光線

村田喜代子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163815503
ISBN 10 : 4163815503
フォーマット
出版社
発行年月
2012年07月
日本
追加情報
:
217p 19cm(B6)

内容詳細

東日本の大地が鳴動した数日後、ガンの疑いが現われる。日本列島の南端の町で、放射線治療を受ける一ヶ月余のあいだ、震災と原発をめぐる騒動をテレビで繰り返し見つめつづけた。治療を終え、ガンが消えた身体になった著者は、「自分も今一度生きよう」と心に決める―。一国の災厄と自らの身に起きた変動を、見事に文学へと昇華した稀有の連作小説。

【著者紹介】
村田喜代子 : 1945年、福岡県八幡(北九州市)生まれ。77年、「水中の声」で九州芸術祭文学賞受賞を機に、執筆活動に入る。87年に「鍋の中」で第97回芥川賞、90年に「白い山」で女流文学賞、97年に「蟹女」で紫式部文学賞、98年に「望潮」で川端康成文学賞、99年に「龍秘御天歌」で芸術選奨文部大臣賞を受賞。2007年、紫綬褒章受章。10年に「故郷のわが家」で野間文芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • そうたそ さん

    ★★★☆☆ 本書は元々は「地の力」のようなものをテーマとした短編の依頼があったことから書き始められたものであったらしいが、震災という予想外の出来事に合わせて、作者自身に癌が発覚したことから、作中の収録作の半分以上は癌治療及び放射能・放射線治療に関することを描いたものとなっている。作者自身の経験が色濃く反映されているせいか、小説としての味わい深さはそれほど感じられなかった。放射線治療に関する知識は参考になったが、本当に効果的なんだろうか。村田さんに関して言えば、無事治療は成功したようで何より。

  • なゆ さん

    土地の力・地の霊力というようなものについての連作短編集なのだが、連載途中に震災そして原発事故が起こったことで、そこを境に雰囲気がガラッと変わる。ちょうどその頃に村田さん自身が放射線治療を受けられていたそうで、原発の放射線の恐怖と放射線治療の恩恵のはざまでの複雑な心境が浮かび上がる。静かで落ち着いた文章で問いかけられているような気がする。それにしてもスゴイ治療もあるのだなぁと、そっちに気をとられてしまったりもするのだけど。地霊にまつわる話もよかった。「山の人生」の爺捨ての謎は興味深かったし、「楽園」もいい。

  • yumiha さん

    どこかしたたかなお年寄り、というこれまでの村田喜代子作品とはちょっと違って、重苦しい雰囲気の短編集。3.11やそれに重なるような癌の闘病を扱っていたからだらふか?そうでない「関門」「菜の花」「山の人生」「楽園」も、私たちの暮らしの気づいていないだけで途方にくれるような迷宮の入り口がぽっかりあるんだよ、って思わされた。

  • 里季 さん

    8編の小編で構成されている。著者は3.11の数日後に子宮がんが見つかり、放射線をピンポイントで患部に当てて癌を死滅させる治療法を受ける。福島で拡がる放射能と、わが身を死から救う放射線。著者はこのことに大きな感銘を受けたという。小編の中では、私は「夕暮れの菜の花の真ん中」の夫婦のさりげない愛情と、3.11の東京での混乱を描いた「ばあば神」が印象に残った。「かみほとけがまもってくれなさる」「ごせんぞさまがまもりなさる」「みなみなさまがまもりなさる」余命幾ばくも無いひいばあばの電話の声が力強く耳に残った。

  • くろすけ さん

    原発によって大勢の人が生活のすべてを奪われた一方で、放射線治療によって命を取り戻す人々もいる。がんから回復しても、慶び事があっても、手放しで喜べない思い。闇があって際立つ光。人間性への希望。3.11後のこの国に生きる私たちが共有する心情を、風土に根ざした感覚で表した短編集。言葉にして共有することは、「忘れない」ためであると同時に、共に癒されることにもつながってゆく。直前に読んだ筒井康隆もそうだったけど、今、書かずにはいられない文学者の魂を感じた。

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人物・団体紹介

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村田喜代子

1945年、福岡県北九州市八幡生れ。作家。1985年、自身のタイプ印刷による個人誌『発表』を創刊。1987年『鍋の中』で芥川賞、1990年『白い山』で女流文学賞、1992年『真夜中の自転車』で平林たい子賞、1998年『望潮』で川端康成賞、2014年『ゆうじょこう』で読売文学賞、2019年『飛族』で谷

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