闇の華たち 文春文庫

乙川優三郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167141660
ISBN 10 : 4167141663
フォーマット
出版社
発行年月
2011年12月
日本
追加情報
:
227p;16

内容詳細

巻き込まれるようにして友人の仇討ちをとげる侍の感情の揺れを描いた「花映る」、客と女中として茶屋で再会した幼馴染ふたりの人生が交差する「悪名」、桜田門外の変を佐倉藩の隠密が回顧する「面影」など、珠玉の短篇六篇を収録。武家社会を生きる男女の人生を、磨きぬかれた格調高い筆であざやかに活写する。

【著者紹介】
乙川優三郎 : 1953年、東京都生まれ。千葉県立国府台高校卒業後、国内外のホテル勤務を経て96年、「薮燕」で第76回オール讀物新人賞を受賞し、デビュー。96年、「霧の橋」で第7回時代小説大賞、2001年、『五年の梅』で第14回山本周五郎賞を受賞。02年、『生きる』で第127回直木賞受賞。04年、『武家用心集』で第10回中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • じいじ さん

    表題から想像はしていたが、何時にもまして暗い話の短篇集です。でも、乙川氏の醸すこのしっとりとした雰囲気が、私はたまらなく好きです。とりわけ氏が描く女性像が美しく魅かれます。今作も6人の淑やかで健気で心のしっかりとした女たちが描かれています。どれも味わい深い良作ですが、敢えて二作を選べば―【悪名】7年、子ができない理由で離縁された女と、下級武士の幼馴染二人が茶屋で再会。淡い恋心が芽生える…。【男の縁】嫁にいきたがらい娘の本心(意中の男がいることに…)が分からない鈍感な父親を描いた物語。

  • Lara さん

    乙川氏お得意の武家物。いつもの短めな文章、的確な単語の選択、無駄が感じられず。それでいて、場の雰囲気、人物の心情はしっかり伝わって来る。派手さ、明るさはなく、どちらかと言うと暗い、しかし、武家に生活する女性たちの生きざまが印象に残る。

  • ふじさん さん

    友人の仇討ちを遂げた隼之助の心の葛藤を描いた「花映る」、離縁された多野と幼馴染の重四郎の二人の人生が交差する「悪名」、蘭方医文礼が患者と真剣に向き合い寄り添う姿を描いた「冬の華」等、武家社会を生きる男女の人生を磨き抜かれた格調高い文章で描いた短編集。運命に翻弄される人々の先にかすかな温かな光が、せめても救いだ。

  • KEI さん

    著者らしい6編の短編集。タイトルが示す様に決して幸福とはいえない女性達。しかし彼女たちは夫の急死、微禄、離縁にも負けずしっとり自分を持って生きていた。6編とも優劣つけ難いが、敢えて好きな作品を上げるとするならば「悪名」。子が生まれず離縁され茶屋に働く多野が、評判を落としていく幼馴染の重四郎に振り回されながら、恋心を感じていく姿が愛おしい。蝋梅の香りが2人を祝福する様なラストが良かった。秀作。

  • キムチ27 さん

    腹ばいになってじっくりしっとり読ませる6篇。表題は全部に流れるキーワードとても言おうか。ファンでない方が読むと、乙川作品はどれも同じ顔、温度だろうなぁ。そういう私はファンでもそう思う。登場する女は似たり寄ったり。男もしかり。だが情勢は今と大きく異なる江戸時代、さもありなん(棲息してなかったのでしかとは判らないが)「男の縁」達観しつくしたかのような丈大夫のモノローグで綴られる。だが伝兵衞のような生きざまは藩の数だけあったのではなかろうか。「笹の雪」男の優しさに触れるほどに自傷の深みに嵌る喜佐がやるせない。

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人物・団体紹介

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乙川優三郎

1953年東京生まれ。外資系ホテル勤務などを経て1996年小説家デビュー。2001年『五年の梅』で山本周五郎賞。2002年『生きる』で直木三十五賞。2013年初の現代小説『脊梁山脈』で大佛次郎賞。2016年『太陽は気を失う』で芸術選奨文部科学大臣賞。2017年『ロゴスの市』で島清恋愛文学賞(本データ

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