逆転の大中国史 ユーラシアの視点から

楊海英

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163905068
ISBN 10 : 4163905065
フォーマット
出版社
発行年月
2016年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
楊海英 ,  
追加情報
:
312p;20

内容詳細

日本人は、中国の歴代王朝を暗記し夷狄を討つため辺境の地に赴任する兵士の漢詩を学ぶ。しかし、実は、夏王朝から現在の中国まで一気通貫に歴代王朝が続いてきたかのような史観は間違っている。長城の外の草原には黄河文明とほぼ時を同じくして興った文明があった。青銅器を使い漢字文明にとりこまれるのを嫌いルーン文字を使った人々もいた。最新の考古学、文化人類学、言語学を駆使したまったく新しい歴史書の誕生!

目次 : 序章 中国の歴史を逆転してみる/ 第1章 「漢民族」とは何か/ 第2章 草原に文明は生まれた/ 第3章 「西のスキタイ、東の匈奴」とシナ道教/ 第4章 唐は「漢民族」の国家ではなかった/ 第5章 三つの帝国が鼎立した時代/ 第6章 最後のユーラシア帝国、清/ 終章 現在の中国は歴史に復讐される

【著者紹介】
楊海英 : 1964年、南モンゴルのオルドス高原生まれ。モンゴル名オーノス・チョクトの日本語訳は大野旭。国立静岡大学人文社会科学部教授。専攻、文化人類学。博士(文学)。1987年北京第二外国語学院大学日本語学科を卒業。1989年に日本に留学。別府大学、国立民族学博物館、総合研究大学院大学で文化人類学の研究を続けた。とりわけ国立民族学博物館では梅棹忠夫氏と松原正毅氏らに師事してユーラシア草原で現地調査。2000年に日本に帰化。著書に『墓標なき草原 内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(岩波書店・司馬遼太郎賞受賞)、『チベットに舞う日本刀 モンゴル騎兵の現代史』(文藝春秋・樫山純三賞受賞&国基研・日本研究賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • R さん

    ユーラシア大陸史における中国という見方をすることで、いわゆる中国史の歪みを指摘する本でした。中華思想のあり方と、それを育んだ歴史、漢民族という人たちの考え方がわかりやすく解説されていて、現代中国の外交思想も説明できそうな面白さがありました。やや遊牧民を贔屓にしすぎじゃないかとも思える内容ですが、それ以上に漢民族の唱える中国史を鵜呑みにしていた自分に気付けました。

  • Sakie さん

    パラダイム転換が痛快だ。中国共産党に作為があるだけでなく、「中国」という国の枠組みにも違和感を感じていた。「中国」は「漢族、蒙古族(モンゴル)、満州族(マンジュ)、回族(ウィグル)、蔵族(チベット)」と多民族で成り立っている。「中国の歴史」は異民族による覇権の積み重ねで、各王朝は継承していない。万里の長城の北側にあるオルドス出身の著者が見る「中国」は、日本人が授業で習う中国より腑に落ちる。ユーラシア大陸の中心にあって、遊牧民が持つ英知と力。それでこそ、かの国の持つ底知れぬパワーが理解できようというものだ。

  • T坊主 さん

    1)著者はモンゴル出身の中国人、北京第二外語学院卒後来日留学、帰化した学者。モンゴル人の立場からも中国という国はないと。2)今の教科書がどう書かれているか知らないが、蒙古草原に偉大な文明、国家があったとは驚きでした。連綿とした中国4000年の歴史というのはなく、彼らの負け惜しみで、古来から日本人は中国だけに目を向けていて、中央アジアにはほとんど注目していなかった。3)漢人の中国とは数百年にすぎない。4)中華思想という専制主義、偏狭な考えでは、多様な民族、宗教を受け入れられず、そこから崩壊していく。

  • クサバナリスト さん

    中華とその周辺の野蛮民族という先入観を払拭させるものだった。もっと周辺民族らの歴史も学ぶべきだと思う。元、清の他、随、唐も漢民族国家ではない。遣隋使、遣唐使が大陸文化を日本へ持ち帰ったという学校の歴史教育に引きずられ、それが本来は遊牧民族の国家の文化であることは知らなかった。

  • kawa さん

    世界史的な影響力では、チンギス・ハーンに代表されるようにモンゴル・中央アジアの遊牧民族の影響が圧倒的というイメージ、本書を読んで再確認。漢人支配による中国史は、漢・明そして現在とさほど長い期間でない、その支配構造が「異質な存在をうけいれられない中華思想」と説明される点は、なるほどと思う。中国の火薬庫は、多数のイスラム教徒の住む内陸部・中央アジア諸国だという点は、佐藤優氏と同じ指摘ですね。日本人の中国史感に再検討を迫る良著だと思うが、私的には、内容に学術的冗長感ありで、後半は飛ばし読みになってしまい残念。

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