オオカミがいないと、なぜウサギが滅びるのか 知のトレッキング叢書

山田健

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784797673029
ISBN 10 : 4797673028
フォーマット
発行年月
2015年06月
日本
追加情報
:
189p;19

内容詳細

世界の農地や放牧地、森林で毎年推定240億トンもの土壌が失われている!?

土壌の豊かさは人間の暮らしに直結します。
過去の文明は、豊かな土壌に恵まれて勃興し、土壌を略奪しつくして滅亡しました。
そして現在、地球上全体の土壌は危機的な状況にあります。世界の農地や放牧地、森林で失われている土壌は、毎年推定で240億トン。一人あたり、実に3.4トンもの土壌が消えているのです。

多いですよね。

いったいどうすればよいのでしょうか。

そこでこの本です。

生態系ピラミッドという生物間の食物連鎖の関係性を表した図があります。
サントリー「天然水の森」の総責任者である著者は、生態系ピラミッドの根底にある土壌こそが全ての生物を育む源であり、その土壌を豊かにするには生物の多様性が重要であると語ります。
つまり土壌を守り育てるためには、多様な生き物があふれる生態系ピラミッドの再構築が不可欠なのです。

でも、地球上の生態系ピラミッドは、いまや絶滅種で歯抜け状態です。

この本では、すべての生き物たちの未来を守るために、森で、農地で、都市で、今何ができるのかを具体的に探っていきます。もちろんそこには人間も含まれます。
それは日本の森林や田畑に豊かな生態系を取り戻すことで訪れるであろう、素敵な未来へのスケッチ。
これからできることは、まだまだたくさんあるのです。

<目次より>
第一章 生き物の世界は必ずピラミッド型になる
ピラミッドのバランスが崩れる時/増えすぎた鹿は、オオカミで解決できるか/
文明の歴史は、分断の歴史かもしれない

第二章 ピラミッドの基盤である「土壌」に、もう一度注目しよう
緑の革命の功罪/人類世界の生態系ピラミッドを描いてみる

第三章 いま、日本の森の土壌は、どうなっているのか
日本の森は、意外にあぶない/生態系は、多様さを慕う?

第四章 身近な環境に、生物多様性を取り戻すために
まずは、農地から始めよう/不耕起という方法/「限界集落」を「元気集落」にする/
東京はどうすればいいのか

<著者について>
山田 健
1955年、神奈川県生まれ。78年、東京大学卒業。
同年、サントリー株式会社(現・サントリーホールディングス株式会社)に入社。
現在、エコ戦略部チーフスペシャリスト兼水科学研究所主席研究員として、「天然水の森」の企画・研究・整備活動を推進している。『水を守りに、森へ』(筑摩選書)、『ゴチソウ山』(角川春樹事務所)など著者多数。
九州大学客員教授、(公)日本鳥類保護連盟理事、(公)山階鳥類研究所理事、日本ペンクラブ会員。


【著者紹介】
山田健 : 1955年、神奈川県生まれ。78年、東京大学卒業。同年、サントリー株式会社(現・サントリーホールディングス株式会社)に入社。現在、エコ戦略部チーフスペシャリスト兼水科学研究所主席研究員として、「天然水の森」の企画・研究・整備活動を推進している。九州大学客員教授、(公)日本鳥類保護連盟理事、(公)山階鳥類研究所理事、日本ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • to boy さん

    土壌ー植物ー雑食動物ー肉食動物という生態系ピラミッドの絶妙なバランスを生かした世界を提案している著者。表題の意味は、オオカミがいなくなれば鹿が増えて植物を根こそぎ食べてしまいウサギが食べるものが無くなってしまうという(現代日本の状況)意味。雑草は根こそぎ取らないで根を残すことで土壌の微生物や栄養分などを保全した方が良いそうです。生態系ピラミッドでは必ず上位に行くほど生息数は少なくなるけど、人類だけはとんでもない例外。そんな人類の人口減少を是とし、従来のシステムの見直しを提案されている所は一考に値です。

  • spatz さん

    図書館の新刊の棚にあったのをなんとなく手に取ったのだが、これが読みやすく示唆に富む本だった。生態ピラミッドがいかに破壊されてきたか、命を育むのに一番大切なものは土壌であること。著者はサントリーで、「天然水の森」プロジェクトを立ち上げた人で、各地で森の再生や新しい農業の試みを行っている。目先の成果が得られる化学物質に頼ったあげくの現在の土壌の危機的な状況、など、非常にわかりやすく語られている。みなに読んでほしい本。

  • 爺 さん

    進歩社会から持続可能社会へ。“土壌”回帰を説いた本書の主張は、概ね納得のできるものであった(東京解体説とか以外)。前半の大資本アグリビジネスによる世界への悪影響を解説した辺りは、諸々いろんな本で言及されているので新鮮味はなかったが、後半の有機農法への回帰可能性を触れた辺りは特によかった。最大の不満は、著者の諧謔精神なのか韜晦趣味なのか、ところどころに入ってくる(笑)などの茶化し方。真面目に読んでいるのにこういうのが入るとイラっとする。酒飲みながら話聞いてるわけじゃないのですよ。TPOを考えてくださいね。

  • のぶ さん

    この本、今年のイチオシです。この問いかけ型の書名を見て、あれ?捕食者がいないと小動物は栄える筈では?と疑問を持って、読んでみたのですが、このあたり絶妙な書名でしたね。その問いかけの答えは最初の30ページで明かされてます。単純といえば単純な謎解きでした。ミステリーならそこで終わるのですが本書はそこからです。シンクグローバリー(生態学入門的な話)からアクトローカリー(実践)の話にだんだん広がってきます。目ウロコ的な話が満載でした。本書の内容を半分しか語ってないという点では問題ありの書名だったのかも知れません。

  • Hiroki Nishizumi さん

    ピラミッド型生態系や生物多様性などについて興味深く読めた。ただ提案している解決策は無邪気で、いささか空回りしている感が否めない。それでも前向きに考えることは素敵だ。

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1955年、神奈川県生まれ。78年、東京大学卒業。同年、サントリー株式会社(現・サントリーホールディングス株式会社)に入社。現在、エコ戦略部チーフスペシャリスト兼水科学研究所主席研究員として、「天然水の森」の企画・研究・整備活動を推進している。九州大学客員教授、(公)日本鳥類保護連盟理事、(公)山階

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