CD

耳抜き mimi-nuki 〜Secondary Works of Satoshi Sonoda,1982〜1988

園田佐登志

基本情報

カタログNo
:
PSFD203
組み枚数
:
1
レーベル
:
Psf
:
日本
フォーマット
:
CD

内容詳細

いつの時代も音楽には“ダーク”な部分が存在する。20世紀後半を脅かした冷戦期に目立った実験音楽には、確かにその要素が色濃く反映されていた。80年代の多彩な音源、ロック、ジャズ、前衛音楽、エスノの混交が豊かな猥雑さを発信する、このアンダーグラウンドな音の流れはそんなあるひとつの典型だろう。(篁)(CDジャーナル データベースより)

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【 身軽な音の戯れの背後にひょっこりと現...

投稿日:2012/07/03 (火)

【 身軽な音の戯れの背後にひょっこりと現れる暗闇。時代にも個人にも還元できないような、言葉を失った饒舌がここにはあって、容易な見通しや理解を拒んでいる。1980年代 東京のアンダーグラウンド・シーンに留まらず、時代を見据えた優れたポピュラーミュージックの作品・演奏の記録として「mimi-nuki」は遍在する。】 ◉ 参加ミュージシャン:阿世知省吾, 秋田昌美, 池田篤, 石田孝, 伊地知一子, 大熊ワタル, 大友良英, 貴田薫,木村真哉, 工藤冬里, 黒田京子, 香村かをり, クロマルトン, 芝井直実, 島田康雄, 冷水ひとみ, 杉本真弓, 園田佐登志, 竹中恭, 西村卓也, 藤井博通, 松井亜由美, 村田陽一, 本山正明, 吉村安見子, 天沼ロリー ◉ 「耳抜き」初回特典。24ページ総勢27名執筆のリーフレットがプレゼントされるとのこと。 リーフレット執筆:中十代, 天沼ロリー, 足立智美, 石塚潤一, Vivian, 大熊ワタル, オニーク・アル・タリーフ, 河合拓始, 香村かをり, コサカイフミオ, 佐藤薫, 冷水ひとみ, 須川善行, 野口是人, 墓川雪夫, 葉月成美, 樋口泰人, 細川周平, 竹内いすず, 美川俊治, 三宅良太郎, 宮地健太郎, 山崎春美, 米本実, ルベ・エマニュエル ----------------  本作【耳抜き / mimi-nuki 】をCDパッケージとして世に問う園田佐登志は、近年になって「再発見」された音楽家の一人である。  1970年代半ば以降、主宰する明治大学「現代の音楽ゼミナール」のオルガナイザーとして、小沢靖、北村昌士、竹田賢一、佐野清彦、松岡正剛らとしばし交流を重ねたが、当時の演奏は数年前にリリースされた「すべてはもえるなつくさのむこうで」(PSFD186)というアルバムに、かろうじて印されているに過ぎない。  しかして、2011年に再刊された大里俊晴の名著「ガセネタの荒野」では、”脳のボタンをかけ違えた、謎の人物”とされながらも、併せてリリースされた10枚組の「ガセネタ in the BOX」は、その音源の大半を氏の録音物に拠っている。また、ウェブサイト上に垣間見える希有なフライヤーコレクションとともに、今や、伝説のジャズ喫茶 ”吉祥寺マイナー” の欠かせぬ語り部の一人でもある。さらに、映像作家としては、2008年に「篠田昌已 act 1987」の全国上映を敢行し、篠田も一時在籍したことのあるマヘル・シャラル・ハッシュ・バズのDVD「腰くだけの犬」の編集とリリースに尽力した。  その氏が、東京のアンダーグラウンド・シーンに留まらず、時代を見据えたポピュラーミュージックの優れた作曲家であろうことなど、このアルバムを聞き終えるまで、果たして、誰が、知りえただろう。  いまや、DJミュージシャンのルーティンではあるが、1979年にヴィニル盤のスクラッチを始めた際の経緯をひりひりとした心持ちで語るアルバム冒頭の「Noise Rose 」。アーノルト・シェーンベルクの第一ストリング・カルテットによるテープループと秋田昌美のエリクトリック・パーカッションに観客の罵声が入り乱れる「Yumbo」。冷水ひとみのリードオルガン、大熊ワタルのダブギター、本山正明のチェロが寄る辺ない空気感を漂わせる「The Painted Bird 」。”ユニゾンともじりの案曲”と本人が呼ぶところの、ヨーロッパ中世の小品をモチーフにしたプリミティヴなサウンド・イベント。ルナパーク・アンサンブルのボーカリスト、ロリーをフューチャーした透明感あふれる高揚と彼岸への眼差しを感じさせる「シダ」。歌えや踊れやの女性2名のダンス・パフォーマンスユニット「青空歌劇団」がはなつ放埒でハチャメチャな歌舞音曲「朝と昼と」。そろばん教室、トゥバラーマ、天気概況などがコラージュされ、石田孝のピアノ、杉本真弓のヴァイオリン、吉村安見子のリードオルガンが一途な叙情性を湛える「Summer Landscape」。アルルバム・タイトルでもあり、村田陽一、池田篤、大友良英らも在籍した黒田京子ORTによる、”ドライ・オペラ”「耳抜き」。そして、アイヌ神謡集をテーマとし、近未来の動植物や鳥たち、子守唄、ハルモニウム、トレブル・レベックなどが電子の森の中で錯綜する終曲「Funeral」。  一筋縄ではいかぬ強靭な意思とアイデアに貫かれながらも、先を見越せぬ諦念と郷愁を漂わせる80年代音楽の終焉と坩堝。・・・すべてを聞き終えた後、一瞬、目眩と混乱に襲われた。

vivian さん | 東京都 | 不明

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