毛沢東大躍進秘録

楊継縄

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163748603
ISBN 10 : 4163748601
フォーマット
出版社
発行年月
2012年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
591p 21cm(A5)

内容詳細

当時若い学徒として、養父が餓死したにもかかわらず、「大躍進」の理想を信じた著者。89年の天安門事件を契機に、新華社記者の特権をいかし、中国17省の公文書館の内部文書や当時の幹部らへの取材を重ねて、浮かび上がってきたものは、毛沢東の独裁とそれに追随する官僚機構の、悲惨なる失敗であった。各省ごとの被害の差はどこから生じたのか。失政に抵抗する勢力はなぜ、潰されたのか。飢餓の最中にも、海外への食糧輸出が続いていたのはなぜか。毛沢東は悲劇をいつ知ったのか。周恩来、〓(とう)小平、劉少奇、彭徳懐、林彪ら建国以来の幹部たちは、どう動き、何を発言したのか。現実を重視する「実務派」と左派政策をテコに独裁体制を築こうとする毛沢東との間で振り子のようにゆれた共産中国の現代史。その「権力闘争」のなかで今日まで続く中国の国の形が形成されていったことを鮮やかに描き出す第一級の歴史書。

目次 : 永遠の墓碑/ モデル地区で何が起こったか/ 周恩来は、なぜ毛沢東を止められなかったか/ 偉大なる実験、公共食堂/ 五つの風が吹き荒れる/ 来年の種籾まで拠出する/ 彭徳懐を罠にかける―廬山会議/ 毛沢東よりさらに左を行く―四川省/ 所有という解毒剤―安徽省/ 幻の反革命集団―甘粛省〔ほか〕

【著者紹介】
楊継縄 : 1940年、湖北省の農家に生まれる。清華大学卒後、新華社入社。在社35年。同社高級記者(局長級)を経て、政治改革への積極的論調で知られる月刊「炎黄春秋」副社長。中華全国新聞工作者協会理事。1950年代末から60年代初頭にかけ、毛沢東の発動した「大躍進」政策の失敗で数千万人の農民が餓死した実態を10年の歳月を要して取材、執筆。記者生命を賭け、香港で『毛沢東 大躍進秘録』(中国語原本『墓碑』)を2008年に刊行

伊藤正 : 1940年、埼玉県春日部市生まれ。東京外国語大学中国語科卒。共同通信社に入社。香港、北京、ワシントンの特派員、外信部次長、論説委員長を歴任。共同通信時代は、二度の天安門事件を現地で取材。中国報道の第一人者。2000年、産経新聞社に移籍し、中国総局長。現在は同社嘱託。2009年、『〓(とう)小平秘録』により、日本記者クラブ賞を受賞

田口佐紀子 : 1943年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学文学部英文科卒。1970年代初め、マラヤ大学社会人学級で中国語を学ぶ。1984年から2年間、北京外文出版社日本語組の専門家として勤務

多田麻美 : 1973年、大分県生まれ。京都大学文学部卒業、同修士課程修了。専攻は中国文学。2004年よりフリーランスのライター、翻訳者に。新聞、雑誌、ウェブサイトなどに北京や中国の文化をめぐる記事やエッセイを発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • BLACK無糖好き さん

    元新華社通信記者の著者が「記者生命を賭け」10年ががりで取材し香港で刊行された「墓碑」の日本語版。毛沢東が発動した生産と人間社会の「大躍進」運動。現実を無視した政策を推し進め数千万人の餓死者が出る。餓死者が最も多かった1960年、国には数千万トンの食糧在庫があった(食糧部計画局資料)、同年272万トンの食糧が輸出されていた(国家統計局資料)。問題を指摘した党幹部も右翼的日和見主義者として弾圧される極権制度。全国17省の内部資料や関係者の証言から悲劇の実態が暴かれる。原著「墓碑」は中国本土では発禁処分。

  • 北丸 さん

    毛沢東は、新しい皇帝だったという文章(意訳)に、グッときて、すべてが腑に落ちた。マインドが封建制なのに、いきなり共産主義にすっ飛んだら、空無理やで……と思うし、それが現在の中国でどれだけ変わったのか、我々はよく観察しなければならないと思う。

  • Makoto61 さん

    綿密な取材のもとに書かれていて、非常に詳細に報道されていることで真実味が増している。しかし、読み手としては同じような話が続き、退屈なために途中からは読み飛ばしてしまった。中国が共産党に変わっても過去からの皇帝が支配する文化の延長線上にあることが毛沢東自身の考えの中にもあったのは現在の中国文化にも続いているはずと思わずにはいられない。大躍進の実情を知ることは今の中国理解にもつながると感じた。

  • naginuko さん

    いや、もうこんなことがあったんなら、事故った電車埋めたり、転覆した船の救助せず政府を褒め称えていても別に普通っていうか…。人肉を食べる描写がやたら多くて辟易した。こんな無茶苦茶な国だったんだから、今理不尽なことでいちゃもんつけてきても、「あぁそうですかー」と受け流すしかないのではないか。とにかく中国人民は究極の理不尽を味わい尽くしてきたのだから平和ボケ日本人がかなうわけない、と思ってしまった。

  • tsuneki526 さん

    労作である。中国が反日教育を続けなければならない理由、ネットの監視を執拗に行っている理由のひとつに公にされたくないこの失政があるのではないか。自国民を大量虐殺したポルポトが毛の一番弟子を任じていたということが象徴的である。現在、中国人民は逆切れ寸前ともいう。いずれこの失政の事実が衆人の知るところとなり、毛沢東が権威の象徴から引きずりおろされるとき、中国は果てしない内乱に陥るのだろうか?隣国の国民としてはそれもまた心配。

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楊継縄

1940年湖北省生まれ。清華大学卒。1968年新華社記者。1984年全国優秀新聞工作者に選出。2001年新華社退社後、『中国改革』誌などの編集者。2003年『炎黄春秋』副社長。多くの著書を発表したが、次第に当局に警戒され始めた。代表作の2008年『墓碑―中国六十年代大飢荒紀実』(香港・天地図書有限公

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