白い紙/サラム

シリン・ネザマフィ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163284101
ISBN 10 : 4163284109
フォーマット
出版社
発行年月
2009年08月
日本
追加情報
:
20cm,150p

商品説明

イラン・イラク戦争下、テヘランから国境近くの田舎町に引っ越した少女は、魅力的な少年ハサンと出会う。確かな観察力を備えた日本語で、遠い戦地の物語を我らの内に届ける、29歳イラン人女性作家の清新なデビュー作。

内容詳細

文學界新人賞受賞作(「白い紙」)、留学生文学賞受賞作(「サラム」)。大型新人の傑作二作。

【著者紹介】
シリン・ネザマフィ : 1979年、イラン・テヘラン生まれ。神戸大学情報知能工学科卒業。同大学院自然科学研究科修了。現在、システムエンジニアとして日本の大手電機メーカーに勤務。2007年留学生文学賞を「サラム」で、2009年第108回文學界新人賞を「白い紙」で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ヴェネツィア さん

    (感想は「サラム」のみ)テヘラン生まれのシリン・ネザマフィによって日本語で書かれた小説。限りなく作家自身の実体験に基づいて語られているものと思われる。アフガニスタンのマイノリティであるハザラ人のダリ語はペルシャ語とは近いようで、その縁から主人公の留学生(語り手)が、難民申請中のレイラとの接点を持つ。戦闘や直接的な迫害そのものを語ることなく、その実ひしひしと、また淡々とアフガンの現実を伝えてゆく。そして、難民に対する日本政府の現実をも。小説という形を取ったゆえにこそ私たちの無力を突き付けてくる書。

  • ケイ さん

    訳者の名前がどこにもない、と本を手に取ってから探した。裏表紙を開けてびっくり。イラン出身の日本語作家だったのだ。二作収録。表題作の「白い紙」は戦争下のイランの地方の街の若者の様子を描いているが、日本人作家が戦地の状況を書いたようにどこからぎこちなく思えた。次の「サラム」の方が圧倒的に良かった。作家自身が恐らく経験したであろう色々な事が、同じ場所に自分がもしいたら、葛藤し悩んだと思われることで、この強い体験に彼女は書かされたのだろう。情でだけはどうにもならない、国の関わる事の難しさを改めて思う。

  • 愛玉子 さん

    独身の男女が言葉を交わすことすらタブーとされる国。だが、女子の髪の毛が少し見えただけでうきうきと覗きに来る男子や、目が合っただけで胸が高鳴る初恋の初々しさなどは、文化が違うとはいえ同じ若者だと微笑ましく思う。だからこそ、彼らの生活から戦争というものが切り離せない現実を実感させられた時、激しく動揺する。夢を見ることすら許されない世界を描いた『白い紙』。難民の少女の過酷な運命を描いた『サラム』は更に衝撃を受けた。現実を前に個人はあまりにも非力で、せめてこの衝撃を覚えておくことくらいしか、私には出来ない。

  • Willie the Wildcat さん

    自由と義務。選択肢の有無・種類と同時に、選択基準。家族、国家、自尊心・・・を胸に旅立つ。夢や目標は、捨てないで欲しい!表題作はやはり”紙”。合格通知、休校連絡、兵士登録。言葉ではなく”紙”なのが、どこか酷。心がない気がする。一方、『サラム』ではレイラの最後の一言。心が篭る。送る側、送られる側。運命を受け入れ、運命に生きる。せめて両者の心が通じてるはず!って信じたい。

  • 豆ぽち さん

    小説の体を成したルポルタージュだと思う。フィクションではなく現実だ、と。医者への道を捨てて戦場に向かう青年。内戦真っ只中の祖国へ独り強制送還される、家族を失った少女。これは繰り返してはならない過去の過ちではなく、現在の出来事だ。わたしが、スタバでコーヒーを飲みながらこれを読んでいた、その最中の出来事なのだ。イラン出身の女性が、日本へ来て日本語を勉強して日本語で書いたという下駄を外してもなお読ませる文章で、日本人にはとても表すことのできない迫真に迫った小説だ。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

シリン・ネザマフィ

1979年、イラン・テヘラン生まれ。神戸大学情報知能工学科卒業。同大学院自然科学研究科修了。現在、システムエンジニアとして日本の大手電機メーカーに勤務。2007年留学生文学賞を「サラム」で、2009年第108回文學界新人賞を「白い紙」で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品