陽子の一日

南木佳士

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163819204
ISBN 10 : 4163819207
フォーマット
出版社
発行年月
2013年01月
日本
追加情報
:
172p;20

内容詳細

陽子、60歳。もう先端医療の現場からは離れた。研修医を介して彼女に送られた―過疎の村での終末期医療に疲れた元同僚、黒田の病歴要約が意味するものとは?丁寧に生きようとするひとたちを描ききる、深く静かな物語。

【著者紹介】
南木佳士 : 1951年、群馬県に生まれる。現在、長野県佐久市に住む。1981年、内科医として難民救援医療団に加わり、タイ、カンボジア国境に赴き、同地で「破水」の第五十三回文學界新人賞受賞を知る。1989年「ダイヤモンドダスト」で第百回芥川賞受賞。2008年『草すべり その他の短篇』で第三十六回泉鏡花文学賞、翌年、同作品で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • みも さん

    陽子60歳、定年まで5年。信州の地方都市の総合病院勤務。第一線を退き外来と人間ドックの簡易診療のみ受け持ち、老化に起因する身体的変調に折り合いを付けながら、人生の秋を恬淡に生きてゆく。そんな彼女の波風立たない日常の静かな一日。そこに重層的に挿し込まれる、かつての指導医である黒田の真直な生き様。陽子の日々の蓄積が黒田の人生に照応し、否応なく回顧を促す。著者の分身として二人は存在し、どちらも著者自身の投影には違いない。僕自身も老いに向かい、今更後悔もないが、誰にでも人生の分水嶺はあるのだな…そんな感慨に耽る。

  • 新地学@児童書病発動中 さん

    初老の女医の一日を描く小説。作者は私小説が多いが、本書では虚構も交えて、医師として生きることや、医療現場の問題、人間の生と死といった重たいテーマが書かれている。陽子医師の体の感覚がつぶさに描かれているのが興味深い。人間は肉体に縛り付けられた存在であることが伝わってくる。陽子と共に働いた経験を持つ黒田医師の病歴要約が挟み込まれいるのが面白い試みで、小説の中にもう一つ小説があると言った趣だ。この病歴は単なる科学的なデータではなく、一人の男の人生を浮き彫りにしている。→

  • chimako さん

    午前7時8分から午後11時13分までの還暦を迎えた女医の一日が淡々と、医者の目を通して時として辛辣に描かれる。そこに挿入されるある患者に関する病歴要約(サマリー)。色合いは暗いが実に生々しい。彼女 江原陽子には息子がいるが元々夫はいない。若かった自分とその自分を助けてくれた同い年の男性医師。研修医のサマリーはその男の育成歴と病歴だった。章仕立てで書かれたそれはまるで小説のように読む者の興味を掘り起こす。年を重ね物事が見えて来たつもりでもまだまだ生身の人間てあることを痛感する。大人向けの読み物だった。

  • ぶんこ さん

    還暦を迎え、定年まで5年となった内科医の陽子の1日。 所々の描写が赤裸々すぎて読み辛かったです。僻村での医療現場の難しさを感じました。 普段親を省みなかったのに、亡くなると騒ぎ出す子供。 親の面倒をみない人に多い現象ですが、志を持って医療にあたった黒田医師が気の毒でした。 その黒田医師のサマリーを読んでいる陽子さんも気の毒でした。桑原さんの意思なのか、黒田医師の意思なのか? こういった物語形式のサマリーは、小説の中でしか有り得ないですが、医療判断をするには良いのか悪いのか? 著者初読み、難しかったです。

  • すこにゃん さん

    還暦を過ぎた老女医の半生と、かつての同僚であった男性医師の半生が合わせ鏡のように描かれています。物語の構成はやや煩雑な印象も受けますが、老女医の朝から夜までの一日のなかで少しずつ話は進み、そっと終わります。医師の献身と独善の狭間で揺れ動く、僻地医療や終末期医療の危うさが滲み出ています。いいようのない寂寥感を感じました。

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南木佳士

1951年、群馬県に生まれる。現在、長野県佐久市に住む。1981年、内科医として難民救援医療団に加わり、タイ・カンボジア国境に赴き、同地で「破水」の第五十三回文學界新人賞受賞を知る。1989年「ダイヤモンドダスト」で第百回芥川賞受賞。2008年『草すべり その他の短篇』で第三十六回泉鏡花文学賞、翌年

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