銀の館 下

永井路子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167200145
ISBN 10 : 4167200147
フォーマット
出版社
発行年月
1983年12月
日本
追加情報
:
413p

ユーザーレビュー

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読書メーターレビュー

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  • レアル さん

    「全てが和子のため」。この思いがあれば富子は何だって乗り切れたし頑張れた。夫義政がダメ将軍だったから富子は和子を護るために頑張らねばならなかった。そしてその実力は凄かった。有力大名の内紛を皮切りに応仁の乱に移っていくその様子と富子の才が描かれている。しかし息子は親の思う通りに育たない。頑張って育てた息子義尚とのすれ違いそしてラストが何とも儚い!そして物語を読み終えてふっと表紙のタイトルを見る。「銀の館」なるほど。。

  • さつき さん

    ついに心が通い合うことのなかった夫。その反動のように愛して自分の分身のように感じていた息子。義政、富子、義尚、親子三人の愛憎が濃すぎて読んでいて辛いくらいでした。思いもよらない場面で足下をすくわれたり、拒絶されたり。対して庶民の蘭之介の、信念を曲げない生き方は清々しく感じました。ゆうかのさばさばした性格も、濃い場面が続く中で息抜きになります。銀閣は中学校の修学旅行で訪れたきりなので、この作品を読み再び行ってみたくなりました。

  • ちゃいろ子 さん

    永井さんの描く富子は、聡明で色々な事に興味があり、生命力に満ち溢れた魅力的な女性。 一方義政はけして愚鈍な人ではないのだが、その生い立ちから、まあ仕方ないのかもという正反対の人で。 お互いにとって不幸な組み合わせだったのだろうなぁ。そして立場からしても歩み寄って折り合いをつけるほど困っていないから余計に心は離れて。 富子の才覚も、本来なら素晴らしいものなのに、一人の妻、母としては不幸の道へと作用してしまう。 →

  • リードシクティス さん

    応仁の乱により都は荒廃する中、夫である将軍・足利義政は政治に無気力で、自分の趣味の世界に引き籠る。富子は息子である義尚の将来のため、夫の代わりに幕府を切り盛りすることになるがー。京の入り口に関所を設けて金を取り立て、集めた金銭を大名たちに貸して利殖をはかったことで悪女とみられることもあったが、富子の頭にあったのはすべて「我が子のため」。そんな期待をかけた息子もやがては酒色におぼれて自分に反旗を翻し、夫とは完全に別居状態。頑張ったわりに報われず可哀そうな女性という印象だった。

  • エドワード さん

    京都の小学生だった頃、「日本文化の源は東山文化にあります」と歴史の授業で教えられた。美しい銀閣寺。和の精神を育んだ義政は偉人だと思ったが、彼は政治に無関心なホビーに引きこもるオタク野郎とも言える。後継者問題で彼が煮え切らない故に応仁の乱が勃発、焼けた文化財は数知れない。飢饉の傍の連歌。政争の傍の枯山水。平安時代といい、江戸時代といい、政治が停滞する時代に文化が華開くという皮肉が繰り返される。人々はいまそこに無いものを求めて生きたのではないだろうか。息子の義尚と心がすれ違う富子が哀れだ。

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人物・団体紹介

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永井路子

1925年東京生まれ。東京女子大学国文科卒業。64年『炎環』で直木賞、82年『氷輪』で女流文学賞、84年菊池寛賞、88年『雲と風と』ほかで吉川英治文学賞、2009年『岩倉具視』で毎日芸術賞を受賞。23年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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