クリスチアナ・ブランド

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領主館の花嫁たち 創元推理文庫

クリスチアナ・ブランド

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784488262044
ISBN 10 : 448826204X
フォーマット
出版社
発行年月
2016年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
430p;15

内容詳細

1840年、当主の妻を失ったその領主館は、悲しみに沈んでいた。そして、愛らしい双子の姉妹の家庭教師として館を訪れたテティもまた、癒しがたい傷を負う身であった。屈託なく懐いてくる、瓜二つの双子の姉妹に、徐々に生きる希望を取り戻していくテティ。だが、館に頻発する怪異が、彼女たちの運命を、容赦なく翻弄していく…。予測不能、美麗にして凄絶なる巨匠最後の長編!

【著者紹介】
クリスチアナ・ブランド : 1907年マラヤ(現在のマレーシアの一部)生まれ。イギリスに帰国後の17歳のとき父が破産。自活のため保母兼家庭教師やモデル、ダンサーなどさまざまな職業を転々とする。1941年、『ハイヒールの死』で本格的に作家デビュー。以後『緑は危険』『ジェゼベルの死』『はなれわざ』『招かれざる客たちのビュッフェ』など、オールタイムベスト級の傑作を次々と発表し、女流ミステリ作家としての確固たる地歩を築く。また、1972年から73年までCWA(英国推理作家協会)の会長を務めた

猪俣美江子 : 慶應義塾大学文学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • mocha さん

    時代を経た陰鬱な館。天使のような双子の少女。母は謎の病で亡くなり、若い女性教師が住み込むことに・・。いかにもゴシックホラーという設定だ。250年も続く呪いは強力だけど、幽霊達がちょっと軽いキャラで恨みつらみよりもゲームを楽しんでいる風なのが怖さ減点。むしろ女性たちの心理戦が醜くも恐ろしい。

  • けろりん さん

    英国女流ミステリ界の重鎮クリスチアナ・ブランド最後の長編。舞台は1840年代。英国丘陵地帯に建つアバダール屋敷の主人は、最愛の妻を亡くし、残された双子の娘達のために、家庭教師を呼び寄せる。250年に及ぶ呪いに覆われた館の死と哀しみの霧を、自らの辛い過去を克服し、教養と愛に満ちたこの若い女性が吹き払うのでは、と読者は期待したのだが…。館に取り憑く姉弟の怨霊は、生者の心の暗がりに巧みに忍び込み、妬み、虚栄、貪欲を増長させる。人の何と容易く転落することか。容赦ない醜い心理描写と台詞が刺さるゴシック・サスペンス。

  • みっぴー さん

    クリスチアナ・ブランドのミステリーとはあまり相性が合わないのですが、こちらはど真ん中。面白かったです。ジェイン・オースティンが好きなら、読んで間違いなしのゴシックホラー。英国の貴族階級に属する一族にかけられた呪い。幽霊とか普通に出てくるのですが、全然怖くない。じゃあ何が面白いのかって聞かれると、"領主館の日常"それ自体が面白い。新しい家庭教師と嫌みな領主館の女主のネチネチした口喧嘩、双子ちゃんの物の取り合い、些細な出来事がいちいち楽しいです。でも、作者が小説を書こうと決意した理由が一番面白かったです。

  • geshi さん

    ブランドの館ミステリを期待しただけに、ゴシックホラーっぽい作品で「あれ?」と思っちゃう。幽霊が人間よりも実在感あるように描かれているから、やりたかったのはホラーではなく愛の深さとそれに反比例する憎悪の苦痛なのだろう。呪いはあってもあくまで契機でしかなく、人の心は歪んで誰かを虐げずにはいられない。一途な愛、互いの傷を癒す柔らかな時間、美しき自己犠牲、そんな綺麗だったはずのものが醜く腐っていく様をこれでもかと見せつける嫌らしいまでの筆。

  • ako さん

    本格ミステリだと思って買ったのに…それでも何かトリックがあるのでは?も思いながら読了。幽霊話でしかなかった… 双子のどちらかをひいきにして育てるとこんなにも我儘な子と自己犠牲の子に育つものかな。リンが姉のものを欲しがってるだけでいずれは心変わりするだろう事は予想がついてたはず。自分でこうする事を選んだのに家庭教師のせいにしたり、家庭教師も腹いせにヒルに嘘をついて彼の人生をめちゃくちゃにしたり。何だか誰も彼も自分勝手でまともな人がいなかった。

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