CD 輸入盤

I Hear A New World

Joe Meek (ジョー ミーク)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
RPM502
組み枚数
:
1
レーベル
:
オリジナル盤発売年
:
1960
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

古くはポップス・ファンの間で語り継がれ、最近では『モンド・ミュージック』の第1弾に掲載された影響で、ジョー・ミークは広く知れ渡るようになりました。本作はジョー・ミークの幻の未発表作品をCD化したもので、オリジナルのデモ・プレス盤はコレクター市場価格で2000ポンド(20万円以上)という値のついた作品なのです。
ジョー・ミークを簡単に説明しますと、’50年代から’60年代中盤ころまでの英ポップス界の異端児、という感じでしょうか。表面的にはポップなボーイズ・ポップス(!)をチャートに送りこんだという事になってしまいますが、それでは彼の本質は伝わりません。解かり易く極端に言うと、フィル・スペクターにブライアン・ウィルソンを掛け合わせても足りないくらいの、レコーディングの常識をハナから無視した録音オタク、と言いましょうか…正に元祖モンドさんなのです。また補足しますと彼は’67年に謎のライフル自殺を遂げてます。アウター・スペースとオカルトへの興味が彼の狂気を生み出したとも言われていますが、真相はミステリーです。
本作を既成の”音楽”として楽しもうとする方は、多分オモシロクナイと言われるでしょう。しかし、ちょっと聴き方を変えてみるだけで、本作の価値は180度変わるハズです。

1.I HEAR A NEW WORLD
僕は新しい世界を聴いたよ~という囃子うたみたいなメロが繰り返されるアルバム表題曲。回転数を変えて加工された高い声(米TVアニメになぞらえ、チップマンク・スタイルと呼ばれる)が近くに、遠くに、鳴り響きます。ジョー・ミークのダビングにダビングを重ねた(しかもロウファイな野蛮なアプローチを取っていたと言われる)音像は、ハイだのロウだのというより、サウンドそれ自体またはムードを聴き取るという現代の耳にも新鮮に響きます。アウトロのスペーシーなエフェクトの感じはどうしてもハイ・ラマズあたりを思い出してしまう。
2.ORBIT AROUND THE MOON
チューニングの外れたギター・サウンドなどが(たぶんダビングの所為でしょう)飛び回る曲。タイトルからして月の周りをグルグル廻っているのでしょう。チャカチャカしたパーカッション類が曲調を決めている。東欧あたりのダンス音楽(もちろん庶民の舞踏の方)を思わせるメロディ?
3.ENTRY OF GLOBBOTS
またもやピッチを上げてチップマンク化した声がフューチャーされる曲。今度はマーチ風だ。みんなが整列していくのだな。笑い声なんか聞こえると、ちょっとイっちゃってたのかな、とも思わす部分もあってチョッピリ、アブない。
4.BUBLIGHT
シンセの無い時代、ジョー・ミークは色々な楽器、または楽器でもない楽器(モノをこすり合わせる音など)を駆使して、自らのイメージするスペーシーな音像を作り出していった。この曲でもその代表的な雰囲気が味わえる。
5.MARCH OF THE DRIBCOTS
再び、チップマンクス達のパレードだ。勿論曲は行進曲のリズムを刻む。陽気な感じがまた不気味に気持ちイイ一曲。
6.LOVE DANCE OF THE SAROOS
またもや、スペーシーな曲。エレキ・ギターのリフとカウベルみたいな音色がリズムを刻む。その上を行ったり来たりするのは、ハワイアン風のギターや何やかや。トーネイドーズの「テルスター」で成功を収めたミークだけに、多くの曲でサーフ・インストものの手法やエコー感を援用してますね。
7.GLOB WATERFALL
宇宙空間とも言えるし、聴きようによっては海底風のサウンド(タイトルから言うと滝ですね)とも言えます。ドラの音が時折入って、爆発する(飛沫?)。
8.MAGNETIC FIELD
前曲のムードのまま、静かに始まったかと思いきや、正面から接近してきて小爆発するようなサウンドが続く。そのうち、注意信号みたいなサウンドを契機に景色が一変。強力な磁場を持った空間だ。少し東洋的? YMOの「磁性紀」みたいな曲調?
9.VALLEY OF THE SAROOS
チャカチャカしたパーカッションが鳴り響く中、ピアノが簡単なメロディを繰り返す。様子がおかしくなってきたなぁ(音程が狂ってくる)と思ううちにそれ以上の展開はなく終わる。少し、切ないようなメロからして裏ペット・サウンズ?
10.DRIBCOTS SPACE BOAT
コミカルな雰囲気のメロディが気持ちいい曲。(あの本とは関係なく)一般にモンドといってイメージされるサウンドといえるでしょうか。ペリー&キングスレーの好きな人は聴いてみて下さい。
11.DISC DANCE OF GLOBBOTS
これもコミカルなリフが繰り返される曲。舞踏なのでしょうね。但し、どんどんどんどん曲のテンポが速くなっていくところがミソ。この曲のリフといい、他曲のメロといい、民族音楽的な音階を感じますね。
12.VALLEY OF NO RETURN
ラスト・ナンバーは比較的大人しいナンバーで締め括り。ハイ・ラマズの『ハワイ』なんかも思い出すメロウさがあります。タイトルから推測すると、これはレクイエム? 最後の一音まで聞き逃さないでね。

収録曲   

I Hear A New World - Album Rod Freeman & The Blue Men

  • 01. I Hear a New World (02:44)
  • 02. Orbit Around the Moon (02:49)
  • 03. Entry of the Globbots (03:10)
  • 04. Bublight (02:43)
  • 05. March of the Bribcots (02:07)
  • 06. Love Dance of the Saroos (02:34)
  • 07. Glob Waterfall (03:15)
  • 08. Magnetic Field (03:10)
  • 09. Valley of the Saroos (02:50)
  • 10. Dribcots Space Boat (02:16)
  • 11. Disc Dance of the Globbots (02:15)
  • 12. Valley of No Return (03:01)

A Day In The Life Monologue – Joe Meek: Recorded 1962

  • 13. Early History (05:49)
  • 14. Ibc/Triumph/RGM/Pyr (04:43)
  • 15. Holloway Raod/Studio Gear
  • 16. A Day in the Life/Making/Records/Production

Enhanced CD Track

  • 17. Interview To Camera By Joe Meek (World In Action Documentary From 1964)

ユーザーレビュー

総合評価

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'60年発表。「英国のフィル・スペクター」として近年再...

投稿日:2006/04/26 (水)

'60年発表。「英国のフィル・スペクター」として近年再評価されている音楽プロデューサー。音の輪郭をとどめないエコー・オン・エコーの狂気の音響、物を擦る音によるリズム、コップの水に息を吹き込むポコポコという音を使うなど、随所にマッドなアイデアが発揮されている。

GRAVIKORD さん | 東京都 | 不明

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サンラ然り、ケニーシャーフ然り。宇宙オタクはココにもいた。...

投稿日:2005/07/10 (日)

サンラ然り、ケニーシャーフ然り。宇宙オタクはココにもいた。外宇宙がコンセプトだけど頭の中で酊酩した子鼠が暴れてるという感じ。分裂病者には宇宙と交信してると盲信する人が多いと聞くケド…。テープの回転ピッチを変えたり逆回転、ストローをブクブク…新世界を具現化する為に心を砕いた彼の最期は悲しい。

ききみみずきん さん | 東京都 | 不明

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