身分帳 講談社文庫

佐木隆三

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065201596
ISBN 10 : 4065201594
フォーマット
出版社
発行年月
2020年07月
日本
追加情報
:
464p;15

内容詳細

人生の大半を獄中で過ごした受刑10犯の男が極寒の刑務所から満期で出所した。身寄りのない無骨者が、人生を再スタートしようと東京に出て、職探しを始めるが、世間のルールに従うことができず衝突と挫折の連続に戸惑う―西川美和監督の映画「すばらしき世界」原案になった傑作ノンフィクション・ノベル。

【著者紹介】
佐木隆三 : 1937年、旧朝鮮・咸鏡北道生まれ。福岡県立八幡中央高校卒業後、八幡製鐵株式会社八幡製鐵所入社。’63年『ジャンケンポン協定』で新日本文学賞を受賞。’64年に退社し文筆生活に入り、’76年『復讐するは我にあり』で直木賞、’91年『身分帳』で伊藤整文学賞を受賞。北九州市立文学館館長、北九州市立大学特任教授。2015年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 鉄之助 さん

    「身分帳」とは、刑務所に収容された人の経歴や犯歴、出生から家庭事情、入所後の態度を細かく記した帳簿で、問題を起こすたびに追加記載される。主人公は、暴行、殺人などで12〜44歳までに通算23年の刑務所暮らしをした実在の人物。成長してからは続けて2年以上の社会生活がない、という「懲役太郎」だった。すぐかっとなって、手が出てしまう粗暴な性格だが、その裏側にある人間性にスポットが当たる。「何事に対しても真剣にあろうとするから、いつも怒っていなければならない」。これじゃ生きにくいだろうな、と他人事とは思えなかった.

  • いつでも母さん さん

    これをどう映像化したのだろう西川監督。この山川一の『身分帳』は読むのがしんどかった。途中でケースワーカーの井口が「何事に対しても真剣であろうとするから、いつも怒っていなければならない」と山川を評するのがしっくり来た。すぐにカーッとなってしまう山川を私は終始どうして?何故?と思ってページを捲った。なのに『行路病死人』を続けて読んで、人生の妙と言うか、糸の切れた風船のような落ち着く先を失った気持ちになっているのだ。虚しい··扱い難く面白い人間と言ってしまうには早く逝きすぎだろう。

  • みっちゃん さん

    「続く」と字幕が入っていそうな単行本のラスト。文庫にはそこからの続きがある、と知り読んでみた。後日の顛末『行路病死人』に茫然自失。言葉を失う。こんなことがあるのか。本編では語られなかった作者と「山川一」との交流、すれ違い、作者の戸惑い、もどかしさ。心機一転を誓ったとしても、なかなか変われない、変えられない人間の弱さを思う。が、刷り上がった単行本の表紙を見て大喜びする姿、実は最後まで行方不明の母親を探していたらしい事などの事実が胸に迫る。映画化を決意した西川美和さんの文章がまた趣深い。

  • Willie the Wildcat さん

    戦後の混乱の齎した逆境。心底に宿る母の残像。法律という1つの尺度における「主観性」と、法律に翻弄される不器用さ。戦後との単純比較はできないものの、現代にも垣間見る各種格差も、根底に繋がるモノがある気がする。『行路病死人』が、報いと救いを兼ねている印象。世知辛い時勢でもがく主人公と、それを支える支援者。中でも、松本との関係性における”山谷”が、更生のヒントを投げかけているのかもしれない。対照的に『身分帳』が、”壁”を厚く・高くしている読後感。

  • Kazuko Ohta さん

    劇場鑑賞した後すぐ読もうと思って購入したのに、気がつけば8カ月経過。フィクション仕立てのノンフィクション。原作では44歳とのことだから、役所広司では歳を食いすぎだけど、彼のイメージでしか頭に入ってきません。周囲は本当にこんなにいい人ばかりだったのだろうかと確かに思わなくもない。でもこの純朴さを知れば、彼を気にかけたくなったでしょう。弁護士役の橋爪功、ケースワーカー役の北村有起哉、スーパーの店主役の六角精児の温かさを思い出すと共にキムラ緑子の台詞が蘇る。「シャバは我慢の連続だってさ。でも、空は広いってよ」。

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人物・団体紹介

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佐木隆三

1937年(昭和12年)4月15日‐2015(平成27年)10月31日、享年78。朝鮮・咸鏡北道(現在は朝鮮民主主義人民共和国)生まれ。本名・小先良三(こさき リょうぞう)。1975年『復讐するは我にあり』で第74回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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