Yoshi原作 翼の折れた天使たちII DVD BOX

■第一夜『衝動』／主演　石原さとみ（2007年2月26日放送）…ユリ（石原さとみ）は、コンビニで働くフリーター。毎日、夜の9時に出勤して、早朝の5時にあがる深夜帯の勤務だ。仕事が終わると、ユリはまっすぐどこかに向かってゆく。並んで駐輪している自転車を倒してしまっても、振り返ることなく歩き続ける。まだ人通りの少ない早朝の道を歩くユリは、廃墟ビルに入っていき、屋上に登った。ビルの端から落ちれば、確実に死ねる高さだ。じっと下をのぞきこむユリ。と、そこに、ふらふら散歩してくる自転車の青年、何気なく上を向いた彼と目が合ってしまった。ユリは、なんとなく気まずくなって、柵の内側に戻った。「今日も死ねなかったな」…。古ぼけたアパートの一室に戻るユリ。殺風景で、ろくな家具もない部屋の中で、ユリは毎日同じ音楽をかけて眠る。昼過ぎに目覚めたユリは、いつもと同じことを思う。「また今日も生きなきゃいけないのか」。アパートを出たユリが向かった先は、病院の心療内科。そこには、中学生のときからのユリの担当医がいる。ユリは、かつて一度だけ、手首を切ったことがあり、それ以来、通院を続けているのだった…。病院を出て、バイト先のコンビニに向かったユリは、通りすがりにトラブルに巻き込まれ、怪我をしてしまう。この出来事をきっかけに、ユリは裕紀と名乗る青年と知り合うが…
■第二夜『サクラ』／主演　戸田恵梨香（2007年2月27日放送）…着替えて、すっかり別人になりすまして、あるカフェに入る遥（戸田恵梨香）。そこで待っていたのは、中年の男。言葉使いも　しぐさも、何もかも別人になった遥は、彼の好みの女性を演じ、食事をおごってもらい、いくらかのお金を受け取って男と別れる。そこは、出会いカフェ。いわば、出会い系サイトの喫茶店バージョンだ。遥は、会員としてやってきた男性と話をして、金を稼いでいるのだ。その日の相手は、和田というさえない中年男性。遥は、いつも通り巧妙なうそをついて、すっかり和田を信用させると、次に会う約束をして、結婚を匂わせ、高いブランドのバッグを買わせることに成功した。「チョロイもんだな」。質屋でそれを換金する遥。ある日、ひょんなことから一人の青年・光輝と出会い、一目ぼれした遥は、自分をお嬢様学校として有名な大学の学生で、貿易会社の社長の娘だと偽る。それから、遥はどんどん光輝にひかれていった。さまざまな男たちを騙し、金を騙し取りながらも、光輝の前では純情な学生を演じる遥。しかし光輝には家まで送ってもらうことはできない。どんどん嘘の重みを感じてくる遥だったが、そんなある日…
■第三夜『時』／主演　加藤ローサ（2007年2月28日放送）…香奈（加藤ローサ）は体育大学の水泳部に所属する、選手の一人。が、このところ伸び悩むタイムにもがいていた。現在のポジションは、強化選手に推薦されるか否かの当落線上。20歳という年齢的にも、これが最後のチャンスだ。寸暇を惜しんでトレーニングする香奈。そこへ故郷の父親からの電話がはいる。かつて自身も選手だったという父親は、自らは果たせなかった夢を香奈に託し、古臭い精神論で叱咤する。香奈の苛立ちは募った。タイムは伸びていない。それに比べ、メキメキと力をつける後輩たち。焦り、そして苛立ち、ぶつけようのない怒りに悶々とする香奈。ドラッグストアで辺りを窺い、手近にあった口紅をさりげなく鞄に詰め込む香奈。万引き――それが香奈にとって唯一のストレス解消法だった。しかし香奈はそれをすぐに公園のゴミ箱に捨ててしまう。べつにモノが欲しいのではないのだから。ある日、練習後のミーティングルームで、コーチから最後通牒を突きつけられた香奈は…。
■最終夜『商品』／主演　香里奈（2007年3月1日放送）…都内の高級エステで、高級パックにマッサージ、ヒアルロン注射…過剰なほどの施術をうける美咲（香里奈）。全てのメニューを終えると、高額の料金をカードで支払い、店を後にする。美咲は4年前、家を飛び出し、バイトで貯めたお金で整形手術をした。その時、過去は全て捨てた。名前も変えた。小学4年の頃、ちょっとしたことがきっかけで「汚い」「ウザい」「キモい」と、クラスメイトにいじめられ、それから人と顔を合わせるのが怖くなった。長い前髪でいつも顔を隠し、うつむいてばかり…。自分に自信が持てなかった。全てはこの顔のせいだと思っていた。キレイにさえなれば…。美咲が働いているのは、六本木のVIPしか入れない超高級クラブ。彼女はこの店のナンバー1だ。大物客から次々と指名される美咲。「欲しいものなら何でも手に入る。私はもうあの頃の私ではないのだから…なのに、どこか不安で物足りない気がするのはなぜ?」。ある日、美咲の店に新たな女の子・ユカが入ってきてから、美咲をとりまく状況は一変する。ユカは、美咲よりも若くてかなりの美人。皆の目が急に美咲を離れ、ユカに行った。焦りを隠せない美咲は…


Yoshiが自分の元に届く手紙やメールを基に書き上げた原作を映像化するオムニバス・ドラマの2007年版。石原さとみ、戸田恵梨香、加藤ローサ、香里奈がそれぞれ等身大の女性に扮し、リアルな人間模様を映し出していく。(CDジャーナル　データベースより)