ナタリア・ギンズブルグ

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小さな徳 須賀敦子の本棚

ナタリア・ギンズブルグ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309619934
ISBN 10 : 4309619932
フォーマット
出版社
発行年月
2018年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
165p;20

内容詳細

名作『ある家族の会話』の前に発表され、カルヴィーノも大絶賛した現代イタリアを代表する作家のエッセイ集。獄死した夫との流刑地の日々をつづった「アブルッツォの冬」、『ユルスナールの靴』とイメージの重なる「ぼろ靴」、友みなが不在の夏の日に自死したパヴェーゼの思い出「ある友人の肖像」など珠玉の11編。

目次 : 第1部(アブルッツォの冬/ ぼろ靴/ ある友人の肖像/ イギリスに捧げる讃歌と哀歌/ メゾン・ヴォルペ/ 彼と私)/ 第2部(人間の子ども/ 私の仕事/ 沈黙/ 人間関係/ 小さな徳)

【著者紹介】
ナタリア・ギンズブルグ : 1916‐1991。イタリア、パレルモに生まれ、トリノで育つ。幼少時から詩作を始め、高等中学校時代には短編少説に才能を発揮する。反ファシズム活動家レオーネ・ギンズブルグと結婚し、1940年から3年間を夫の流刑地アブルッツォ州の村で過ごす。42年、最初の小説『町へゆく道』を刊行。夫が獄中死を遂げた後、ローマとトリノで出版社エイナウディを拠点とし、小説の執筆やプルーストの翻訳などに勤しむ。再婚したガブリエーレ・バルディーニとローマに転居後は戯曲にも創作の幅を広げた。57年、小説『ヴァレンティーノ』でヴィアレッジョ賞、63年『ある家族の会話』でストレーガ賞

白崎容子 : 東京生まれ。東京外国語大学修士課程修了。1972〜73年にローマ、2002〜03年にフィレンツェとローマに留学。元慶應義塾大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • アン さん

    『ある家族の会話』の著者によるエッセイ集。夫の流刑に伴い幼子達と故郷を離れ寒村で暮らした日々「アブルッツォの冬」、疎開する両親に子供を預け、一足しかない靴でローマの道を歩く自由な人生「ぼろ靴」、対照的な夫婦の愛情に満ちた姿がコミカルに綴られる「彼と私」、子供の教育と天職を語る表題作など11編。最愛の夫との苛酷な別れさえも淡々と静かに述べ、「ぼろ靴」は須賀さんの『ユルスナールの靴』の冒頭の文章に通じるものを感じ、凛と前を向き心たおやかに生きる姿が印象的。人生を慈しみ愛する尊さを教えてくれる味わい深い作品。

  • みねたか@ さん

    エッセイ集と呼ぶにはあまりにも濃密で味わい深い作品群。夫と幼い子供と過ごした流刑地での日々を顧みた「アブルッツォの冬」。蘇る鮮やかな情景とその時の思いに胸を締めつけられる。「彼と私」や「イギリスに捧げる讃歌と哀歌」はウイットに富みリズミカル。その他の4編には著者の人間観,職業観,子育ての考え方が語られるが,ファシズムと戦火を潜り抜けた世代としての責任感と覚悟が強く感じられ読み応えがある。「須賀敦子の本棚」と銘打たれたシリーズの1作目。俄然他の作品も読み進めたくなった。

  • ヘラジカ さん

    イタリアの作家ギンズブルグのエッセイ集全訳。短い文章ながらも響くものが非常に多い。詩的な存在をそのまま、あるいはそれ以上に詩的なものとして表現する素晴らしさ。対象への文章による接し方というか、見つめる眼差しが須賀敦子と本当によく似ている。迫害や戦争の傷跡を書いたものが多い点は須賀さんのエッセイとは少し違うが、死別した夫との距離感など、素人目にも原点がここにあることが分かる。短くもヴィヴィットな自伝的エッセイ「人間関係」、明快で納得してしまう教育論的な文章「小さな徳」が特に良かった。

  • おおた さん

    論理が逸脱せず親身なやさしさをもっている。戦争の苦労や身内との離散・死別を経験したからここまで優しくなれるのだろうか。文中でも解説でも言われているのは、自分にしがみつかずに他者として突き放した文章であること。現実のささやかな正しさにしがみついて大志を忘れてしまうことの危機感を説く表題作は特に身に染みた。作者の小説もぜひ読んでみたくなる。

  • スズコ(梵我一如、一なる生命) さん

    最初の軽い読み心地から、後半はとてもどっしり読み応えと感動に変わった。人間関係の洞察の鋭さ、小さな徳の子供への接し方、とても共感した。イギリスの食をユーモラスに侮蔑し、新しい夫との関係が心配にさせられながらも、最後は映画のような映えの印象で終わる、オシャレ。またどこかのタイミングで再読したい。

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