月下上海

山口恵以子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163823508
ISBN 10 : 4163823506
フォーマット
出版社
発行年月
2013年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
270p;20

内容詳細

第二十回松本清張賞受賞!

スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子。謀略渦巻く戦時下の上海で、多江子が愛する運命の男たち。
昭和17年10月、八島財閥令嬢にして当代の人気画家・八島多江子は、戦時統制化の日本を離れ、上海にやってきた。そこで、招聘元である中日文化協会に潜入していた憲兵大尉・槙庸平から、民族資本家・夏方震に接近し、重慶に逃れた蒋介石政権と通じている証拠を探すように強要される。「協力を断れば、8年前の事件の真相をマスコミに公表する」8年前、多江子が夫・瑠偉とその愛人によって殺されかける有名な事件が起きた。愛人は取り調べ中に自殺し、瑠偉は証拠不十分で釈放されたものの、親元の伯爵家から除籍され、満州へ追われた。そして奇跡的に一命を取り留めた多江子は、スキャンダルを武器に人気画家へのし上がった。
だが、その真相は、愛人と外地へ駆け落ちしようとした瑠偉を許せなかった多江子が、他殺に見せかけて自殺を図ったのだった。槙は何故か、その秘密を嗅ぎつけていた。不本意ながらも夏方震に近づいた多江子は、その人間的な大きさに惹かれて行く。夏もまた、首と心に大きな傷を持った多江子の強さと孤独に惹かれ、心から愛するようになる。やがて夏の求愛に心を開いた多江子は、槙にきっぱりと任務を断り、夏の胸に飛び込み、共に生きる決心をする。だが、多江子の何気なく漏らしたひと言からヒントを得た槙は、工作員を捕え、夏をスパイ容疑で逮捕してしまう。多江子は槙の利己主義につけ込み、莫大な謝礼と引き替えに、夏を憲兵隊本部から連れ出す取引をする。
そして夏を実家の八島海運の貨物船で密航させ、上海から逃がす。だが、成功に油断した多江子は槙に犯されてしまう。槙の真の狙いが八島海運にあると察した多江子は、命懸けの対決を余儀なくされる。そして……。

【著者紹介】
山口恵以子 : 1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業。会社員を経て、派遣社員として働きながら松竹シナリオ研究所で学び、二時間ドラマのプロットを多数作成。その後、丸の内新聞事業協同組合の社員食堂に勤務するかたわら、小説の執筆に取り組む。新鷹会会員。2007年に『邪剣始末』で作家デビューを果たす。2013年に『月下上海』で第二十回松本清張賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ミカママ さん

    設定が苦手な感じがして、長いこと積んだままだった自分をなじってやりたい。著者さん、食堂モノの方だよね。この振れ幅は、2時間ドラマのプロット作成というキャリアの賜物か。戦前の財閥令嬢として育ち、上海へ渡った八島多江子の壮大なドラマ。多江子の瑠偉(るい)への想いが愛おしい。女が男の浮気を許してしまうと、母親になってしまう、というのをちょうどどこかで読んだばかり。男を包み込む包容力には憧れるけれども、彼の母親になるのはイヤ。そしてやはり、女はいつでも男の最後の女になりたがるものなのだなぁ。

  • えむ さん

    昭和17年、八島多江子は画家としての新しい道を見つけるため上海に来た。助手として岸武が付くが、彼の正体は上海憲兵隊特高課 槙庸平大尉だった。松本清張賞受賞作。推理小説ではなく、良質な長編エンターテイメント小説を表彰する。読んだ後で調べて納得でした。665

  • みかん🍊 さん

    食堂のおばちゃんの山口さんとは思えない作品でした、戦時下の上海にやって来た財閥令嬢で人気画家の多江子が出会った4人の男達、美人で才女で強くてそして愚かな多江子と心底愛した馬鹿な元夫瑠偉、上海で出会った槙はほんとに嫌な奴だった、波乱万丈な上海での日々、強くたくましくそして華やかなファッションの彼女はカッコよかったです。

  • じいじ さん

    戦中の上海を舞台にしたエンターテイメント物語は面白かった。読み終えて、日本も無謀な戦争をしたものだと改めて思った。海運業で財を成した財閥令嬢・八島多江子が主人公。でも、この画家の主人公は、俺の好みのオンナではなかった。容姿端麗(表紙イラスト参照)、話術に長けてオトコを魅了する女性であることは間違いない。再出発を願う多江子が文藝春秋社の菊池寛に檄を飛ばされる場面が面白い。「目指せ洋画壇の貴婦人を―知的で優雅に、颯爽としてスマートを演じろ」と。松本清張賞受賞作。

  • barabara さん

    テレビで話題になる前から注目していた作品。粗筋から言えば当時の上流階級、きらびやかさと一歩通りを外れれば貧民街が相反する雑然とした上海などがさらっと軽く書かれていたという印象。しかし表紙の女性のインパクトは強く、それは読者だけでなく、きっと小説内に出てくる男たちは皆そうだったと確信できるほど、多代子の「マーナ・ロイ」風の品のいい美貌が何もかもかっさらっていった。内容自体は期待したほどの活劇、スパイ活動もなかったし、軽いタッチの文体でさらっと読めてしまい、言われるほどの作品(松本清張賞)とは思えなかった。9

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