イヤー オブ ザ ブル

主人公のトーレーン・チャールズは高校アメフトリーグの選手。マイアミのノースウエスタン・ブルズというチームでキャプテンをつとめる地元のスターだ。ポジションはディフェンダー。大柄な体格ながら抜群の瞬発力で相手を止める。高校3年生の彼は今年の州大会での優勝を目指しており、その活躍はアメリカ中のメディアが取材に来るほど注目の的だ。父親を9才の時に亡くしたトーレーンは、母親と双子の妹との3人でひっそりと暮らしており、コーチや家族（妹）は周りが騒ぎ立てる事をあまり良く思っていない。
そんな中、SAT（大学進学基準テスト）の結果が返ってくるが、トーレーンの点数は基準点に達しておらず、補習を受けなければならなくなる。幾多の有名大学から毎日のようにスカウトを受ける彼だが、SATで基準点を上回らなければ、大学に入学できず、大学でプレーも出来ない。しかし、彼が熱を注いでいるのはアメフトだけ。周りの心配をよそに授業もサボりがちで、SATの試験をすっぽかしてしまう。
周りからの期待とプレッシャーは高まり、リーグも終盤を迎えるという時に、トーレーンは試合中ケガをしてしまう。フィールドで倒れたまま起き上がれない彼を見て、観客、チーム、彼をサポートする全ての人が泣き崩れ、首をケガして半身不随になったのではないかと心配する。やがて、救急車がフィールドに到着、試合の最中にトーレーンは病院に搬送され、彼を失ったチームは試合に負けてしまう。
奇跡的に重症には至らず練習に戻ったトーレーン。しかし、ケガを恐れて思うようなプレーが出来ず、そのためにコーチと口論になり、殴り合いの喧嘩となる。さらに、チームメイトとも、家族をバカにされたことが引き金となり大喧嘩。家族に楽をさせたいと人知れず考えているトーレーンは、その気持ちを上手く表現することができない。
18歳の誕生日に最後のSATを受験するトーレーン。泣いても笑ってもこれが最後のSAT。彼は見事に基準点を上回り、幾多のスカウトの中からフロリダ州立大学を選びサインをする。いよいよNFLが現実に近づいてきた･･･。

マイアミのノースウエスタン・ブルズというアメリカン・フットボール・チームを舞台に、ひとりの高校生プレイヤー、トーレーン・チャールズの闘いを追ったドキュメンタリー映画。プレッシャーに立ち向かう彼の必死さに心が打たれる。(CDジャーナル　データベースより)