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Piano Concerto.12: Engel Tennstedt / Deutsches So Berlin+haydn: Sym

Mozart (1756-1791)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
SSS0070
Number of Discs
:
1
Label
:
Format
:
CD
Other
:
Studio Recording,Import

Product Description

テンシュテット・イン・ベルリン

【ライナーノートより】
 私たちが知るクラウス・テンシュテットとは、何よりもベートーヴェン以後のロマン派音楽を得意とする指揮者だった。激烈なベートーヴェン、巨大な音塊が襲いかかってくるようなワーグナー、情念が渦巻くブラームス、そして、凶暴かつ繊細なマーラー・・・。
 しかし、今回陽の目を見たモーツァルト演奏は、とうてい同じ指揮者のものとは思えないほどに美しい。第1楽章は、にわかにテンシュテットとは信じがたいほどに優雅で軽やかな味わいで開始される。弦楽器の溶け合った響きなど、艶美とすら言ってよい。改めて確認すれば、これを演奏しているのはオーストリアや南ドイツではなく、常日頃こうした類の美しさとはなれ合わないベルリンのオーケストラである。
 ただし、ピアノが弾き出すとはっきりするが、独奏を支える管弦楽は、ある時は声を抑えて、あるときはかなり強く自己主張する。いずれにしても、色が濃くなるのである。オーケストラのどんなパートも生々しい存在感がある。決していい加減に鳴っているのではなく、ちょっとした和音にも配慮と意志が行き届いている。その意味で、非常に密度が高いと同時に押しが強い演奏である。
 カール・エンゲルは1970−80年代、モーツァルトの名演奏家、そして歌曲の名伴奏者として評価されたピアニストである。非常に清潔感のある端正な音楽が身の上であることは、これを聴いただけでもわかるだろう。今日のようにさまざまなコントラストや衝突や暴力をモーツァルト作品の中に見出す傾向とは正反対だ。が、これはこれでひとつの完成された演奏様式なのである。そのエンゲルに比べれば、オーケストラは明らかにより雄弁であろうとする。ことに短調の部分や半音階的に音が動くところに両者の違いはよく表れている。
 一方、ハイドンの交響曲第57番は最初からして緊張感が強い。短調のアダージョで開始される序奏は、ベートーヴェンを予告するかのように重々しく劇的な雰囲気をはらんでいる。試みに他の指揮者たちの演奏と比べてみれば、テンシュテットがどれほど遅いテンポで、不気味なまでの闇をひろげているかがわかろう。
 そこから一転してアレグロの快速部分になる。第1主題はさっぱりしたものだが、テンシュテットの手にかかると、第2主題はずいぶんこってりとしたロマンティックな性格を与えられている。
第3楽章は定型的なメヌエットだが、テンシュテットが指揮すると、上品な宮廷舞踊というより、民衆が酒を飲んで踊るかのような野卑な生気が生まれるのがおもしろい。
 テンシュテットはハイドンの交響曲をあまり演奏しなかったようである。この作曲家は、モーツァルトにもましてゆったりとした余裕のある音楽を書いた。ハイドンの音楽の最大の特徴とされるユーモアとは、ものごとから距離を取って眺める姿勢にほかならない。そうした音楽と、私小説的な激しさを持つテンシュテットの音楽性がずれてしまう可能性は容易に想像できる。結果から言えば、交響曲第57番は、テンシュテットの個性で塗りつぶされた特色ある演奏になった。(許光俊)


【収録情報】 ・モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414
・ハイドン:交響曲第57番ニ長調 Hob.I-57
 カール・エンゲル(P)
 ベルリン・ドイツ交響楽団
 クラウス・テンシュテット(指揮)
 1973年9月11日ステレオ録音(セッション)


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