クレンペラーの壮大な世界を構築した名演、
ベートーヴェン:第九の1957年のスタジオ録音とライヴ録音が、
最新リマスターとDSDマスタリングによりSACDでリリース
ベートーヴェンの交響曲全集は、クレンペラーの代表作として知られるもので、序曲その他を含め、遅めのテンポで壮大な世界を構築した名演。特にパート・バランスを常に適切に保つことで、情報量が非常に多いものになっているのが特徴で、フレーズの形を完璧に維持し、拍も厳格に守ることで、独特の堅牢なスタイルを構築している点が挙げられます。柔軟さや外見上のスタイリッシュさには目を背け、ベートーヴェンの本質のみにひたすら近づいていこうとするかのような演奏。それがクレンペラーによるベートーヴェン演奏の特徴と言えます。第九はその総決算です。
クレンペラーの第九は、1957年10月31日から、キングズウェイ・ホールで、ウォルター・レッグの元によりスタジオ録音が開始されました。その途中の1957年11月15日に同じメンバーにてロイヤル・フェスティヴァル・ホールでコンサートが行われ、EMIのウォルター・ジェリネックによって録音。その後キングズウェイ・ホールに戻り、11月21〜23日にレッグの元によって曲の大部分が本格的に録音されました。
スタジオ録音の第九が1958年にモノラルで2枚組LPでリリースされた時、その第4面には、ニルソンと共演した劇音楽『エグモント』が収録されていました。第九とほぼ同時に録音されたものという意味合いも込めて、今回ディスク1-2はそのカップリング通りの収録としてあります。
ライヴの方が若干早めのテンポですが、クレンペラーの演奏は遅いという言葉は、ここでは当てはまりません。彼はすべてのものに緊迫感と即時性を与えることに成功しています。たとえば、スケルツォのすべての繰り返しが生き生きと聴こえることなど、スタジオ録音に比べてドラマチックな感覚がさらに増しており、クレンペラーは、第九の高貴さと人間性を高く評価する伝統に属していました。
ライヴ録音の『第九』は、当時EMIから貸し出されたテープによる、テスタメントから1999年リリースのCD盤がありましたが、今回のSACDハイブリッド盤での発売にあたって、2023年にリリースされたクレンペラー全集のための、オリジナル・マスターテープより「Art & Son Studio」によって24bit/192kHzリマスターされた音源を使用し、SACD層のために、SACDや空間オーディオのマスタリングとして有名なパリにある「Circe Studio」にてDSDマスタリングを施したものです。25年ぶりのハイレゾ・リマスターにより、立体空間の広がりと定位に良さ、そしてダイナミックな音には驚かされるはずです。Multipackプラケース仕様。
「クレンペラーの《第九》は、1957年のセッション録音が名演として知られているが、同時に行われた演奏会のライヴも録られており、1999年に初CD化された。今回のリマスターはその両方を収めたものだが、痛いほどに刺激的だった高音部の角が取れ、はるかに聴きやすい音となっている。空間性や奥行きが増し、2つのホールの響きの違い、ライヴの熱気の中でも努めて冷静さと保とうとする指揮者と奏者の集中力、声の瑞々しさもさらによく聴き取れるようになった。」〜音楽評論:西村 祐
*ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い輸入盤のみ、日本語解説書・帯付き。日本語解説書には、イギリスの評論家・音楽研究家タリー・ポッター氏による演奏についての解説の日本語訳と、西村 裕氏によるこのSACDの音質などの書下ろし解説を掲載。(輸入元情報)
【収録情報】
Disc1
● ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』
第1楽章:Allegro ma non troppo, un poco maestoso (17:01)
第2楽章:Molto vivace - Presto (15:40)
第3楽章:Adagio molto e cantabile - Andante moderato - Tempo I - Andante moderato - Adagio - Lo stesso tempo (15:02)
Disc2
第4楽章:
1. Presto - Allegro assai (6:31)
2. Presto - Recitativo. “O Freunde, nicht diese Tone!” (Soloists, Chorus) (3:39)
3. Allegro assai vivace. “Froh, froh, wie seine Sonnen” (Tenor, Chorus) (4:26)
4. Andante maestoso. “Seid umschlungen, Millionen” (Chorus) (5:37)
5. Allegro ma non tanto. “Freude, Tochter aus Elysium” (Soloists, Chorus) (4:21)
オーセ・ノルドモ=レーヴベリ(ソプラノ)
クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
ヴァルデマール・クメント(テノール)
ハンス・ホッター(バス・バリトン)
フィルハーモニア管弦楽団&合唱団
オットー・クレンペラー(指揮)
録音時期:31.X & 21-23.XI.1957
録音場所:ロンドン、キングズウェイ・ホール
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
● ベートーヴェン:劇音楽『エグモント』 Op.84(抜粋)
1. Overture (9:07)
2. No. 1: Die Trommel geruhret (3:05)
3. No. 4: Freudvoll und leidvoll (1:57)
4. No. 7: Klarchens Tod bezeichnend (3:12)
ビルギット・ニルソン(ソプラノ)
フィルハーモニア管弦楽団
オットー・クレンペラー(指揮)
録音時期:25.X and 21 & 25.XI.1957
録音場所:ロンドン、キングズウェイ・ホール
録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
Disc3
● ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』
拍手〜第1楽章:Allegro ma non troppo, un poco maestoso (16:52)
第2楽章:Molto vivace - Presto (15:08)
第3楽章:Adagio molto e cantabile - Andante moderato ?Tempo I - Andante moderato - Adagio - Lo stesso tempo (14:23)
第4楽章:
1. Presto - Allegro assai (6:17)
2. Presto - Recitativo. “O Freunde, nicht diese Tone!” (Soloists, Chorus) (3:30)
3. Allegro assai vivace. “Froh, froh, wie seine Sonnen” (Tenor, Chorus) (4:17)
4. Andante maestoso. “Seid umschlungen, Millionen” (Chorus) (5:22)
5. Allegro ma non tanto. “Freude, Tochter aus Elysium” (Soloists, Chorus) 〜拍手 (4:18)
オーセ・ノルドモ=レーヴベリ(ソプラノ)
クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
ヴァルデマール・クメント(テノール)
ハンス・ホッター(バス・バリトン)
フィルハーモニア管弦楽団&合唱団
オットー・クレンペラー(指揮)
録音時期:15.XI.1957
録音場所:ロンドン、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
録音方式:ステレオ(アナログ/ライヴ)
24bit/192kHzリマスター(2023)
SACD Hybrid
*ワーナーミュージック・ジャパン取り扱い輸入盤のみ、日本語解説書・帯付き(輸入元情報)