこう』で読売文学賞、2019年『飛族』で谷

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