FAN

group_inouは完全にオリジナルなアルバムを作ってしまった。多くのバンド、グループは自分たちの音楽がより多くのリスナーに伝わるように(言い方を変えればセールス目的で)メッセージを強固なものにしようとメンバー間で話し合い、意思の統一を図り、楽曲を作り上げる。
一見正しい行いに思えるが、結局は複数の意見が出た時、採用される意見は一つであり、出来上がる楽曲は全員の意見ではなく、平均だ。
一方、group_inouはお互いがお互いのパートを別々に担当し、野暮な話し合いなどせず、それら見事に融合させる。
その"融合"を可能にしているのは上記の分かりやすい"メッセージ"なんかより、もっと単純で深いところ、"最高と思えるか、否か"という感覚のみで自分たちの楽曲を判断しているからである。そして、話し合いで安易にメッセージを統一しないからこそ、聴く人、日によって感じ方が変わるという無限の広がりをもった楽曲を作る事が出来るのだ。オリジナルな存在ゆえに今までどのシーンにも属することなく、活動してきたgroup_inouが全てをひっくり返す時がやって来た。

皆さん、準備はよろしいだろうか？

これぞ、ポップ・ミュータント!
都内を中心に活動中のimai[TRACK]とcp[MC]からなるユニット。Cpの矢継ぎ早に飛び交う言葉の速射砲の如き鬼のラップと、手に届きそうなくらいの空中を浮遊し漂うようなimaiのトラック。ユニットと書きましたが、まるでMCバトルよろしく、互いに煽りあいながら１つの到達点に向かっていく緊張感、LIVE感が見事に盤に落とし込まれた１枚。この強烈な２人の個性が高次元で融合した完全オリジナルなハイブリット・ポップサウンド、未体験の方は是非！