文豪の古典力 漱石・鴎外は源氏を読んだか 文春新書

島内景二

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784166602643
ISBN 10 : 4166602640
フォーマット
出版社
発行年月
2002年08月
日本
追加情報
:
18cm,234p

内容詳細

なぜ現代日本人は自分の国の古典を原文で読めなくなってしまったのか。明治期の文豪たちは『源氏』を読みこなせたのか。本書では、数々の口語訳が衰退させた日本人の「魂のDNA」を気鋭の文学探偵が発掘する。

【著者紹介】
島内景二 : 1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部に在学中、源氏物語と現代短歌の魅力に目覚めて文学部国文学科に転進。同大学院博士課程修了。『源氏物語の影響史』(笠間書院)で博士号取得。電気通信大学助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • クプクプ さん

    著者の島内景二さんを知っていて古本屋で買いました。「源氏物語」が、夏目漱石や森鷗外、樋口一葉、尾崎紅葉の作品にどれだけ影響を与え、彼らが、いかに古典力を持って作品を書いたかが、よく理解できました。特に著者は尾崎紅葉の「金色夜叉」を評価していて参考になりました。そして著者は、「源氏物語」を原文で読むことをススメていました。私のような、読書中級者の視界を広げて導いてくれる、なかなか面白い一冊でした。今は売っていないと思うので、気になった方は、図書館等で探してみてください。

  • かふ さん

    明治の作家はまだ文語体で書くものが多かったがそうした作家のテキストとなったが古典の『源氏物語』や和歌であった。それは考えれば当たり前なのだが、もともと文語が出来たから『源氏物語』が読めたのでもなく、それを学んだからだということだった。鴎外の小説の雅体の文語体が『源氏物語』とまったく同じものであるわけでもなく、むしろ『源氏物語』は当時は悪文とされていたようだ。鴎外はそこから文学的雅体を創作したのが『舞姫』だったという。つまりそれは古典文学との文学的格闘を通して生み出されたものだった。

  • れいまん さん

    いや〜、著者の源氏愛は本物で、江戸〜現代までの源氏口語訳を俯瞰している。晶子源氏には特に手厳しい。それにしても、鴎外、漱石に゙おける源氏の影響を指摘し、一葉、紅葉の読み解きにはただただ、感心するしかない。源氏は、あらゆるツールを使い、原文を読むのが一番というのがよくわかる。だがハードルはかなり高いね!

  • さき さん

    やはり、明治時代の文豪たちは古典の吸収力が今とは段違いに高い。作品に古典表現を紛れ込ませるというのも、その古典作品へのリスペクトがあるからこそだと思った。

  • Waka さん

    昔読んだ図書の著者と知らず、東京に住んでいたころ講演会にうかがったことがある。物腰が柔らかく、私の質問にも答えてくださった。湖月抄を購入したのは島内先生のアドバイスゆえ。その島内先生のお名前を偶然田舎の図書館で見つけたので、期待して読んだが、期待どおりで充実した読書体験となった。「理解しようとする努力をせずに古典がわからないならわからない側の責任だ」という旨の文が終盤にあり、大変共感した。もう7年も前に私が古典和歌を独学し始めたのも同じ理由だった。

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人物・団体紹介

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島内景二

1955年長崎県生。東京大学文学部卒業、東京大学大学院修了。博士(文学)。現在電気通信大学名誉教授。2020年4月から二年間、NHKラジオ第二「古典講読・王朝日記の世界」を担当。2023年4月から再び「古典講読・日記文学をよむ」を担当。2024年4月から「古典講読・名場面でつづる『源氏物語』」を担当

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