星の子 朝日文庫

今村夏子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022649409
ISBN 10 : 4022649402
フォーマット
出版社
発行年月
2019年12月
日本
追加情報
:
256p;15

内容詳細

林ちひろは、中学3年生。出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、その信仰は少しずつ家族のかたちを歪めていく…。野間文芸新人賞を受賞し、本屋大賞にもノミネートされた著者の代表作。

【著者紹介】
今村夏子著 : 1980年広島県生まれ。2010年「あたらしい娘」で太宰治賞を受賞。「こちらあみ子」と改題し、同作と新作中編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で2011年に三島由紀夫賞、2017年『あひる』で河合隼雄物語賞、『星の子』で野間文芸新人賞、2019年『むらさきのスカートの女』で芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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怪しい宗教にハマる家族の話。病気に効く水...

投稿日:2021/07/28 (水)

怪しい宗教にハマる家族の話。病気に効く水を売ってる宗教団体というだけで、あやしさ満点。信じる者、信じない者のやり取りがリアルに思えた。

百合の花束 さん | 不明 | 不明

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主人公のちひろは幸せか、今村夏子さんの作...

投稿日:2021/04/17 (土)

主人公のちひろは幸せか、今村夏子さんの作品らしく、見る人によって意見が分かれる面白さがある。 両親が信じる崇拝対象を子供の頃から自然と大事にしてきたちひろは、一般的には信じられていないものであることを知りながらも、崇拝対象が自然に生活の中心となっていく。姉は出ていき、叔父、従兄弟は両親と距離を置くが、ちひろは変わらず両親のそばにいる。 家庭が貧しくなっていく描写から崇拝対象への寄付を連想させるが、それによって修学旅行の費用も準備できなくなる状況でも、ちひろは両親のそばにいる。 後半の好きな人の言葉で自分を全否定される場面は背筋が凍る。宗教、貧困、両親、兄弟、教師、友人との関係の中での最期の結末はハッピーエンドかそうでないか見る人によって意見が分かれるだろう。

おにぎり さん | 千葉県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • さてさて さん

    『この小説では「この家族は壊れてなんかないんだ」ということを書きたかったので、ラストシーンに登場させるのも家族だけにしました』、と語る今村夏子さん。そんなこの作品では、新興宗教を信じる両親の元に育つ子供視点から、その内側にある世界がどのように見えるのか、とても興味深い世界を垣間見ることができました。そして一方で、そんな新興宗教という土台の上に展開する物語の中に、お互いを信じ合う家族の深い絆を感じさせる物語。それは、壊れていない家族の繋がりの素晴らしさ、”家族愛”をとても感じさせてくれた、そんな作品でした。

  • ろくせい@やまもとかねよし さん

    人間の多様さを読者に問う物語。結論なき結末もユニーク。人間の多様さを、幸福に不可欠な信仰、そんな個人が集う社会の同調性、そして同調を支える慣習の虚構をもちい表現。絶対的虚像で裏打させる信仰である宗教。時代時代で新しく産まれ、一定の人々に幸福をもたらす。一方、このような新興宗教は、過去からの慣習で支えられている社会の隙間を指摘するため、同調から外れた異端として排除される。しかし、生まれた時から新興宗教の社会で育った子供は、それが慣習の社会観をもつ。そんな子供の心境を柔やわに描写。巻末対談も読み応えがあり。

  • hit4papa さん

    謎の宗教に傾倒する両親の元に育った少女の物語です。本作品は、新興宗教にのめり込むことの恐ろしさを描いたものではありません。このような家庭に育った少女の姿を通して、価値観が違うものへの向き合い方へ一石を投じているように、自分は受け止めました。深刻さとか悲惨さが殊更表現されていないため、却って読んでいて辛い気持ちになります。ただ、こういう境遇の子というのは、第三者が想像するより、ずっと逞しいのかもしれません。ラストは、賛否あるでしょうね。自分は、両親が敢えて、ちひろとの別離を選んでいるように感じました。

  • あきら さん

    意外な終わり方でした。ただ、このラストがきっと良かったんだろうなあ。 時間を止めたり、そのままにすることは生きてるとできないけど、小説ならできる。 本当の結末なんて決めなくていいんだとしみじみ思った作品でした。

  • エドワード さん

    日本人は無宗教な人が多い。ちひろは幼い頃に身体が弱く、水が悪い、との父の同僚の薦めで、特別な水を使い全快した。狂喜した両親は新興宗教に入信する。交流会、研修旅行、まだわからない子供のちひろと姉の困惑がリアルだ。本当に水の力なのか、水道水と入れ替え、父母を止めようとする親戚と絶縁する。クラスメイトを集会で見かけ、カッパのような恰好の父母を先生に見られ、とまどいながら過ぎる小中学校。自分がちひろだったらどうする?ドキドキの読書だ。家を出る姉、両親と離れたくないちひろ。両親との愛に満ちた終幕、その後が知りたい。

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