京都ぎらい 朝日新書

井上章一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022736314
ISBN 10 : 4022736313
フォーマット
出版社
発行年月
2015年09月
日本
追加情報
:
221p;18

内容詳細

あこがれを集める歴史の都・京都! そんな古都を「きらい」と明言するのは、京都育ちで、ずっと京都に住んでいる著者だ。千年積もった洛中人の毒や、坊さんと舞子さんとのコラボレーションなど、「こんなん書いてええのんか?」という衝撃の新京都論。

1 洛外を生きる(京都市か、京都府か
さまざまな肥やし ほか)
2 お坊さんと舞子さん(芸者か、芸子か
呉服と映画の時代は、すぎさって ほか)
3 仏教のある側面(北山の大伽藍
写真とイラスト ほか)
4 歴史のなかから、見えること(皇居という名の行在所
京都で維新を考える ほか)
5 平安京の副都心(嵯峨、亀山、小倉山
南朝の夢の跡 ほか)

【著者紹介】
井上章一 : 1955年、京都府生まれ。京都大学工学部建築学科卒、同大学院修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手ののち現在、国際日本文化研究センター教授。同副所長。専門の建築史・意匠論のほか、日本文化について、あるいは美人論、関西文化論などひろい分野にわたる発言で知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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若い頃から京都へ出かけることが多いので、...

投稿日:2021/07/02 (金)

若い頃から京都へ出かけることが多いので、京都人について巷間よく言われていることながら、興味深く読んだ。もう30年も前になるだろうか、在野で仏像の研究をしている知人と一緒に京都の某有名観光寺院に行った時のこと、“撮影禁止”の札が出ていない仏像があったので「写真を撮ってもいいんですが」と尋ねたら一言「3万円いただきましょ」との返事。その人を見下したような態度に「そんな無理無体を言うなら最初から撮影禁止としておけばいいじゃないか」と思い、その寺へはその後一度も行っていない。が、この書を読んで「それが京都の標準なんだ」と初めて知った次第。ある時にはやたらクソ丁寧な応対をされたことがあったが、京都の知人が言うには「それが京都特有の慇懃無礼というのだ」とのこと。私は京都人ではないので何も気にせず素直に謝辞を述べて終わったけれど。もっとも、ここで描かれている気位の高い人はごく一部の人たちなんだろう。京都には友人、知人が多いけれど、そのような人は一人もいない。京都を一括りしては気の毒だが、読み物としては面白い。ところで井上章一さん、京都の悪口を書いているようで本当のところ京都が好きなんじゃないかなあ、と感じさせるふしが随所にある。テレビでもよく見かけるが、きっと味のある人なんだろうなあ。お会いしたことは一度もないけれど。

禅済 さん | 三重県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    井上章一氏の本は『霊柩車の誕生』をはじめ、何冊か読んでいる。読書メーターに登録前のものが多いので、ここには反映されないが、結構熱心な読者ーそう、この人の言葉で言えば「ひいき筋」だとさえ言える。着想の面白さ、論理展開の大胆さを楽しんできたのである。ところが、本書を読むとなんだか老いを感じて痛ましい気持ちになる。「洛外の民として自分の生涯はおえよう」などという決意は滑稽ささえ滲み出るようである(余計なお世話か?)。本書を貫くのは逡巡と矛盾である。彼の著述の総決算がこれでないことを切に願うのみである。

  • mitei さん

    この本がまさか新書大賞をとっていたので驚きとともに手にとった1冊。私も洛中の人間ではないけど京都市の人間に取ると確かにと思うことが多かった。私も京都出身という触れ込みのアイドルの実際の出身地を調べたら、木津川市出身で思わず笑ってしまったので京都の思想に組み込まれているなと感じた。最後の日の丸とか靖国の話にはあまり共感も覚えなかったが京都の話に徹したら良かったなと思った。

  • 遥かなる想い さん

    2016年新書大賞第1位。 京都を論じた本は本当に多いが、本書は 洛外に暮らす人間が描く洛中絵巻であり、 京都の嫌なところを堂々と描き出し 小気味良い。京都人の心の奥にあるドス黒い感情が 読者に共感を呼ぶのが面白い。 どうでもいいような細かな事に拘りながら、 生きる京都の人々を、実は著者は大切に 思いながら本書を書いている、 そんな気がする本だった。

  • 鉄之助 さん

    「京都」の中にも、洛中と洛外、京都市の外れと、大きな溝があった。京都市生まれと京都府生まれの人にも大きな差が……。なんと、奥が深いと言うか、執着している、と言うか、千年の古都の魅力でもある。

  • Aya Murakami さん

    図書館で借りた本です。 自分も大学4年間京都の伏見で過ごしたのですが…、たしかに伏見と洛中では微妙に温度差があったような…。伏見の皆様も洛中にたいして妙なライバル心があったようですし…。そして著者の嵯峨野でも同じようなことがあったようです。ご当地ナショナリズムって怖いですね。 坊主めくりの話がいちばんおもしろかった。作者いわく「これほど聖職者を愚弄し遊びはないだろう」信仰や宗教を雑に扱う性がある意味では平和な社会を産んだとも…。

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人物・団体紹介

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井上章一

1955年京都府生まれ。国際日本文化研究センター所長。京都大学工学部建築学科卒、同大学大学院修士課程修了。同大学人文科学研究所助手、国際日本文化研究センター助教授、同教授を経て、2020年より現職。専門の建築史・意匠論のほか、日本文化や美人論、関西文化論など、研究分野は多岐にわたる。著書『つくられた

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