江戸切絵図貼交(はりまぜ)屏風

辻邦生

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163133607
ISBN 10 : 4163133607
フォーマット
出版社
発行年月
1992年07月
日本
追加情報
:
355p;20X14

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読書メーターレビュー

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  • 真理そら さん

    まさに「切絵図貼交」の9編からなる連作短編集。江戸の各所の雰囲気、季節ごとの花や行事、美女、幕藩体制のひずみから起きる諸藩の事件というほぼ同じような材料で創り上げられた物語はそれぞれ似ているけれどどこかが違う。その微妙な違いを歌川貞芳の作画活動の丁寧な記述が読者に伝えてくれる。蝙蝠の飛び交う菫色の空が見えるような懐かしくてある意味浮世離れした物語。

  • ソングライン さん

    江戸に住む絵師歌川貞芳の描く美人画のモデルに纏わる事件の謎を、貞芳の友人の与力秋山治右衛門、旗本赤木半蔵らと共に、明らかにしていく短編集です。登場する女性たちは、辛い運命を背負うも、それに負けず、義を全うしようとする美人たちで、彼女らを助けようとする貞芳たちの優しさが、読者に清涼な読後感を与えてくれます。江戸の風景、日本画の奥行きを精緻に表す作者の技も絶妙です。時代小説の辻邦生もすごいです。

  • tama さん

    辻邦夫さんご自身のあとがきにある、物語としての小説の楽しみを作りたかったとの言葉通り、面白いです。主人公歌川貞芳は活躍するが一向に軍団対決的展開もなければ、毎回異なる女性が出るものの愛情関係皆無。あるのは人情と風景と美しさ。なのに推理小説風。ああ、辻さんの小説、もっと読みたかった。

  • まりこ さん

    静かだけど熱い情念のようなものがあまりなく、辻さんらしくない本だなと思った。でも面白かった。財政難の諸藩で苦労した人たちの殺人事件。江戸の情緒がいい感じ。

  • めにい さん

    絵を描くことに没頭する画家とて薄幸の美女達。職務に忠実な男達。江戸情緒と詩情溢れる文章にうっとりと耽溺しました。江戸の古地図を見ながらもう一度読みたい。

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人物・団体紹介

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辻邦生

1925(大正14)年、東京生まれ。東京大学仏文科卒業。63年「廻廊にて」で第4回近代文学賞、68年『安土往還記』で芸術選奨新人賞、72年『背教者ユリアヌス』で第14回毎日芸術賞、95年『西行花伝』で第31回谷崎潤一郎賞受賞。99(平成11)年没

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