赤い砂を蹴る

石原燃

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163912363
ISBN 10 : 4163912363
フォーマット
出版社
発行年月
2020年07月
日本
追加情報
:
158p;20

内容詳細

お母さん、聞こえる?私は、生きていくよ。幼くして命を落とした弟。心ない世間の声に抗い、それでも母は、自由に生きた―。ブラジルの大地に舞い上がる赤い砂に、母と娘のたましいの邂逅を描く渾身のデビュー小説。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 鉄之助 さん

    祖父・太宰治から3世代にわたる芥川賞ノミネート。母・津島祐子も2度、候補になっている。”3度目の正直”ならず石原燃のデビュー作は受賞を逃したが、作品としてなかなか面白かった。「父親を知らない家で育つ」と、男を見る目がない、というフレーズにドキッとした。家庭を顧みなかった太宰の残滓が、こう言わせたのか…と思ってしまった。何人もの「死」が描かれるが、母の臨終の場面が忘れられない。 続く →

  • starbro さん

    第163回芥川龍之介賞受賞作・候補作第二弾(2/5)、石原 燃(太宰治の孫)、初読です。太宰治、津島佑子、石原 燃と親・子・孫、三世代の作品を読むとは思いませんでした。芥川賞候補作らしい暗さ、暗さという太宰治のDNAは引き継がれているようです(笑)但し、本作には芥川賞受賞する程の新しさ、パワーは感じられませんでした。 https://ddnavi.com/review/641873/a/

  • 黒瀬 木綿希(ゆうき) さん

    忘れたものは何か。失った感情は何か。怒りや悲しみ、そしてあるいは……愛、か。画家の母・恭子を亡くした千夏は母の友人・芽衣子と彼女の故郷ブラジルへ。芽衣子もまた、夫を亡くした直後だった。ブラジルの地特有の乾いた赤い砂が舞い上がると共に鮮明に浮かび上がってくる家族との思い出。美しかった記憶よりも負の感情に近い記憶が頭を支配する描写は物悲しく、それでもポツポツと思い起こされる母との日々が愛おしい。伝えたかった事を肉体を介さずに語り掛けた千夏の記憶が、舞い上がった赤い砂にかき消されることは二度とないだろう。

  • buchipanda3 さん

    赤い砂とはブラジルの土。千夏は母の友人・芽衣子とブラジルを訪れる。異国での情緒か、亡き母や弟について回想が巡る。身近な人の死を思うことは気持ちを落ち着かせなくするものだ。それは相手や自分の否定までも甦らせるもので、彼女は母親の生き方への思いを深く考えないようにしてきた。それでも芽衣子との会話やヤマの家族の光景が、千夏に母親の心情へもう一歩踏み込ませ、素直で力強い情動をもたらす。溢れる思いが錯綜するような文章がそれを大いに語っていた。死の話が多いが波乱人生の芽衣子の明朗さからか重くなり過ぎない話となった。

  • なゆ さん

    話題の方だなぁと思いつつ、“母の友人とブラジルへ旅に出る”の文句に惹かれて読んでみる。母を亡くしたばかりの千夏、母の友人でアルコール依存症の夫を亡くした芽衣子さん。赤い砂の大地、芽衣子さんの故郷ブラジル。喪失感を抱えたふたりの旅は内面へ、遠い記憶へと深く潜っていくような。母との最期の夜の病室、芽衣子さんと3人のあの時間はとてもリアル。リアルすぎて苦しいくらい。苦しさに喘ぐ息の合間に、あんなふうに何かを伝えようとしてくれてたのかな、と。赤い砂を蹴ちらして、ふたりは進み始めるんだろう。なかなか深い作品だった。

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人物・団体紹介

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石原燃

劇作家。小説家。東京生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒業。2007年より戯曲を書き始め、書き下ろしの依頼を受けるようになる。2011年の夏に大阪に移住し、演劇ユニット燈座(あかりざ)を立ち上げる。2016年に東京に戻り、現在はフリーで活動している。2010年、日本の植民地時代の台湾を描いた『フォルモサ

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