二十世紀をどう見るか 文春新書

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784166600076
ISBN 10 : 4166600079
フォーマット
出版社
発行年月
1998年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
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追加情報
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18cm,222p

ユーザーレビュー

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読書メーターレビュー

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  • 白義 さん

    二十世紀型の近代国民国家システムは今、大いなる危機を迎えている、という内容で、世紀末から振り返った二十世紀論。出版された時期を考えると、国民国家の権威が衰退した後の帝国の復活、民族意識の台頭と言った現代の問題を歴史家としての知識を活かし、それぞれの国の歴史から分析していてなかなかの先見性がある。中華帝国と中国ナショナリズムの同時台頭、ロシアの硬軟織り混ぜた多民族帝国志向など今の状況にも繋がる指摘が多い。ドイツ史の専門家だけあって、ドイツの意外な多民族中欧帝国へのこだわりは興味深い指摘

  • coolflat さん

    近代主権国家という枠組みが崩壊しつつある。世界のグローバル化により、国民国家という枠組みは意味をなさなくなりつつあり、一つの言語、一つの民族、統制された帰属意識で、近代主権国家をつくり上げることに成功した国ほど、そのジレンマに悩まされている。その筆頭が日本だ。日本は近代主権国家になる前から、幕藩体制という共通の政治システムに既に統合されており、言語や文化の上でも強い一体性を持っていた。そういう意味で、容易に近代主権国家に転換できた。逆に近代主権国家に染まりきっているからこそ、そこから抜け出すのが難しい。

  • Kazuo さん

    98年出版。現在本書を読む意義は「今の生」の感情から離れた、世界分析であること。15年前から、世界の基本構造は変化していない(恐らく大量の化石燃料消費が始まって以降は基本構造は変化していない)。キーワード「近代の国民国家は、ある意味で宗教の代用物とみなすことができる」「現在の人々の不安の根底には、国民国家の優位の崩壊という問題が横たわっている」「覇権国として広域的な秩序を取り仕切る幾つかの国家が求められる」「日本には、多民族的な領域の秩序を大まかに取り仕切るためのノウハウは無い」。帝国の時代が進んでいる。

  • バルジ さん

    全体的に刊行当時の時代風潮を色濃く反映した記述となっているが、刊行から20年経った現在でも十分通用可能なその分析に唸った。経済や通信の発達によるボーダーレス化をやや過度に捉えすぎている節があるがそういった批判は野暮であろう。本書の魅力は第一級の歴史家が歴史を基に現代世界の分析を行っていることである。特に第二章・第三章はイギリスのEU離脱や各地域で燻る民族独立運動を考える上で極めて有用。また、撤退するアメリカの覇権という問題も実はクリントン政権からその兆候があったことを本書は教えてくれる。

  • rokubrain さん

    国の歴史について地図を思い浮かべつつイメージするとき、土地の上に垂直に積み重なってきたような時間を想うのだけど、同時に近隣の水平方向にも視点を延ばす想像力も必要ですね。 なぜなら人間は草花が土地から自然発生し育つのとは違って、場所を移動する。そこから生まれた人間も一つの土地に留まっていることはないから。 土地=国と考えがちだけど、本当は人が国を作る。 今にいたる国の領土の変遷を知ると、「歴史は繰り返す」ということばは、驚くほど当たっている。 人間のDNAに刷り込まれていたかの如きだ。

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