武漢病毒襲来

廖亦武

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163914145
ISBN 10 : 4163914145
フォーマット
出版社
発行年月
2021年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
320p;19

内容詳細

二〇二〇年一月、新型コロナウイルスの感染爆発を受け、中国政府は武漢市封鎖令を発出した。歴史学者・艾丁がドイツから帰国したのはその日のことだった。彼の妻と娘は武漢にいる―すべての交通手段が遮断された病毒の街に。強制隔離で足止めされた艾丁のもとに、妻や友人からコロナ禍の中国の悲惨な声が届く。次々に死を遂げる民衆。死体を詰め込んだトラック。病者と死者が群れをなす病院と火葬場。ウイルス発生源をめぐる内部告発は当局によって消され、告発者も姿を消す。武漢にはウイルス研究所があった。そこは蝙蝠のウイルスを研究していた。研究所内部から発された警告も闇に葬られた…オートバイで、舟で、あるいは辺境の村を抜けて、武漢へ向かう艾丁。彼を待つ底知れぬ闇とは?天安門事件を批判して投獄され、ドイツに亡命した文学者が、中国政府による“コロナウイルス制圧”の物語を告発し、コロナ禍の中国の「真実」を叩きつける長編小説。

【著者紹介】
廖亦武 : 1958年、中国、四川省に生まれる。若くして詩作を開始、前衛詩人として「体制側」の賞を多数受賞する一方、多数の地下文学刊行物を編集。89年に天安門事件を告発する長詩『大虐殺』を発表、これと対を成す映像作品『安魂』を制作したことなどにより反革命煽動罪で逮捕、4年間の獄中生活を送る。出獄後の95年にヘルマン/ハメット賞を受賞。大道芸人として生計を立てながら中国内の下層の人々の声を収集し、2001年に「老威」名義で発表した『中国低層訪談録』(邦訳、集広舎)はすぐに発禁となるも、03年のフランス語版で2度目のヘルマン/ハメット賞を受賞、英語版も出版された。2011年にドイツに亡命、現在も同地で活動をつづける

福島香織 : 1967年、奈良県生まれ。大阪大学文学部卒業。ジャーナリスト。産経新聞社に入社後、98年より上海・復旦大学で語学留学。2001年より香港、北京で特派員を務める。09年に産経新聞社を退社してフリーとなり、主に中国の政治経済社会をテーマとしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • keroppi さん

    図書館の新刊図書にあったので読んでみた。天安門事件を告発する長詩を発表し、逮捕され獄中生活を送った著者は、2011年にドイツに亡命。この本もドイツで書かれたことになる。フィクションではあるが、中国政府を告発する内容になっていて、概ね事実は近いのではないかと思う。ドイツからどのように現地の情報を得たのだろうかという疑問は残る。昨年の初め頃、YouTubeから流れ出る武漢の悲惨な状況を思い出す。まさか、日本が今のような状態になるなんて、その時は想像だにしなかった。

  • マイケル さん

    武漢ウィルスの起源は? 都市封鎖での住民の生活はどうだったのか? 著者は知らなかったが、訳者が産経新聞出身で以前色々読んだことがある福島香織となっていたので読み始めた小説。訳者あとがきに書かれているように検閲対策として限りなくノンフィクションに近いディストピア小説。武漢で最初の患者が出た場所近くには蝙蝠のウィルス研究所があったが当局が否定するように本当に関係無いのかという謎。蝙蝠を食べたせい? 生物兵器製造中だったのかもしれない。都合の悪いことは隠蔽して表に出てこない。歴史の改竄は昔から当たり前の社会。

  • 羊山羊 さん

    方方「武漢日記」の外側はどうなっていたのだろう?その答えの一端が本著にある。武漢の封鎖に絶望し、身投げする人々、新コロに感染し、突如倒れて動かなくなる人々、川を流れる死体、死体運搬車にぎゅうぎゅうに詰められて尚まだ処理しきれない量の死者。本著はあまりにも大量の死で満ちていて、その中を家族の元に急ぐ主人公艾丁。ノンフィクション・ロードノベルの形を取りながら、無法都市と化した武漢周辺とその対極にある監視国家としての両面を見事に活写して見せた1冊。

  • robamimim さん

    猛烈な発展を続ける中国、そこで新型コロナー武漢病毒が作り出されたという説をあくまでフィクションとして展開する。著者は中国ににらまれて亡命した方。命がけで武漢の闇を暴き出す勇気ある人に光をあてる。そしてロックダウンのすさまじさ。民衆をかえりみないロックダウンでは弱者はたやすく死に追いやられる。社会主義はいったいどこに行ったのだろう。この本がどこまでフィクションでノンフィクションかもわからない。上海から漏れる様子で答え合わせをしている気分だ。

  • 冬薔薇 さん

    新型コロナウィルス発生時の中国の状況をフィクションという形で描いたもの。「彼らはみんな逝ってしまった」という詩に私も涙を流した。

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廖亦武

1958年、中国、四川省に生まれる。若くして詩作を開始、前衛詩人として「体制側」の賞を多数受賞する一方、多数の地下文学刊行物を編集。89年に天安門事件を告発する長詩『大虐殺』を発表、これと対を成す映像作品『安魂』を制作したことなどにより反革命煽動罪で逮捕、4年間の獄中生活を送る。出獄後の95年にヘル

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