袴田事件 神になるしかなかった男の58年 文春新書

青柳雄介

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784166614530
ISBN 10 : 4166614533
フォーマット
出版社
発行年月
2024年08月
日本
追加情報
:
288p;18

内容詳細

1966年6月30日、静岡県清水市の味噌製造会社専務宅が全焼し、焼け跡から一家4人の刺殺体が見つかった「袴田事件」。警察は味噌工場従業員の元プロボクサー、袴田巌さん(当時30歳)を逮捕。68年一審で死刑判決、80年上告棄却で死刑が確定したが、袴田さんは公判以降一貫して無実を訴え、姉のひで子さんや支援者、弁護団は再審請求の長い戦いを続けてきた。
81年からの第1次再審請求は棄却(08年最高裁)。14年3月に第2次再審請求審一審で「再審開始」が決定、袴田さんは48年ぶりに釈放された。
しかし確定死刑囚として長期間にわたって常に死の恐怖を強いられた拘禁症状で、かつては明晰な文章で支援者への手紙を綴っていた袴田さんは、「袴田巌はもういない。私が全知全能の神、唯一絶対の神だ」「死刑制度も監獄も廃止された。袴田事件なんか最初から無いんだ」と語るようになり、釈放後も変わらない。
しかも14年3月の釈放に対して検察は即時抗告し、18年6月には東京高裁が「再審開始決定」の取り消しを決定。20年12月に最高裁が高裁決定を取り消して差し戻し、ようやく23年3月に高裁が再審開始を決定。目下、10月末から静岡地裁でやり直し初公判が開かれている。

事件から57年、獄中に47年、再審を決めるのに実に42年もの月日を費やした「袴田事件」。東京高裁の再審開始決定でも異例の捜査機関による証拠ねつ造の疑いにも言及されたにもかかわらず、未だに検察の無謬性と組織防衛的な訴訟指揮が行われている。
袴田巌さん釈放時から清水市に移住、数年にわたって密着取材を続けた著者が、生い立ちから訴訟の時間的経過を軸に、終始無実を信じて長きにわたる戦いの核となってきた姉ひで子さんや、事件によって大きく人生が変わってしまった元裁判官らの物語、その他の再審請求事件とも共通する冤罪の構造≠ニいった論点を描く。

【著者紹介】
青柳雄介 : 1962年東京都生まれ。雑誌記者を経てフリーのジャーナリスト。事件を中心に社会、福祉、司法などの分野を取材、『サンデー毎日』『AERA』ほかの週刊誌や『PRESIDENT Online』『日刊SPA!』などのwebメディアに寄稿。袴田事件は2006年から取材を始め、’14年に袴田巖さんが48年ぶりに釈放されたのち、翌’15年から2年ほどは浜松に居を移して密着取材。以降、月刊『世界』で「神を捨て、神になった男 確定死刑囚・袴田巖」を長期連載するなどライフワークとする。’22年、脳梗塞に倒れるもリハビリ後に復帰、その体験などを『サンデー毎日』で連載している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • skunk_c さん

    ジャーナリストの著者が袴田さんに寄り添う形で書いた、再審決定・高裁での棄却・最高裁での差し戻しといった時期に雑誌『世界』の連載記事と、再審無罪決定直前の『サンデー毎日』記事を加筆編纂したもので、コンパクトな章立ての冒頭にある袴田さんの肉声が胸を打つ。典型的な冤罪の展開であり、検察は証捏造だけは認めたくなかった(ただしこの捏造は警察の可能性大で、警察との信頼関係を崩したくなかったのか)模様だが、厚労省村木事件で特捜が証拠改竄をしていたのに何を今更と感じた。『疑わしきは被告人の利益に」の貫徹が重要と思う。

  • nonpono さん

    2000年代から新聞やテレビの報道を見ていたが、まとまった本を読むのは初めて。「これは、無実でありながら殺人犯の汚名を着せられ、四八年間拘禁され続けた袴田巖の物語」。否定しているのに無理な取り調べからの勾留、自白を作り上げる警察。怖い。自白を裏付けるためのように思える証拠。支えたお姉さんは凄いと思っていたが、やはり強い。死刑への恐れと独房での生活。冤罪とは何かを考えていた。DNA捜査が始まってもまだ冤罪は産まれる。人が人裁くとは。失った時も人も返ってこない。事件から58年で再審なんてあまりにも長すぎる。

  • けぴ さん

    「証拠を捏造したと認定すれば、検察の沽券にかかわる」本書を読んで袴田事件で感じることは、検察は誤りを犯すと間違っていたと言えない体質にあるということ。嘘の証拠で立件してバレそうになると嘘を上塗り。袴田さんは無実となったが証拠を捏造した検察の罪が問われていないのが不思議。更に言えば検察の誤りを見抜く役割が裁判官のはずなのに、僅かな減刑をすることで仕事をしたつもりになっていることも問題。取り調べのビデオ録画などで以前よりは可視化されているとは言え冤罪を産まないようにする抜本的改革には一層の改変が必要と感じた。

  • 読特 さん

    事件発生後、約60年経っての無罪判決。捏造が指摘された5点の衣類。真犯人は誰だったのか。事実解明のために与えられた捜査権限。警察はその使命を放棄していた。無実の心証を持った1人の判事。それでも死刑判決を書かねばならず、生涯苦しむ。無罪放免となるはずの再審決定と釈放。しかしその確定まではなおも11年を要した。その間、一度の再審棄却さえあった。…優先するのは正義よりも面子。機能していない法の番人。危うい法治国家。閉鎖性と独善性。強大な権力の中に宿る病理。皆がもっと注視しなければ、更なる暴走を招くであろう。

  • tomi さん

    58年を経てようやく無罪が確定した「袴田事件」の裁判を追ったノンフィクション。知らなかったが袴田巌さんは若い頃、寺山修司からも「打たれ強い」と評された有名プロボクサーだったという。一家惨殺の犯人として確たる証拠もなく重要参考人として事情聴取、そんな彼でも音を上げる苛烈な取り調べの末に逮捕、後に死刑判決を受ける。警察も検察も余りの酷さに呆れ返る。証拠の捏造から偽証、都合の悪い情報の隠蔽、何でもあり。素人目にもおかしいと解る矛盾を突きつけても頑として認めない検察。人権蹂躙も甚だしい。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

青柳雄介

1962年東京都生まれ。雑誌記者を経てフリーのジャーナリスト。事件を中心に社会、福祉、司法などの分野を取材、『サンデー毎日』『AERA』ほかの週刊誌や『PRESIDENT Online』『日刊SPA!』などのwebメディアに寄稿。袴田事件は2006年から取材を始め、’14年に袴田巖さんが48年ぶりに

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品