abさんご

黒田夏子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163820002
ISBN 10 : 4163820000
フォーマット
出版社
発行年月
2013年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
20

内容詳細

75歳の「新人女性作家」のデビュー作。蓮實重彦・東大元総長の絶賛を浴びて、「早稲田文学新人賞」を受賞した表題作「abさんご」。全文横書き、かつ「固有名詞」を一切使わないという日本語の限界に挑んだ超実験小説ながら、その文章には、「昭和」の知的な家庭に生まれたひとりの幼子が成長し、両親を見送るまでの美しくしなやかな物語が隠されています。
著者は、昭和34年に早稲田大学教育学部を卒業後、教員・校正者などとして働きながら、半世紀以上ひたむきに「文学」と向き合ってきました。昭和38年には丹羽文雄が選考委員を務める「読売短編小説賞」に入選します。本書には丹羽から「この作者には素質があるようだ」との選評を引き出した幻のデビュー作ほか2編も併録します。
しかもその部分は縦書きなので、前からも後ろからも読める「誰も見たことがない」装丁でお送りします。
はたして、著者の「50年かけた小説修行」とはどのようなものだったのでしょうか。その答えは、本書を読んだ読者にしかわかりません。文学の限りない可能性を示す、若々しく成熟した作品をお楽しみください。

【著者紹介】
黒田夏子 : 1937年、東京生まれ。59年、早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。教員、事務員、校正者として働くかたわら、同人誌に所属して小説を書き続ける。63年、「abさんご」所収の「毬」が、第63回読売短編小説賞(選考委員・丹羽文雄)に入選、紙面に作品が掲載される。2012年9月「abさんご」で第24回早稲田文学新人賞(選考委員・蓮實重彦東京大学名誉教授)を受賞、75歳にして作家デビューを遂げる。同作は第148回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    様々な意味において、これまでの芥川賞作品との異質性が際立つ。横書きも最初だろうが(おそらくそれを意識してつけられたタイトルだ)、それを含めて表記法が特異である。漢字も用いられるが、本来は漢語であるものも往々にして仮名で表記されるために、時として読んでいる途中で意味の了解に齟齬を来たすのである。それもまた作者の計算の内なのだが。さらには全体の構成も含めて世界観や主題の把握が極めて困難である。つまり、意味内容ではなく、むしろリズムにこそ本質があるようだ。畢竟、これは小説ではなく一種の散文詩なのだと理解したい。

  • みも さん

    読者の理解を拒むような茫漠たる文体。斬新かつ大胆な横組み表記。芥川賞受賞当時、フォーカスされたのはその書法と、史上最年長(75歳)受賞者である驚嘆。僕は思い込んでいた…文中に「ab」等の縦組には適さない文字が多いから、必然性が横組を選択させたのであろうと。ところが、通常カタカナ表記される単語を平仮名に、数字は漢数字を用いている。つまり、そこに必然性など一切存在せず、むしろ逆説的手法を採用し、奇を衒う事が目的のように見える。平仮名を多用し日本語の美しさを著したいなら、尚の事、縦組にすべきではなかったのか…。

  • 遥かなる想い さん

    第148回(平成24年度上半期) 芥川賞受賞作品。  前代未聞のリバーシブル本 で、しかも受賞作は横書き。 でも読みながら、そんな要素 は抜きにしても、物語に全く 入れない自分を感じていた。 ひらがなが多く、読点が ほとんどなく、しかも 死者が年に一度帰ってくる 三昼夜の描写は、著者が ひとり酔っている。 読者不在のこの流れを 選考委員はどう評価した のか。 75歳で受賞したという この作品を未熟な私は理解 できなかった、残念。

  • hiro さん

    今話題の芥川賞受賞作。同じ芥川賞受賞作の川上弘美さんの『蛇を踏む』は、テーマが何なのかすらも理解できなかったし、川上未映子さんの『乳と卵』も句点が出てこない独特の文体に手こずった。、この『abさんご』の比ではなかったで。78ページの小説を読んだというより、ただ横書きで書かれたひらがなを追って、小説の内容もわからなかったいたというのが正直な感想だった。一方、‘縦書き’のタミエが主人公の短編3編は、3編目の『虹』のラストを読んで引いてしまった。

  • absinthe さん

    なんだこれはひらがなばかりでなんだか読みにくいなと思いつつ眼がなんども同じ文章をいったりきたりじぶんのあたまのわるさをたなにあげこれは文章が悪いんだと呻きながらとうとうわけがわからずじまい.どこを縦読みするのやら.おそらくこれは実験的なこころみで文学にがてなどくしゃはつきなはすつもりなんだろう.普通あたまをよぎってはきえてしまう一瞬のおもいをしずんでしまうまえにささっとてんぷらのようにつまみあげる手腕はなんだかじょうずである.わかったんだかわかんないんだかもよくわからない感想.

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人物・団体紹介

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黒田夏子

1937年東京生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。教員、事務職、校正者などとして働きながら、作品を書き続ける。1963年、「毬」で第63回読売短編小説賞に入選。2012年9月、「abさんご」で第24回早稲田文学新人賞を受賞。2013年1月には第148回芥川賞を受賞して、75歳の最高齢受賞者と

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