エマニュエル・トッド

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シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 文春新書

エマニュエル・トッド

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784166610549
ISBN 10 : 4166610546
フォーマット
出版社
発行年月
2016年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
307p;18

内容詳細

二〇一五年一月の『シャルリ・エブド』襲撃事件を受けてフランス各地で行われた「私はシャルリ」デモ。「表現の自由」を掲げたこのデモは、実は自己欺瞞的で無自覚に排外主義的であった。宗教の衰退と格差拡大によって高まる排外主義がヨーロッパを内側から破壊しつつあることに警鐘を鳴らす。

目次 : 第1章 宗教的危機/ 第2章 シャルリ/ 第3章 逆境に置かれた平等/ 第4章 極右のフランス人たち/ 第5章 イスラム教のフランス人たち/ 結論

【著者紹介】
エマニュエル・トッド : 1951年生まれ。フランスの歴史人口学者・家族人類学者

堀茂樹 : 1952年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部教授(フランス文学・思想)。翻訳家。フランス文学の名訳者として知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • mitei さん

    中々欧州は日本から見ると複雑怪奇な世界だなと思う。著者はフランスでは変わり者として扱われるらしいが日本で評判になってフランスに逆輸入のような形で本作を書くことが出来たと謝辞に書かれていたのが印象的。

  • ケイ さん

    コロナ禍の中で、NHKにてトッド氏の話を聴き、デモが起こらない事が(日本)示すことに対しての内容で頷くところがあった。本著の中のカトリシズムのゾンビ化とは、わかりやすい。多くのフランス人が、参加した「 Je suis Charlie」(私はシャルリ)のデモののち、あの日のデモに加わることで自分は本当のところは何をしたのかと自問したというのは理解出来る。信仰を失った社会には何かが入り込む。教会への信頼が薄れた時、フランス革命やナチスに繋がったと彼は言う。なるほど。労働者の半分が極右国民戦線に投票した事実。

  • kasim さん

    『シャルリ・エブド』襲撃事件の後、テロ反対でなく表現の自由を訴えるフランス全土のデモに、外から奇異の念を抱いた(英米もそうだったらしい)。この本は内から声を上げ、国内の弱者の宗教を繰り返し冒涜することは憎悪の教唆に過ぎず、しかも冒涜の権利が義務と感じられるほどヒステリックな状況になってしまった、として分析する。フランスには二つの文化地盤、平等主義的な地域(パリなど)とカトリックの伝統が強い地域(リヨンなど)がある。階層を重視する後者がムスリム排除に傾くのは理解しやすいが、前者では「人間は皆平等→

  • Y2K☮ さん

    名著。フランスと日本が抱える問題に類似性を見た。高齢者と富裕層の益に偏る政治、排他的思想の正当化、そしてメディアに捏造された全体主義など。「私はシャルリ」デモに参加した人の多くは高収入の管理職や知的上級職(且つかつてカトリックを熱烈に信仰していた)であり、郊外に住む貧しい若者や労働者階級はほとんど加わっていない。日本で科学的データを見ず、マスコミに洗脳され、いまだにロックダウンだ緊急事態宣言だと主張する連中がどういう層かを考えた。過度に怯えて飲食店に自粛しろと騒ぎ、学生や若者の生活をぶち壊す連中の実態を。

  • Tomoichi さん

    題名から時事ネタの軽い読み物かと思って読んでなかったが、全然軽く無いフランスの現代社会を鋭く分析した一冊。フランスについて多少の知識が無いと難しいかもしれないが翻訳が素晴らしいので読みやすい。日本で深く考えもしないでどっかで聞いてきた政教分離を叫ぶ人たちがいるが是非本書でライシテの功罪を知ってもらいたい。

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