中野京子と読み解く運命の絵 なぜ、ままならない

中野京子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163912912
ISBN 10 : 4163912916
フォーマット
出版社
発行年月
2020年11月
日本
追加情報
:
208p;19

内容詳細

この世を生きる者たちの運命の小舟は、揺られっぱなし―名画の奥にある“運命のドラマ”を『怖い絵』著者が解き明かす。愛人の膝から立ち上がる女は関係を清算できるのか?―ハント『良心の目覚め』、何もかも思い通りにゆかない、傲岸不遜な画家の生涯。―クールベ『画家のアトリエ』、一体なぜ?古代彫刻にまつわる不運の連鎖。―アルマ=タデマ『フェイディアスとパルテノン神殿のフリーズ』、ギロチン台に向かった16人の修道女の行く末は…。―ドラローシュ『ギロチン』、仏軍VSスペイン民衆、戦場で流れた夥しい血。―ゴヤ『マドリード、1808年5月2日』ほか“運命”をキーワードに名画を読み解く17篇。

目次 : 運命を招き入れた瞬間―ダヴィッド『マラーの死』/ボードリー『マラーの暗殺』/ 感傷的なイギリス人―ハント『良心の目覚め』/ この後、まさかの展開が…―ジェラール『プシュケとアモル』/ヘイル『プシュケと玉座のヴィーナス』/ 予言か、呪いか―コリア『デルフォイの巫女』/ミケランジェロ『デルフォイの巫女』/ 性格が運命を決めるのか?―クールベ『画家のアトリエ』/鴨居玲『1982年 私』/ 無名人の代表―カラヴァッジョ『エマオの晩餐』/レンブラント『エマオの晩餐』/ 不幸な家族の肖像―ドガ『ベレッリ家の肖像』/オーチャドスン『功利的結婚』/ 「かかあ天下」の時代―ブリューゲル『悪女フリート』/メッケネム『ズボン(パンツ)をめぐる闘い』/ 「白」への固執―アルマ=タデマ/『フェイディアスとパルテノン神殿のフリーズ』/ さすがミステリの本場―フリス『鉄道駅』

【著者紹介】
中野京子 : 北海道生まれ。作家、ドイツ文学者。絵画エッセイや歴史解説書を多数発表。新聞や雑誌に連載を持つほか、講演、テレビ出演など幅広く活躍。2017年「怖い絵展」特別監修、2020〜21年「KING&QUEEN展」ナビゲーター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • みっちゃん さん

    たった1枚の絵中にこんなに様々な事情、背景、物語があるなんて。中野京子さんの多彩な解説で、ただの平面の絵画が奥行きと広がりのあるものに感じられる。自分の乏しい想像力が喚起される。何度見ても怖いな、と思ってしまうのはバーン・ジョーンズの「赦しの樹」まるであの貞子の如くにゅるにゅると木から伸びた肢体、自分を棄てた男だけをじっと見据える無表情な顔、男の身体に絡み付いた腕は決して離されないだろう。怯え、怖れる男の顔。でももう無理、絶対逃げられない。この後どうなるのか。想像するだに恐ろしい。

  • trazom さん

    「運命の絵」シリーズもこれで3巻目。手を変え品を変え、次々と新しい話題を提供する中野さんには畏れ入るばかり。本書では、主要絵画に引出し線で解説を記述するという新たな工夫も盛り込まれている。「マラーの死」の表紙のインパクトは絶大。絵画を鑑賞しながら、神話や聖書をはじめ、フランス革命やスペイン独立などの歴史を学ぶ充実感を与えてくれるのが中野さんの本の真骨頂。男の身勝手が生んだ運命に対しては、「常に男性の味方であり続けた非フェミニストの筆者としては…」と、さりげなく男性読者に媚びを売りながらの説明も絶妙である。

  • keroppi さん

    絵は運命の瞬間を描き出す。人の生死や心の奥底までも。同じテーマやシーンでも、描く人間によって、見方が変わってくる。二つの絵を提示し語っているものは、特に面白い。作家により、こうも違うものか。一番惹かれたのは、鴨居玲「1982年 私」。心の叫びが聞こえくるようだ。この本で、今年ちょうど400冊目となった。もう1冊いけるかどうか。

  • kaoru さん

    中野先生の該博な知識にはいつも驚くが、名画を見るうえでは必需だと思わされる。表紙の『マラーの死』はフランス革命さなかの有名な事件。映像のなかった時代、絵がプロパガンダの役割を果たしたと言う一例。『神曲』のダンテがベアトリーチェを神格化しつつ放蕩に身を委ねたこと、フランス革命では修道女もギロチンの犠牲になったこと(ドラローシュの『ギロチン』)、古代ギリシャの彫像や浮彫りが実は極彩色に塗られていたこと、クールベと鴨居玲の対比などどれも蒙を啓いてくれる。巻末近くのゴヤ『マドリード、1808年5月2日』、→

  • あっか さん

    新刊。運命の絵シリーズ(?)第三弾の由(←使いたかっただけ笑)。全31作の絵画と中野さん節が利いた解説が掲載されています。こんな方が美術の先生だったら、世界中の誰しもが美術(付随して世界史も)大好きになるに違いない。そんな確信を抱くほど中野さんの講義は面白いです。1枚の絵画から、その当時の国の歴史や情勢だけでなく書き手の心理や人生まで紐解いてえぐってしまうのだからつい惹き込まれてしまう。ちょっと俗っぽいのがまたちょうど良い感じに知的好奇心をくすぐり満足させてくれます。早くもまた次の新刊を読みたくなる!

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

中野京子

北海道生まれ。作家、ドイツ文学者。西洋の歴史や芸術に関する広範な知識をもとに、絵画エッセイや歴史解説書を多数発表。新聞や雑誌に連載を持つほか、テレビの美術番組に出演するなど幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品