ベートーヴェン(1770-1827)

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CD 輸入盤

交響曲全集 バティス指揮メキシコ州立交響楽団(5CD)

ベートーヴェン(1770-1827)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
7509650009614-2
組み枚数
:
5
レーベル
:
:
Mexico
フォーマット
:
CD

商品説明

特別寄稿 許光俊の言いたい放題
第4回 「快楽主義のベートーヴェンにウキウキ」

 以前、ここで取り上げたバティスのモーツァルト集は残念ながら廃盤らしい。その代わりと言うわけでもないが、このところバティスの録音が次々に輸入されているようだ。 それも当然至極。チェリビダッケやヴァントみたいに考え抜いた、鍛え抜いた演奏が消えた今、どうせなら、逆方向の演奏が楽しいではないか。

 そして実際、バティスのベートーヴェン全集は、こんなに思いこみがなくて、こんなに爽快で、こんなにくたびれないベートーヴェン演奏はほとんど空前絶後というほどに、快適なのである。聴いていて、心が晴れ晴れするのである。くつろがせてくれるのである。

 早い話、まるでロッシーニだ。これを聴いていると、構造がどうだとか、細かい部分がどうだとか、まったく考えたくなくなる。単にニコニコしていればいいのである。

 特に第1ー4番の愉悦感はいいなと思う。ゆっくりした楽章ですらウキウキ感があるし、もちろんフィナーレともなれば爽快に疾駆。自然な抑揚がついたスムーズな流れなので、セカセカしない。「英雄」さえもが幸福感の下に演奏されている。こんな楽しげで嬉しそうで快楽主義的なベートーヴェンって、カルロス・クライバーの4番以来ではないか。

 第5,7番あたりも快適だ。意味ありげなポーズはなく、ひたすら突進。トスカニーニから、偏執狂的超まじめさを取り除くとこうなる、とでも言おうか。

 ベートーヴェンをこんなふうにやれてしまうというのは、もしかしたら、いやたぶん、たいへんなことなのではないか? 何も考えないようでいて、ちゃんとした魅力的な演奏になっているというのは。深刻ぶらないでも大人の音楽になっているというのは。
 この直後に、ラトルの第9を聴いた。立派だし、おもしろい演奏だ。でも、ヨーロッパはもがいているんだな(そこが彼らのいいところではあるのだけど)と痛感させられたのだった。

(きょみつとし 音楽評論家 慶応大学助教授)

総合評価

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3、8番が凡演。9番は第2楽章トリオの一...

投稿日:2005/05/19 (木)

3、8番が凡演。9番は第2楽章トリオの一部で初期稿を使っていたり、基本的にメトロノームを意識してるのかと思えば7番終楽章はかなり速い。不思議だけど面白い。特に2、4、5番が良かった。

ブリュッヘン好き さん | 東京都 | 不明

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確かに、何にも考えていない演奏だ。このあ...

投稿日:2004/02/13 (金)

確かに、何にも考えていない演奏だ。このあっけらかん度は、メキシコというお国柄のせいなのか????いやまてよ、よく考えてみれば、深刻ではないベートベンなんて今までにも腐るほどあったではないか。オケも決して上手とはいえないこの盤を聴くくらいなら、マズアやマゼールのほうがオケが立派な分ずっとましだ。 それにしても、許氏はどうして、バティスなんかに熱を上げているのだろう。早く眼を覚ました方がよいかと存じます。

gz さん | 三重県 | 不明

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私は「正統的」と言われる演奏はあまり好ま...

投稿日:2002/12/05 (木)

私は「正統的」と言われる演奏はあまり好まない。このCDも「こわいもの見たさ(聴きたさ?)」に購入した。ただ、怖くはなかった。初期の作品などは実に心地よく響く。しかし、やはり5番以降になると物足りない。指揮者が何をしたいのか全く見えない。確かに「正統的」ではないが、思ったほど「個性的」でもない。そういう意味で先発のチャイコフスキーでは欲求不満の塊になってしまった。けれど、きっと発売予定のブラームスとシューマンも買ってしまうであろう自分がわからない…。

tsucchy さん | 愛知県 | 不明

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人物・団体紹介

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ベートーヴェン(1770-1827)

1770年12月17日(16日?):父ヨハン、母マリアの次男としてドイツのボンに誕生。 1778年:7歳でケルンでの演奏会に出演。 1781(1782?)年:クリスティアン・ゴットロープ・ネーフェに師事。 1800年:交響曲第1番を宮廷劇場で指揮。 1804年:交響曲第3番『英雄』を発表。 1805年:交響曲第5番『運命』、交響曲

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