呪われた腕 ハーディ傑作選 新潮文庫

トマス・ハーディ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784102108062
ISBN 10 : 4102108068
フォーマット
出版社
発行年月
2016年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
404p;16

内容詳細

19世紀末の英国ヴィクトリア時代。風が渡る荒野とハリエニシダの茂る情景の中で、運命に翻弄される主人公たち…美しい若妻ガートルードの腕に残された痣をめぐる悲劇的な人生を描いた傑作「呪われた腕」、妹の婚約者との密やかな愛を綴る「アリシアの日記」ほか、「妻ゆえに」「幻想を追う女」など珠玉の八編を収録。「ハーディ短編集」を復刊・改題。「村上柴田翻訳堂」シリーズ。村上春樹×柴田元幸「特別解説」付き!

【著者紹介】
トマス・ハーディ : 1840‐1928。英国南部ドーセット州生れ。19世紀ヴィクトリア朝後期の英国文学を代表する作家の一人。同州のあるウェセックス地方を舞台に、14冊の長編小説、4冊の短編集ほか、多くの詩歌を残した

河野一郎 : 1930年、大阪府生れ。英文学者、比較文学者、翻訳家。東京外国語大学、フェリス女学院大学名誉教授。専門は現代イギリス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • はたっぴ さん

    ハーディの研究をしているという大学講師の方と職場で知り合い、お勧めの作品の中で読みやすそうな短編集から挑戦してみた。厭世観たっぷりの世界に戸惑いながらも、優れた情景描写に惹かれ、思っていたほど暗さを感じることなく読み進める。中でも『幻想を追う女』『呪われた腕』『アリシアの日記』は面白く二度読み。普通に生きている人々が運命の糸に導かれるように、黒々とした感情の罠にはまっていく。読み手の私も身動きが取れなくなるような息苦しさを覚えつつ読了。次は長編の『テス』を読んでみよう。

  • ペグ さん

    トマス ハーディ。名前だけは知っていて「日陰者ジュード」を読みたいと思っていたところ書店でこの短編集を見つけて読んでみました。そして、、、すっかり心奪われました。定点カメラの中に行き交う人々を掬いとった様な〜登場人物はモノクロームで背景は四季折々の美しい自然。人々の苦しみ、幸せを過不足なく俯瞰で見ているハーディの表現は巧みです。加害者が被害者になりその反対もあったり、ちょっと魔術的な部分もあり、とても良かったです!

  • 巨峰 さん

    村上春樹がハーディを読むと小説を書きたくなるというのがよくわかる。一つ一つの短編にしっかりと人生があって、一つの世界があり、その世界はしきっちりと完結している。わかりにくくないのがなおいい。短編小説の分量で長編小説のような読み応え。悲劇的な結末の小説が多かったが十分に楽しめた。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    ハーディの作品は読後、沈鬱な気分になるものばかりだ。自分の愚かしさを直視しきれない弱さ、それを抱えて生き続けなければいけない静かな絶望が描かれているから。だけど、それは不変的だからこそ、能天気に愛だの希望だの夢だのでふわふわコーティングされた小説よりも心に寄り添ってくれるので何度も読みたくなってしまう。「妻ゆえに」はパッとしない幼馴染への優越感や嫉妬、堅くなさから大切な者を全てを喪って永遠に孤独になってしまう女の悲しさに胸が塞がれる。「幻想を追う女」は子供が可哀想だな・・・

  • Y2K☮ さん

    著者初読。やはり短編はサスペンスが肝。「世にも奇妙な物語」や「ifもしも」或いはポーの怪奇小説に近い味わい。でも恐怖を描くのが目的ではなさそう。モームや芥川の持つ意地悪な突き落とし感もさほど強くない。因果応報ではあるけど教訓的な意味ではなく、まるで実験を記録した人生のサンプル映画の様な。それでいて読ませる。キャラ造型も含んだ緻密な構成や伏線回収のアクロバットではなく、時折挟み込まれる箴言と丁寧な風景描写、そして二者択一の明快なシチュエーションで引き込む。誰もが思う「あの時ああしていたら」を昇華した匠の業。

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